■戦評■国際親善試合 日本-ペルー | picture of player

■戦評■国際親善試合 日本-ペルー

■日本2-0ペルー
■短評というまでもない感想

今日になってようやく見れたので、もう遅きに失した感があり。試合内容については各所で書かれているとおり、中村1号を入れてもそれなりに機能したが、前回のサウジ戦のような前衛的な流動性を持ったサッカーではなく、テンポの遅いサッカーになってしまった、というのが妥当だろうか。確かに中村1号が預けどころにはなるのだけれど、それ以外の選手が遠慮しているのかテンポがつかみづらいのか、最初の思い切りで突っ走ることが出来なかった。ぐだぐだペルーだったから彼独特のためを作っての大きな展開も有効だったのだが、これが強豪国となるとこのテンポではあっさりとカバーされてしまうことはワールドカップで実証済み。今の段階では中村2号のほうがよっぽどチームの方向性と合致している。中村1号自身は手ごたえを感じてはいたようだが、現時点で中村1号をどうしても使わなければならないという必然性は感じなかった。


西部さん的な「1回やって駄目ならもう呼ばんですぜ、旦那」というテスト基準ではこれで「しゅーりょー!!」ということになるのだろうが、俺はそうは思わない。今後も機会を見つけては中村1号の順応を試みることは間違いない。それは彼自身の順応と言うことだけでなく、チームの彼への順応という意味でもある。なんだかんだ言ってもあのキープ力&展開力は今のMF陣の中では図抜けている。問題はそれをオシムが目指す方向に使えるかどうかだ。適応できた場合にはオールオッケーなのだが、さて、駄目だった場合にはどう処遇するのか。あのじいさんも口では「彼のためにチームは作らん」と言ってはいるが、それは本音か?この試合でも「マンマーク原則」を放棄して、ある程度の守備を免除していたように、特別な措置をはかるんじゃないだろうか?薔薇を置いたテーブルの下で平気でナイフいじってるようなじじいなので、油断できない。個人的にはこのまま中村1号を本番直前まである程度は引っ張るような気がする。最終的に駄目だった場合でも、FK要員あるいはとっておきの切り札として残るだろう。


ただ、中村1号が全然適応できなくて駄目でも、次は中村2号、それが怪我しても遠藤、藤本、というのは非常に健全。巻にも矢野というライバルを当て、絶対的な選手を作らないという方向性は前政権では考えられなかったこと。決してどこぞの馬鹿スポーツ新聞が書いてるように「エースは中村1号」ではない。これに加えて、終盤のヤングバカどもの投入も、ああ、なんだか忘れていたなあ、こういうの…と感慨ひとしお。普通のチームにようやく戻れました。


■picture of player 中澤&トゥーリオ
と、まあ俊ちゃんについてひとしきり書いたわけであるが、この試合で戦術的に最も重要だったのは中澤・トゥーリオのコンビを試したということだったのだが、うまくいったのではないだろうか。これで、2バック状態になっても跳ね返すことができるバックラインの形成が可能になった。中澤は久々だったけど、早野から遠く離れたせいか、冴えまくり。まあ、ペルーの攻撃がしおしおだったこともあるんだけれど。それと、トゥーリオはほんと髪切ったほうがいいと思う。いや、まじでいい美容院紹介するからさ。