■戦評■北京五輪予選-日本対香港 | picture of player

■戦評■北京五輪予選-日本対香港

久しぶりの戦評だからパパ頑張っちゃうぞー。



■日本3-0香港
■短評

北京五輪への第一歩となったホームでの香港との一戦だったが、消化不良と欲求不満だけが残る試合だった。


日本は3-4-3で、DFが右から水本、伊野波、青山中盤下がり目に青山、梶山、右に水野、左に本田圭、3トップは平山を中央に置いて、シャドー気味にカレン、李。香港はオーソドックスな4-4-2。


結論から言えば、この布陣をこれ以上使うのは厳しいだろう。香港相手だからよかったようなものの、3トップは前線に張り付くばかりで機能せず、後ろからのボールの引き出しがない。そのため、梶山、青山のカバーする範囲が広すぎて、このチームの中心である梶山に異常なまでの労働量を強いてしまっている。また、そういう状況なので、前線のポストプレーを中盤がフォローしてすばやくサイドという展開もなかったため、このチームの攻撃のエース格である水野を高い位置で生かす形にはならなかった(それでも単騎突破でほぼ勝率100%というのはすごいが)。また、本田と両シャドーも完全に試合に埋没してしまっていた。


結局この生殺し状態は後半15分頃まで続き、両シャドーに代わって、中央でボールを捌ける家長の投入、さらには梶山の仕事を肩代わりして前に送り出し、なおかつスペースに飛び出せる増田が入ったことによって、ようやく改善することができた。彼らが頻繁にいわゆるバイタルエリアに進入することで、ボールを自在にキープすることができ、水野、本田の両サイドも高い位置を取れるようになる。香港の体力が低下したことも重要な要因だったに違いないが、彼らの投入は劇的な効果だった。


なんだか足し算を解くのにわざわざ微分積分をやってるような状態。結局、水野、家長という選手は1対1ならほぼ完勝、1対2でも50%くらいの確率で勝てるのだから、そこで勝負をさせりゃいいだけなのだと思うのだが。それならば、3-4-3で2シャドーなどという前衛的な戦術を取らずに、ゲームを仕切る梶山の負担を取り除き、両サイドにおいて1対1あるいは数的有利な状況から勝負できるような攻撃の組み立てをするべき。そのためにも、3バックでいくのなら、両サイドに顔を出せ、梶山の負担を担保できる増田という選手を先発させたほうがいいだろう。また、家長も中央であれだけできるのならば、ばてるの覚悟で先発もアリかな。4バックならばまた話は違ってくると思うが、そうなると右サイドを100往復できる中村北斗がいないと厳しい気がする。あと、気になったのはJベストイレブンの谷口の謎の冷遇…上田よりも順番は下か…。


無論、上記の単純なメソッドが本番で通用する保証はどこにもないわけだが、それも予選を突破してからの話である。本番を見据えて梶山と水野を千尋の谷に突き落としている段階なのかな、ともちょっと思ったけど、反町さんたぶんそんな漫画みたいなことしない。というか、そんなことする監督いない。いや、待てよ…もしかしたら、反町さんはただの操り人形で、すべてはオシム爺の陰謀…うわなにをするやめr



■picture of player 山本昌邦
前大会の監督ということで、呼ばれてしまった人間力。まあ、無難にこなしたと思うのだが、「こういうプレーはインターナショナルでは通用しません」って、てめーのチームは通用したことねーじゃねえか、という突っ込みをした方は正解です。10000人間力プレゼント。