私の祖母はふたりとも、ケアハウスに入居しています。
お正月、母方の祖母が住むケアハウスにちーすけを連れて行ったときのこと。
ちーすけは彼女にとってはひ孫です。
祖母はふだんから、「ちーすけちゃんが一番かわいい」と言ってはばかりません。
他に4人のひ孫がいるのですが、なぜかちーすけが一番お気に入りのようです。
遊びに行ったときに、祖母は「お正月だからお年玉をあげようね」と言って、ちーすけに1万円もくれました!
びっくり~。
そして、しばらくして私たちを迎えに母がやってきたのですが、祖母にとってはもうひとりのひ孫となる女の子(弟の長女;Aちゃん)も一緒でした。
祖母はAちゃんの姿を見て、「お年玉あげないと・・・」と言い、私に小声で「Aちゃんは2000円ぐらいでいいよね。小学生だし」。
それはないだろう、と思ったのですが、私がお年玉をあげるわけでもないので黙っていました。
祖母は財布からお札を取り出し、お年玉袋に入れて、やってきたAちゃんにあげていました。
何も知らないAちゃんは嬉しそうに「ばばあちゃん、ありがとう」と言っていました・・・。
その夜、自宅に帰ったAちゃんは「大きいおばあちゃんからお年玉、1000円もらった!」と両親に報告したそうです。
弟がそう言うので、「あれ? 2000円じゃなかった?」って私が聞くと、「Aちゃんは、1000円札で入っていた、ということが言いたかったみたいだ」。
でも、この私の無意識のフォロー『2000円じゃなかった?』というひと言は、弟にとっては「ちーすけも2000円もらったんだな」と思わせる効果があると思いませんか?
まさか、「うちは1万円もらった」とは言えず、この話もここで終わってホッとひと安心。
そして、後日。
私たちがアメリカに戻るという前の日に、もう一度ケアハウスを訪ねました。
そのときは、祖母のケアハウス仲間も玄関側のロビーに集まって、ちーすけのことをあれこれおしゃべりしていました。
その中のひとりが「孫でも娘の孫が一番かわいいやろ」とみんなに同意を求めました。
祖母は大きくうなづいて、「この子(←私)は娘の子供だし私にとっては初孫なので、その子が生んだちーすけはひ孫の中で一番かわいい」。
なるほど、そういう理由で祖母はちーすけを格別にかわいがっていたのか・・・。
集まったおばあちゃんたちは、「息子のところの孫は嫁さんが生んだから、あんまりかわいくないんで」と口々に言っていました。
おお~、こわっ。
私の母は、「孫は全員おなじぐらいかわいい」と言っているし、見た感じ本当に分けへだてなくかわいがっています。
孫は全員かわいいのかも。
ひ孫ぐらいになると、自分からもだいぶ遠くなって、それで好き嫌いが出てくるのかもしれない、と思いたいです。
心の中でえこひいきするのはいいけど、明言し(もちろん、弟たちの前では『あんたのところの子供より、ちーすけの方がかわいい』なんて言いませんが)、更にそれがお年玉の金額にまでくっきり現れるなんて、こんなこと、老人でなければできないことだと思いました。
しかしな・・・、お年玉の話になったら、弟にバレないように気を遣わなくてはいけないなんて、なんかきょうだいなのに秘密ができたみたいでいやだなあ。