サーカス堂「ふなんびゅる」 | 香川県のフリーwebデザイナー/HTMLコーダー【Reddy】

サーカス堂「ふなんびゅる」

サーカス堂「ふなんびゅる」について

<オープン期間>
不定休、11:00a.m. ー 20:00 p.m. ※ルビー商会営業時間に準じます
5月25日(月)プレオープン!資料を閲覧頂けます

<住所>
香川県高松市片原町9-2 ルビー商会内
http://blog.livedoor.jp/rubiy/

<内容>
1. サーカス、大道芸、舞台芸術関係の約200冊の書籍、雑誌の閲覧
 (2階カフェ「ヌク」で閲覧可能。
  ただし店の外への持ち出しは禁止とさせていただいております)
 フランス・パリにあるフランス国立大道芸サーカス情報センター
 「オール・レ・ミュール」の公式な日本特派員の事務所でもありますので
 オール・レ・ミュール出発物を当コーナーにて閲覧できます。

2.イベント開催
 月1回のペースでサーカス、大道芸についての映像&トーク。
 ほか、特別イベントとして、ゲストを招いてのテーマトーク、
 ライブパフォーマンスなどを予定。

3.ホームページ
 5月下旬より開設予定。
 国内外のサーカス大道芸フェス情報や、
 オール・レ・ミュールサイトにリンクし
 最新作映像を簡単に閲覧できるようにします。

<第一回イベント>
5月22日(日)サーカス堂「ふなんびゅる」オープニングイベント
アートサーカスとの出会い~金井圭介さんをお招きして
 1)金井さんによるミニ・パフォーマンス
  逆立ち、パントマイム、ジャグリング、足長「空中散歩」など
 2)金井圭介×田中未知子 映像&トーク
  なんと200を超えるサーカス学校が存在するフランス。
  その頂点である国立サーカス学校・CNAC(クナック)に
  入学を許可された最初の日本人アーティスト、金井圭介。
  未知の世界に単身飛び込み、現地でプロとして独立、
  フランス在住約10年の間に、フランス人空中ブランコ乗り
  セバスティアン・ドルトとともにアフリカだけで23ヶ国、
  ヨーロッパなど世界約30箇所で公演を行ってきた。
  文字通り世界をまたにかけて活動する金井さんを迎え、
  映像とトークにより、
  刺激的なフランス・アートサーカスの世界を紹介!

<「ふなんびゅる」の芸能調査活動>
「香川遺産」プロジェクトとの連携により、
香川や瀬戸内で今も息づく芸能を調査し、
情報を集積し、活動を発表していこうとしています。

お問い合わせ:mitintin@hotmail.co.jp(田中)
 

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高松中心部で、フランスと世界のサーカス、
大道芸の情報を集めた発信基地、
サーカス堂「ふなんびゅる」を始動します。

なぜいまサーカス?なぜ高松?

サーカスは時代を越え、生身の人間の持つ力によって
人を感動させ、動かす力があります。
昔からあるノスタルジックなサーカスの他、
自由な発送でアートの世界にもどんどん進出し、
ダンス、演劇、音楽、美術とコラボレートして
世界中の人を魅了しています。

Funambules(フィナンビュル)とは、フランス語で網渡り師のこと。
空中を高く高く、一本の細いケーブルの上をすべるように、
時によろめき、仰ぎ見るひとたちをハラハラさせながら
進む人たちのことです。
数あるサーカス技のなかで、私が網渡りをことのほか愛するのは、
あのミニマムな一本の線の世界に、つま先の一点に
会場中のすべての視線と集中力が集まる緊張感に心を掴まれたからです。

高い網をはれば、あらゆる空中を歩くことが出来る、あの非現実感。
羨望の頂点にあり、私は常日頃、高みに網渡りの姿を夢想します。
それはビルの間の空であり、川をはさむ岸であり、
棚田を挟む山であり、ありとあらゆる高低差に、
想像の網渡り師は登場します。
その習慣が、私の日常のどれほどを楽しませ、
開放してくれるか知れません。

また《Funambules》は、かの映画史上の傑作
「天井桟敷の人々」(マルセル・カルネ監督、1945年)
に出てくる劇場の名前でもあります。
ジャン=ルイ・バロー演じるバチストは、
白い衣装、悲しげではかなげで、
日本におけるピエロのイメージを決定づけたのではないでしょうか。
この映画には印象的なシーンがあります。
高く高く、イタリア式劇場の最上階、
切り立った崖のてっぺんのような天井桟敷の客席を指差して、
劇場の人間が言うのです。

「見ろ、あの天井桟敷を!」

押し合いへし合い、鈴なりになって身を乗り出し、
脚を投げ出し、こぶしを振り上げて喜び、叫び、怒り、
悲しみをあらわにする観客たち。
まるで野外の大道劇のごとく
客席のリアクションに左右される演じ手たち。
それは、白黒映画の画面から溢れてあまりある、
民衆のエネルギーであり、
それを見上げて畏れを抱くのは舞台人のほうであり、
まるで演じ手と観客が逆転してしまったかのようです。
「天井桟敷の人々」は、華やかな舞台をとりまく男女と、
人間模様を映し出す映画でありながら、
同時に「大衆」の噴き出すエネルギーを描いた映画でもありました。

高松や瀬戸内というのは、私にとって未知の世界であります。
新しいまち札幌で生まれた自分がずっと求めていたもの、
それは人間の生々しい日常や宗教儀礼が
長い歴史の中で血肉となって現れた民俗芸能です。
その生々しさがこの地、瀬戸内にはまだ息づいていると感じ、
もっと知りたい、もぐりこんでみたいと思いました。
そのような芸能と私のサーカス、
それらには何か通ずるものがあると思っています。
人間臭くてリアルで、泥や埃のにおいがたちこめていて、
なのに時として、光陰が人を突き抜けるかのような
喜びの衝撃を与えられるもの。
ひとにはこんな力がある、と思い出させてくれるもの。
それがサーカスであり、民族芸能なのではないでしょうか。
個性の詰まった小さなマチ、高松で、
この仕事を始められることを心から嬉しく思います。

サーカス堂「ふなんびゅる」企画/運営 田中未知子