新品種開発は、異なる二つの品種を人工受粉させ、その実から採れた種を栽培していく地道な作業です。



パカマラの場合、パーカスの雌しべにマラゴジッペの花粉を受粉させる作業の繰り返しでした。




まず、樹勢が強くパーカスの特徴をしっかり持っている樹を選び、枝の蕾が膨らみ始めた頃を見計らって、特殊なハサミで雌しべだけを残して雄しべと花弁を取り除いてしまいます。飛来した花粉で受粉しないように、即座に袋を被せてしまいます。ハチ



同時期に選抜したマラゴジッペの樹から、蕾を切り落としシャレーに集めます。シャレーには、濡れた脱脂綿が引かれていて、数週間後にこのシャレーの中で花が開きます。黄色い花



これからが、忙しい時です。パーカスの枝に結ばれた袋の底を破り、ピンセットで摘まんだマラゴジッペの花を、パーカスの雌しべにふりかけて行きます。コスモスこの時浮遊している花粉が紛れ込まないように、慎重にそして即座に作業を終了させなくてはなりません。




袋の底を紐で縛って、後は受粉が完了するまで待つだけです。一ヵ月もすると小粒の胡椒のような実が枝に付きます。そうすれば袋を外して大丈夫。さくらんぼ
枝のどこからが人工授精かはっきりわかるようにマーカーを付け、一本のパーカスの樹で、純正パーカスの実とパカマラの実を同時に成長させていきます。




収穫期になるとこの交配種だけを集めて播種用に精選し、これを栽培していきます。そして成長した交配種の中から、樹高、節間、豆の大きさ、品質をチェックし、新品種に求める条件をクリアした豆だけを再び栽培し、同じことを何度も繰り返します。さくらんぼ




新品種としては、必ず同じ条件の実が出来なければなりませんから、種の固定をするための作業です。まだ組織培養の技術が進んでいなかった当時、新品種の開発から種の固定まで、25年位掛かりました。




ニカラグア パカマラ  アプリコットのような爽やかな酸味が引き立ちますオレンジ