The STRUMMERS Vo. 岩田美生

 

最初は1986年、渋谷屋根裏で “JUST A BEAT SHOW” をやっとったころ、出演したいって連絡をもらい、デモテープを送ってもらったんだよな。それで出演してもらったときのライブがどんな感じだったかはあんまり覚えてないけど、ひらすら甘いルックスの礼儀正しい好青年っていう強烈な印象は今も忘れられない。

 

その後は、あんまりつるんだりはしんかったけど、とにかく、いつどこで見かけても、100%バッチリ決めとるやつだった。

 

そして、俺が2014年10月に腎臓がんの手術を受けてから約1年後、岩田も同じく腎臓がんの手術を受けたことを聞いた。

そんなこともあって、その2015年11月23日、ストラマーズ30周年“衝突的精神”の渋谷O-WESTに行ったんだよね。

http://www.thestrummers.com/30th/

 

あいつは相変わらずバッチリ決めとったし、ステージではめちゃ元気そうだったんだけど、手術からまだ2~3か月だったんじゃないかな。

俺は先輩ぶって、「早期に見つかったんだろ?全然心配することないよ」なんて、詳しいことを知りもしないで、元気づけるようなこと言っちゃったりしたんだ。

 

それで去年、今、俺が原宿クロコダイルで隔月でやっとるイベント“Knockin' on the Next Door”に、TWO‐STRUMMER名義でやっとるアコースティックユニットで呼ぼうと思って連絡したら、すぐに「是非やらせてくださいって」って返事が来たんだけど、その時は、相方のスケジュールが合わず、また次の機会ってことになった。

 

次の機会・・・

それは俺の中では、今年の夏あたりっていうつもりだった。

1~2か月前だったか、岩田が入院したっていう話を聞いた時も、「次の機会」があるってことはまったく疑ってなかった。

なんかさ、あいつと色々と話したいことがあったんだけど、まずはライブやってから、みたいなのがあったんだよね。長らく俺のライブ観てないだろうけど、今もこんなにバリバリのバンドやってんだぜっていうのを見せつけてから、みたいなさ。

くだらないよね。

だから、俺は「次の機会」と、その後、あいつと乾杯して話をするのをスゲー楽しみにしとったんだよ。

今も俺のスマホに残っとる「今回は、すみませんでした。今後ともよろしくお願い致します。 岩田」っていう短いメールが最後になっちまった。

 

今日、朝から告別式だった。

俺は、ちょっとしか顔出せんかったけど、もの凄いたくさんの人たちが集まって、会場から溢れとった。愛が溢れとった。

 

岩田、ご苦労さま。

同じ病にやられちゃったけど、俺だけもう少し生きさせてもらうことになった。

だから、ゆっくり話をするのは、もうちょっと頑張ってからだな。

それまで、お前の優しさを少し分けてもらえるかな。