
やばい話は人に教えられない、がぼくは知っている。これ程面白く楽しく危険な話は蜜の味がする。事実がどうかは別にしてそれらは「真実」として小さな声でしかも必ず暗い場所で語られる―――、その時の衝撃や刺激に一喜一憂しながらもどこか快感を覚える自分が理解出来ない・・・ そうしているうちにぼくの中で何かが騒ぎ出す、そう他人に教えたい虫がにわかに増殖しはじめるのだ―――、「この気持ちの高ぶりは何だ!」そうしてぼくは伝える他人の選択にいそしむ訳だが・・・、哀れ!他人の悪事と不幸は蜜の味となる。そして我悪事と不幸は誰かに語っている・・・ ほんとうに世の中はヤバイ世界なのだ。