大槻監督体制は突然終わりを告げた。GWくらいまでは、と思っていたが、色々な事情があるのだろう。時は急いでいたよ。
公式戦6試合負けなしで終了。リーグ戦に関して言えば、4試合で勝ち点10を稼いだ。大槻監督にはこれからの浦和の礎を作ることと、浦和が再び顔を上げて戦えるようになること、あわよくば勝ち点1でも多く積むこと、ということがとても重要なミッションだった。
大槻監督はこの6試合で全員の選手を使い、若手も積極的に活用した。橋岡に関してはリーグ戦のレギュラーに上げた。柴戸や荻原もトップチームに遜色ない力があることを示し、本人たちも自信になっただろう。岩波も浦和での自信を少し付けたと思う。これまで出ていた選手もこの期間で自分たちが何をすべきかを再認識できたはずだ。柏木もまとめる立場として、自信は少しは回復したようだし、そして、結果としてもほぼ最高の結果だった。試合を重ねる毎に内容も良くなっていった。何より選手たちが明るくなった。サポーターも明るくなった。
託されていた全てのミッションをクリアしている。この3週間の間でだ。これは称賛されるべきことである。監督とは、まず雰囲気や活力から、ということも改めて今回の監督交代劇で感じさせられた。戦術だけではない。人柄だけでもない。だから監督は難しい。堀監督は真面目であったし、戦術のことも把握していた。人柄も良かった。ただ、大切なものを1つ持っていなかった。大槻監督は持っていた。
オリベイラになって、またどうなるか分からない。まずオリベイラも歳を取った。鹿島でタイトルを取っていた頃は50代後半で監督としては一番脂がのっている時期だ。そこからブラジルで毎年チームを変え、何チームも代わる代わる指揮している。当時と今とでは色々と変わっている部分もあるだろう。そういう状況では、人間なので、メンタル的な部分も当時とは変わっているはずだ。
まず言えることは、鹿島時代のままを期待しない方が良いかもしれない。中村GMのコメントもどこかアバウトで、相変わらず不安なフロントの決断であったが、今回大槻監督が上向かせた流れを信じて、オリベイラとの化学変化を見守るしかない。また早速、柏や湘南、川崎、鹿島と厳しい相手が続くが、中断期間までとにかく突っ走るしかないだろう。ただ、選手にはこの3週間を忘れないでもらいたい。
それからここで、まるでついでのようになったが、札幌戦の中身のまとめ。
相手が前に5枚並べて、裏を狙ってくるチームだからか、岩波のラインコントロールが不安なのかは分からないが、阿部をセンターに持ってきて、遠藤をボランチに上げた。結果的に奏功して、今日の最終ラインはほぼ完璧だった。都倉への対応も槙野が目を離さずに、阿部と共に良く対応していたと思う。三好のようなタイプは浦和は弱いのだが、逆に三好のようなタイプはドリブルが増えると、体力を消耗するので、スタートからで助かったような感じもある。
また、ミシャのサッカーは3バック相手には弱い。サイドチェンジが出来ず、サイドでの1対1が作りづらいためだ。さらにサイドには対人に強い橋岡、宇賀神がほぼ壁になっており、札幌の攻め手は中央だけだった。特に橋岡は守備では全て勝っていたと思う。ユースの頃、相手を通させない橋岡の門と呼ばれていたが、彼が浦和の右サイドに入ってから、まさに右サイドはそんな状態だ。オリベイラになって、どうなるかは分からないが、遅かれ早かれ、全国区の選手になるだろう。
課題としては、堀体制の頃からだが、サイドからのクロス以外の攻撃の工夫だ。堀監督の頃よりは徐々に中盤の飛び出しから相手の裏を突きかける場面も増えてきて、バリエーションは増えてきているし、興梠も武藤もプレーしやすそうになってきた。ただ、そうなってくると、問題はフィニッシャーがいないこと。結局、攻撃の工夫の中で、興梠がフィニッシュに絡めれば良いが、興梠以外の得点力が少なく、最後の所がどうしても力なく、弱い。そしてカウンターの切れも出せない。こういうときこそ、ラファエルシルバが興梠の近くにいれば、と思わず感じてしまう。
そもそも外国人がみんなベンチ外、もしくは入るのがやっと状態、の時点で外国籍選手の再考は不可欠だ。これはオリベイラになっても同じ。興梠以外に得点力を上げられなければ、どんなに良いサッカーをしても間違いなく、どこかで壁にぶち当たる。浦和の浮上のカギの1つで間違いない。
最後に、短かったけど、大槻監督、お疲れさまでした。
またトップチームで見られる日を待ってます。次はシーズン途中で、とかではなく、スタートから正式に頼めることを願います。
有難うございました。
この3週間は忘れない。選手も忘れてはいけない。プロとして、浦和の選手として大切なことがとても詰まっていた。監督が誰になろうとも大切なことが。そしてクラブも忘れるな。逆にクラブからすると暫定監督を置くということは、また迷走してしまった証でもある。負の歴史を繰り返してしまったのだ。結果的に大槻監督は見事に難しい仕事を果たしたが、クラブからするとこの一連の流れは汚点だ。今後の戒めとして、クラブも絶対に忘れてはならない。みんな、この3週間は、胸に刻んでいこう。