フロリダに2ヶ月行っている間に、ふきのとうが花を開いてしまった。

1年に1度の出会いなので、開いた花でも摘み取って食べてみた。

思い出の味である。

ほろ苦さが口の中に広がって、その味を噛み締めて目をつぶると、実家の蕗(フキ)畑が見えてきた。

味噌で味付けしたが、うまい具合にいって食べ過ぎてしまった。

これで1年間食べなくてもいい。

ふきのとうには、蕗にない味がある。

蕗にない苦味が、独特の味である。

毎年少しずつ広がって蕗畑が広くなっていくので、そのままにしている。

今年は肥料をやって太い蕗を育てるつもりだ。

蕗を好む友達が待っていてくれる。

肥料といっても化学肥料を使わない。

身の回りの野菜も野草も、落ち葉や堆肥に限られている。

その方が柔らかいからだ。

蕗とみょうがが共存していて、どちらが勝つか見守っている。

植物は同じところを嫌って、毎年移動する。

庭が広いので移動するところはあるが、そこが日陰だったり、他の植物の領域だと戦いになる。

たいてい新しい方が、戦いに勝つ。

と言うのも、そこに以前から育っていた植物に、欲しい肥料がなくなっているからだ。

一時、庭によもぎが増えて戦ったことがある。

そのよもぎが何時しか下火になり、消えていった今、みょうがと蕗が戦っている。

みょうがの方が強いが、蕗もかなり強い。

みょうがは秋に限られているが、蕗の場合、ふきのとうは春、蕗は春、夏、秋と食べられる。

日本の野草も色々とある。

あばら家はふるさとでもある。

春がもう、そこまで来ている。