勝ち筋か負け筋か、裁判の多くは、やる前からある程度分かっとるし、もちろん依頼者にも予め説明はするんで、そういう意味では判決を聞いて一喜一憂することはそれほど多くはない。
勝ち筋の事件の判決が続いたって、別にそれほど喜びもないし、淡々と依頼者に報告するだけだ。
逆に負け筋の事件の判決がたまたま続いて、結果として連敗だったとしても、まあ、それは仕方ない。
・・・はず。
でも、やっぱり気分が悪い。
しかも、その中に1つでも「勝ってもおかしくはないな」とか「もしかしたら勝っちゃうかも」っていう事件が含まれとったりすると、はっきり言ってめちゃくちゃ落ち込む
修習中に出会ったある弁護士は、若い頃、勝てるはずの事件で、ちょっと油断したために、依頼者に物凄い損をさせたことがあり、その時の思いは一生忘れられないし、今も教訓になっとるっていう話をしてくれた。
そういう思いはしたくないし、当然、依頼者にもさせたくない。
でも、なんか最近、その辺が緩んどったような気がするんだよな
やっぱり負け筋だろうが、やる以上、負けたら立ち上がれんぐらいに一生懸命やるべきだし、勝ち筋だって、勝ったら大喜びするぐらいに、妥協せず、完璧に詰めるつもりでやるべきだ。
これって、めちゃくちゃ当然なことであって、そんな初心を忘れかけとった自分が情けないぜ
依頼者の前ではクールでいなきゃとか、仕事にはメリハリが大切っていうのを、いつの間にか履き違えとったのかも
これから、それなりに難しくて、しかも絶対に負けられない裁判がいくつか始まる
一切の妥協なし、メリハリもなし、とにかくとことん、一生懸命やるのみ