変身
さらに歳が明け昭和32年正月頃‥案の定母は実家に戻って来た。だいたいの想定の範囲を意識してしこたま酒を浴びていた‥。待ち伏せるのはだいたいの察しをつけた鬼の形相の叔母と四度見たって「仏の顔」の祖母、そして母の兄弟達四人とツイデのオレである。この時クレイジーミヨに変身半ばの母はいきなりオレを抱き上げて猛ダッシュ!「死んでヤル~」と駅にひた走るが途中急カーブして知り合いのA宅へ逃げこんだ。この家のおばさんは近所のの実力者でバリバリの某新興宗教信者、言わば母の馴染みの駆け込み寺だ。オレは歩けない頃から遊びに来てるが母はいつもいつも最初の5分は「ワンワン泣き」でまくし立てる‥パターンがしっかり出来てるようだった。おばさんは「角をとったサイ」みたいな顔をしてるが、笑うと「カバ」になるので面白い!オマケに得意の芸を披露すると感心して「カバからロバ」になるので大好きだった。追っ手が玄関で騒ぎだした頃泣きやんだ母はここでとんでもない行動に出る!なんと標的はロバになったおばさんが褒美にくれた「栗まん
」をパクついているイタイケなこのオレであった‥戦う母と子!初戦はここが舞台‥オレは本能でピンときて逃げ出していた‥。
」をパクついているイタイケなこのオレであった‥戦う母と子!初戦はここが舞台‥オレは本能でピンときて逃げ出していた‥。
