腎臓の腫瘍が悪性だっていう診断をした新宿の医師からも、友人のI くんからも、国立がんセンターと聖路加での治療方針に関する見解について、同じ予想を聞かされていたんだけど、実際、ピタリと当たるものだった。
つまり、腎臓の全部摘出か、一部切除か、その方法は、開腹手術か内視鏡手術か、さらに内視鏡による場合、ロボットによるかどうか。
まず、がんセンターでは、これらの選択肢があることを説明された上、腫瘍の場所が、腎門に接していないかどうか、接している場合には、血管を傷つけ大出血に至るおそれがある、そして、それを回避するために慎重になるあまりガンを取り残す可能性が出てくる、そこで、さらに超音波による検査によって、詳しく調べましょうということになった。
聖路加では、腎臓を全部取るのは、様々なリスクが生ずるため、一部切除が望ましい、しかし、それはかなりの困難を伴う手術であるため、ダ・ヴィンチというロボットによる手術になります、とあっさり言われた。
次にがんセンターに行ったところ、やはり腫瘍が腎門に接しているようだから、全部摘出がいいだろう、そして、トラブルの危険がない開腹手術がいいでしょう、という結論になった。
ここまで、まったく2人の医師の予想通りだった。それだったら、最初から行く必要ないじゃん、ぐらいに。
そして、実際、どちらを選択するかという重大な問題が残った。
ちなみに、がんセンターでは、4人部屋だけど、保険を使えるから総額15万円ぐらい。個室にすると1泊4万円ぐらい加算されるから、7泊すれば合計43万円ぐらい。聖路加では、個室を含めたパッケージ料金で、85万円ぐらいとのことだった。
うーん・・・1か月とかだと別だが、1週間ぐらいなら個室でのんびりDVDでも観たい。
新宿の先生には、がんセンターで開腹・全部摘出なら100%大丈夫、そうでなければ95%という言い方をされ、不思議に思っとったんだけど、つまりは、全部取ればガンが残る心配がない、そして開腹手術というのは、失敗がないということだったんだろう。
そして、がんセンターでは、腎臓が一つなくなってもまったく問題ないと断言された。
しかし、心情的には、腹をバッサリ切るより、内視鏡で軽く穴を開けるっていう方が、遥かに抵抗が少ない。しかも、腎臓が一応、残る。
でも、「内視鏡手術で1年に1人ぐらい亡くなるんですよね。」と軽く言われたし、大出血の心配もあるし、ガンが残る心配もある。
うーん・・・結局、どんなリスクを重視するのかによって方針が決まるわけだ。
それで、がんセンターで撮った超音波の画像をもらって、I くんやSくんを通して、その道の権威という人たちに見ていただくことになった。もちろん、聖路加の先生にも。
その結果、ちょっとびっくりしたんだけど、全員一致で「これは一部切除でしょう。」ということだった。
こうなったら、普通、迷わないよね。ねね
というわけで、8月20日、聖路加で、ダ・ヴィンチのお世話になるという方針に決定
スケジュールについて、今から最も早くできるのはいつかと聞いたところ、10月前半とのことで、自分の手帳を確認したら、ちょうどそこなら1週間入院するのも大きな問題はなく、さらにその後1週間、のんびりすることも可能という奇跡的な日程だったんで、そのまま即決
あとは気持ちを落ち着けて、普段通り過ごしながら、その日を待つだけとなった。