• 悪者見参 ユーゴスラビアサッカー戦記 木村元彦


個人的には、いくらあの当時の報道がNATO(アメリカ)偏重だったとはいえ、セルビア人を美化しすぎているという帰来はあるが、ストイコビッチやミハイロビッチの生まれた環境や、旧ユーゴスラビア(スロベニア、クロアチア、マケドニア。セルビア・モンテネグロ)の複雑な絡みと近親憎悪の背景を現地取材を通してルポルタージュした文章は圧巻であった。「絶対的な悪者は生まれない。絶対的な悪者は作られるものだ」という本文中の一文は一番印象に残った作品である。