ディアスキンザック

明日からモニターすることにした

僕がリュックを背負うのは
３５年ぶりだ
当時こそ世間では如何なモンかと
職場に通勤すると揶揄された…

防災
情報管理
時代が要求するアイテムになっている
名だたるブランドの物を見たが
僕は背負う気になれなかった
どれもこれも決してカッコ良くなかった…

去年の春からサンプル制作してたが
満足できないでいた…棚の上で
それらは埃にまみれたままだった
見るたびに心が痛んでしかたなかった

そんな日々の中
僕はある場所であるブランドのリュックを
見てビックリした
いったいこんな物がどうしてこんなに
高いの？…理解できなかった…
その瞬間に僕の痛んだ心に火が点いた
価格の半値で倍の価値を付加できないだろうか…？…
鹿シャツを作る気分で
洋服を仕立てるように
俺達らしく洒落たヤツを作ってくれ
オレはリュックは背負わないぜ
山登りなどまっぴらだし
通勤電車も無理だし
歩きスマホも絶対にできない
…スーツに似合うモノにしてくれ

そして僕のイメージ通りに上がったら
レッドムーンのセルフオマージュを
ファンと共有したいから
ファーストはディアスキンで頼むよ


一枚革で包んだかぁ
ショルダーベルトもスリムで馴染むし
美しいドレープが縦に走ってる
それに何と言ってもクラシックを感じる

何でもかんでも
バッグは背負っちゃえという考えは
そもそもグランドデザインの危機であるが
あまりにも貧弱で腹も立たない…

そんな環境の中でこれを見せられた

僕の中で新年に相応わしい好事だった。



レッドムーン後藤