Artist Teddy Pendergrass

Album It’s Time For Love (1981)

Genre  R&B

 

フィリーソウルを代表するミュージシャンであるテディー・ペンダーグラスのアルバム 「It’s Time For Love」は、80年代に突入しても80年代に流行ったキーボード主体のポップテイストにならず、70年代のフレーバーを継承しつつ、その当時の最先端のサウンドを控えめに加えることで、より洗練されたサウンドを聴くことが出来る。

 

1曲目 I Can’t Live Without Your Love …モノクロのジャケットのようにサウンドはカラフルにならず、スローで落ち着いたバラード。

2曲目 You’re My Latest, My Greatest Inspiration … 微かな光が差し、夜明けに聴きたくなる雰囲気ある美しいバラード曲。

3曲目 Nine Times Out Of Ten … 流麗なリズミカルなバラード。

4曲目 Keep On Lovin’ Me … ファンクテイストのダンスナンバー。

5曲目 It’s Time For Love … 都会的なミディアムテンポの落ち着いた曲。

6曲目 She’s Over Me … テディーらしいパワーバラードで気持ちが高揚する。

7曲目 I Can’t Leave Your Love Alone … 一定のリズムで渋いファンクナンバー。

8曲目 You Must Live On … イントロから想像つかないが、このアルバムで最もフィリーソウルらしい流麗な軽快なナンバー。

 

ベテランの域に達した余裕ある大人の魅力が詰まっている。

時代に左右されない普遍的な作品になっており、このアルバムを推す根強いファンは多い。

Artist   Tower Of Power

Album   Bump City (1972)

Genre   Funk, R&B

 

このアルバムは、タワーオブパワーのノリのあるアグレッシブなサウンドを聴くことが出来る。ファンクとロックを上手く混ぜ合わせていて、ファンクとロックは相性がいいと感じさせてくれる。

タワーオブパワーらしい暖かく乾いたベイエリアに合うファンクサウンドも健在で全体的にバランスよく纏まっている。どの曲も完成度が高く、長い付き合いになるアルバムだ。

 

1曲目  You Got to Funkifize  ・・・ 疾走感あるノリのある曲でアルバムの期待が高まる。

2曲目  What Happened to the World That Day? ・・・ 休日の晴れた日に聴きたくなる明るい曲。

3曲目  Flash in the Pan ・・・ ビートを効かせたファンクがかっこいい。

4曲目  Gone (in Memory of Jacqueline Mesquite) ・・・ 哀愁漂うバラードで気持ちを落ち着かせてくれる。

5曲目  You Strike My Main Nerve ・・・ インパクトのあるオープニング、各プレーヤーの見せ場があり、聞けば聞くほど良さが分かる。

6曲目  Down to the Nightclub ・・・ シンプルでストレートでありながら、テンションが上がる

7曲目  You're Still a Young Man ・・・ タワー・オブ・パワーらしい港町で聴きたくなる感動バラード。

8曲目  Skating on Thin Ice ・・・ いかにも70年代らしいサウンドでストレートな曲。

9曲目  Of the Earth ・・・ サイケデリックなイントロから始まり、ファンク、ロック、バラードといったバンドの集大成的な曲。

 

 

ニューヨークの音楽シーンは、世界中が注目していて、Hip Hop, R&Bを中心に盛りあがっている。

アップルミュージックの都市別TOP25を元に世界最大都市のニューヨークの音楽シーンを分析してみた。

 

アメリカは、多種多様で世界中から多くの人が移住してきていて、都市によって人種構成が異なるので、都市独自のチャートが作成されていてる。そんなニューヨークの音楽シーンは、他の都市にはない独自のチャートとなっている。

2024年4月29日のアップルミュージックのニューヨークのTOP25は以下のとおりとなる。

 

1~3位は、地元ニューヨークのA Boogie wit da Hoodieが、独占。

Drake, Future, Metro BoominといったHip Hopが優勢でニューヨークらしいTOP10だ。

8位にランクインしたCash CobainのFisherrrは、都会的なクールなサウンドでかっこいい。

 

PARTYNEXTDOOR, Cash Cobain等のHip Hop勢はもちろん、Sabrina Carpenter, テイラー・スウィフトのポップソングがランクイン。

LomiielのHAY LUPITA, Rvssian, Rauw Alejandro, Ayra StarrのSantaといったㇾゲトンの曲が目立つ。ニューヨーク市の約3割がヒスパニック系なのでㇾゲトンがランクインするのは当然なのだ。

 

アメリカの各都市では、ティラー・スウィフトの曲が上位にランクインするのだが、ニューヨーカーは、やはりHip Hopが大好きなのだ。最新のHip Hopシーンに興味があるならば、まずはニューヨークのチャートからチェックしてみよう。

 

Artist   Stevie Wonder

Album   Talking Book (1972)

Genre   R&B

 

スティービーワンダーのアルバムの中で、このアルバムを推す人は多いだろう。

全体的にバランスよく纏まっていて、部屋でリラックス、散歩、ドライブなど、場所を選ばずにあらゆる日常シーンに溶け込み、スティービーワンダーを初めて聴く人にお勧めだ。

黄金期がTalking Bookから始まり、スティービーの特徴であるクラビネットサウンドは、スティービーワンダーのイメージとして確立された。

スティービーワンダーを代表する曲が収録されていてアルバムの知名度があるのは当然である。

70年代ソウルに欠かせない影響力があり、ソウルリスナーが通る登竜門的アルバムだ。

 

1曲目  You Are The Sunshine Of My Life ・・・ 晴れた日に聴きたい落ち着いた曲

2曲目  Maybe Your Baby ・・・ クラビネットが大都会の喧騒をイメージさせるが、スローテンポなので気持ちを落ち着かせてくれる。

3曲目  You And I ・・・ ピアノ主体のソウルバラード

4曲目  Tuesday Heartbreak ・・・ 都会の大きい公園で散歩している時に聴きたくなる。

5曲目  You’ve Got It Bad Girl ・・・ クールなソウルで気持ちを落ち着かせてくれる。

を聴かせてくれる。

6曲目  Superstition ・・・ ファンキーでノリのいい曲。ファンクやロックとも相性がいい。

7曲目  Big Brother ・・・ ギターのアルペジオとハーモニカの調和が心地いい。

8曲目  Blame It On The Sun ・・・ ピアノ主体のパワーバラードにストリングスの音が哀愁漂う。

9曲目  Lookin’ For Another Pure Love ・・・ 心穏やかになる柔らかいバラード。

10曲目 I Believe(When I Fall In Love It Will Be Forever) ・・・ ラストに相応しいシリアスな力溢れる気合の入ったバラード。

Artist   Rage Against The Machine

Album   Evil Empire (1996)

Genre   Alternative, Rock, Rap

 

90年代を代表するバンド レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン(以下、レイジ)は、社会派ロックバンドで政治や社会に対して怒っていて、U2とは異なったアプローチで表現している。サウンドは、70年代のロックを彷彿とさせ、ボーカルは、ラップで歌い上げる。90年代、ロックとヒップホップを融合した音は、ロックを進化させ、新たなジャンルが追加された。2000年頃のロックの音楽チャートは、ラップメタル、ラップロックが、ロックのメインストリームになった。日本ではロックとヒップホップを融合したサウンドをミクスチャー系と呼んでいた。

レイジの2作目のEvil Empireは、他の作品と比べヒップホップの要素が強く、グルーヴィー感があるので聴きやすくなっている。バンドとして一体感があって、演奏能力がずば抜けて高いレイジは、どの曲も各プレイヤーの見せ場がある。ザックが繰り出すライムは素晴らしく、ギターのトム・モレロは、テクニカルで個性的なプレイヤーでターンテーブルのスクラッチ音をギターで再現し、ティムのベースとブラッド・ウィルクのドラムは、重低音でグルーヴィーなサウンドを作り出すのに欠かせない。

 

1曲目  PEOPLE OF THE SUN ・・・ 裏通りが似合うグルーヴィーなサウンドでかっこいい。

2曲目  BULLS ON PARADE ・・・ レイジを代表する曲でイントロのギターが尖っていて怒りを表している。

3曲目  VIETNOW ・・・ アップテンポな曲にラップを載せると一段とクール。

4曲目  REVOLVER ・・・ イントロとサビの部分がアグレッシブなギターでリボルバーのごとく回転を表現しているラウドな曲。

5曲目  SNAKECHARMER ・・・ 各プレイヤーに見せ場があって、サビのギターがかっこいい。

6曲目  TIRE ME ・・・ ザックの歌唱力を実感させるハードコアな曲。

7曲目  DOWN RODEO ・・・ シリアスな雰囲気に重厚なミディアムテンポで緊張感が高まるロック。

8曲目  WITHOUT A FACE ・・・ ヒップホップの要素が強いが、各プレーヤーの演奏が一つに纏まることででロックを作り出し、バンドの一体感を感じる。

9曲目  WIND BELOW ・・・ アグレシッブな側面と落ち着いた側面をうまく切り分けて表現している。

10曲目 ROLL RIGHT ・・・ ファンクとロックとヒップホップを丁度いい配合のサウンド。

11曲目 YEAR OF THA BOOMERANG ・・・ 重低音がかっこいい完成度の高い曲。

レイジが作り出すロックは、70年代のロックの影響が色濃く表れているので、レッドゼッペリン、シンリジーといった70年代の王道ロック好きなリスナーなら間違いなくハマるだろう。

レイジを聴いたら、ダイブやモッシュしたくなるほど興奮せずにはいられない。