自分が20歳台から30歳になった時、年齢を重ね社会的に責任ある年齢に達したのだと前向きに捉えました。40歳になったときは、「中年になっちまった」とネガティブに感じ、そこから自分の年齢に興味がなくなりました。実際この頃、何歳ですかと尋ねられても、何歳だったかなって答えていました。これは年齢を言いたくないのでなく思い出せないからなのでした(笑)

50歳になると昔の日本人なら人生が終わる齢だなと。大切に生きていくべきかなと思うようになり年齢を忘れないようになりました。そして55歳に至りますと四捨五入で還暦じゃないかと、少々ビビるようになりました。

 

この11月で自分は57歳になり見事なアラカンへ。この月に入ると暫くの間、家内からパイセンと呼ばれます。でも彼女も今月末には自分に追いつきますwww 今まで企画したことなかったのですが、今年は二人で食事に行って誕生日をお祝いしようかということになりました。どこに行くかは家内がいくつか調べ二人で決めまして、北九州市小倉北区京町のフランス料理店、OHNOに行くことになりました。お店の名前から予想がつくようにシェフは大野政文さんと言って小倉出身の料理人。ここでは奥様と二人でお店をやっておられます。2021年2月に船場町から京町に移転してきたとか。自分の家から近いのですが、知らなかったです。

 

実は今年、運転免許証更新を要する自分。この5年間で警察に数回のドネーションを行っているためゴールド免許剝奪の上、2時間もの講習を受ける必要があり半日時間が取られます。そこで11日金曜に年休を取得し免許更新をすることに。その夜にお祝いディナーに行こうということになりまして事前に予約をしておりました。

 

 

「この物語は 夫婦そろって同じ月の誕生日だということを利用して 身分不相応なコーキューふらんす料理店に乗り込み 食べログキュレーターのマネをして じゃっかんエラそうに料理を批評しているアラカン男の話である」

 

 

 

 

井筒屋デパート向かいのやや猥雑な路地。先にアーケードがありますが、その手前左手に

 

 

 

町家を改装した形の粋なお店があります。ここがOHNOです。

 

 

 

カウンターのみのフレンチというスタイル。コース1本で勝負しています。

 

 

 

これがメニュー。飲み物はペアリングワインでお願いしました。お安くはない(いや、かなり高い)ですけどお料理一皿一皿に合わせたお酒が出てきてお互いを高め合うのが期待できます。

それでは、どのようなコース料理を楽しんだのかお見せします。ほぼ食べログみたいになっていることをご容赦くださいm(__)m

 

 

 

まずはメニューにないスープというかお出汁が出てきました。コンソメのような魚の出汁のような複雑で優しいスープでした。食欲増進作用を狙ってるのかな。

 

 

 

乾杯はレクレール・ブリアンというシャンパーニュ

 

 

 

因みにこのカウンターテーブルは樹齢500年の桜の木の一枚板とのことで、ここから異空間が始まっています。最初の泡は沁みます。

 

 

 

メニューに記載されていた南瓜という名前の料理はポタージュでした。甘栗のように甘味が強いスープで更にキャラメリゼした種がいいアクセント。ただお味は想定内でありました。

 

 

 

長野県、小布施ワイナリーのソーヴィニョン・ブランが登場

 

 

 

少し炙ったレアな鰆、タタキ風でしょうか。 魚のカルパッチョな仕上げで美味し♪ 酸味の効いたドレッシングと爽やかな信州の白ワインがよく合います。

 

 

 

フランスはプロヴァンスのロゼワインが登場

 

 

 

メニューではムール貝と卵という料理名だけど貝の姿はない。卵はフラン(洋風茶碗蒸し)で準備されムール貝のエキスがパンパンに詰まったスープというか出汁が掛かっていて、タイトルからは想像していなかった料理。ものスゴク美味く、且つロゼワインが引き立てます。このフラン、永遠に食べられる(笑)

 

 

 

フランスはブルゴーニュのアリゴテ種の白ワインが登場 

 

 

 

秋刀魚をパートブリックというクレープ的生地で包んで揚げています。揚げ春巻き的な料理といえば伝わるでしょうか。甘めのトマトソースが掛かっていて南欧を感じさせる一皿です!って、行ったことはないけどwww スッキリしているアリゴテとよく合います♪

 

 

 

フランスのブルゴーニュはオーセー・デュレス村のモレ・ブランという生産者のシャルドネ種白ワインが登場

 

 

 

レアに調理したクエのムニエルの下にマッシュルームのソースが敷いてあります。安易な表現ですが激ウマです。そして重た目の白ワインが合う合う(^^) パンでソースを1滴残らず拭い取りました(笑)

 

 

 

ここで登場がブルゴーニュはジヴリ―村のジョブロ氏が手掛けるピノノワール種。

しかも、セルヴォワジーヌという 1級畑由来の プルミエクリュ (* *)! こんなんが出てくるんやと感動。これを合わせる料理は

 

 

 

脂の乗ったのどぐろで松茸のリゾット添えです。ゴールドの器ですよ♪ よく混ぜて頂きます。これまたノックアウトされます。セレクトされたピノノワールが合い過ぎて感涙です(T T) 

 

ここで結構な酒好きとバレた我々夫婦(笑) カウンターの向こうから奥様が、お口直しのグラニテ(シャーベット)に合わせるものとして提案されたのが

 

 

 

山口県は周南の酒蔵で造られている「鷹の目」という名の日本酒。山口在住ですが初めて知りました。日本酒特有の甘さは控えめで爽やかな白ワインな感じ

 

 

 

これが、カボスのグラニテと驚くほど合う、いや「逢う」のです♪ ただ値が張りそうだったので自分一人しか頼んでいませんけど(^^;

 

電話予約の際、お肉料理はジビエを選んでいました。それに合わせるワインは

 

 

 

ブルゴーニュはボジョレー地区、フルーリー村のガメイ種の赤ワインが登場。ガメイは丁度今日解禁された、ボジョレーヌーボーのブドウ品種としてよく知られていますよね。これはもちろん新酒でなく熟成タイプの赤ワインになります。

 

 

 

エゾジカのステーキにセップ茸添え。セップ茸というのは知りませんでしたが、イタリアでいうところのポルチーニ茸のことのようです。臭みゼロで赤身の旨味に溢れた鹿肉にガメイの薫りがよく合っています。ただ濃厚な鹿肉には、もう少しパンチの効いた赤ワインも欲しいなと思っていたら‥

 

 

 

バロナークというフランスはラングドックのフルボディ赤ワインが追加登場。お客の気持ちが分かっているかのような対応。色んな種類由来の赤ワイン(メルロー、カベ・ソー、カベルネ・フラン、グルナッシュ等)がブレンドされているようです。調べると、あの市川海老蔵さんと小林麻央さんの結婚式で振舞われたワインらしい。それにしても料理とワインのアッセンブリが秀逸で感動が続きます。

まさにマリアージュ……

 

 

 

カウンターの向こうに並べられたヤマポタ夫妻の足跡(笑)

ただここは、これで終わらなかった…

クレームブリュレ掛けのリンゴのデザートに添えられたのが

 

 

 

フランスはボルドーのソーテルヌ(貴腐ワイン)というデザートワイン。なんと繊細な甘さ…。参りましたm(__)m

更に

 

 

 

次のデザートは洋梨の何と表現したら良いのだろう、ジュースでもソルベでもない。あえていうとラフランスのネクターとでも言いましょうか…。濃厚で果実の粒を少し感じる洋梨の飲み物(笑) これも美味いんですよ。そしてソーテルヌと合う。

 

二人とも誕生日月ということで

 

 

 

フィナンシェはホワイトチョコで誕生日おめでとうと書かれたプレートで出される気遣い、ウレシーですね。(まあ、何かお祝い的な事をやっては頂けるのではないかなとどこかで期待していましたが笑)

 

 

 

コーヒーにも拘りがあるようで、映画のエンドクレジットのように

 

 

 

どんな生産者さんたちとこの日の料理が生まれたかというオーナーシェフの挨拶状で〆となりました♪

 

感動を沢山いただいた11月11日の夜でした。

さあて支払いのために仕事を頑張らなくちゃいけないぞ(笑)