先日、ドアのチャイムが鳴って出てみると、小さな女の子が立っていました。

彼女は、donation(寄付)のお願いにやってきたようです。

クリップボードに数枚の紙を挟んであり、それを私に見せました。


ここ2,3年、うちのアパートによく来る学校がらみの寄付のお願い。

めんどくさいのでよく読まないのですが、学校の営繕費とか運営費が足りないのでいくらか寄付してください、というもの。


クリップボードにはすでにDonationした人の名前と金額が書かれてあり、いつも階下のインド人の名前もあるので、私もつられて寄付します。


額は少なくて、$5ぐらい。


このような寄付を募りに家々を回っているのは必ず子供。

しかも、小学生から中学生ぐらいの年齢の子供です。

自分が通っている学校のためにやっているようなのですが、見ず知らずの人の家を回ってお金を集めるなんてことを、子供にやらせていいのでしょうか?

保護者が一緒について回る場合もありますが、子供だけ2,3人のグループで来ることが多いです。


階下のインド人、Sheelaに以前、学校教育費について聞いたことがありました。


私たちが住んでいる市は、州からはリッチなエリアとみなされているらしく、よって、公立の学校へも州からの教育予算はほとんど支給されないそうです。

学校の運営費で足りない分は、保護者や学区に住む住民の寄付でまかなわれるとか。


また、先生の数もぎりぎりらしく、事務、雑務は保護者がボランティアで手伝っている、とSheelaは言っていました。


例えば、学校からのお知らせの手紙の印刷、クラスの人数分ずつの仕分け、配布などの事務仕事、また、美術や体育の授業でのアシスタント業務など。


Sheelaはこういうボランティア・ワークは性に合っているようで喜んでやっていたようですが、チャイニーズや日本人はやらないのよ、とこぼしていました。

チャイニーズは、「お金にならない仕事はやらない」という人が多いらしく、日本人は「英語が分からないから役に立てない」といって・・・。


親友Y子が言っていましたが、私が住んでいる市の学校ははチャイニーズやインド人の生徒が白人のアメリカ人よりうんと多くて、それが学区のレベルを上げているそうです


彼らはものすごく教育熱心で、公立のレベルの高い小・中・高校に子供を入れたがります。

学区によってその学校レベルがずいぶん違うらしく、学齢期になった子供のために、良い学区にある家に引っ越すことも当たり前。


私が住んでいるアパートメントはどうやらレベルの高い学区にあるらしく、周りの他のアパートに比べて家賃が高値安定しているそう。


親の立場になれば、同じ公立ならレベルの高いところに入れたくなるのは当然でしょう。


でも、リッチな家の師弟が通う学校が、資金が足りないからといって生徒を寄付集めに回らせるというのは、私は納得できません。


ガールスカウトの活動で、一般の人にクッキーを買ってもらい、その一部をガールスカウト活動の資金にするというのはよく理解できますが、ただ単に「こういうことをするのに予算が出ないので、寄付してください」っていうのは、学校や生徒がやる話ではなく、州や市がその資金を負担すべきだと思うのですが。

また、当然のように、寄付で集まったお金がいくらになって、何にどう使われたのか、という事後報告は一切ありません。

学校内ではあるのかもしれませんが、私たち住民には何のレターも来ません。


これも、寄付する側としては納得できないことです。


こういうことは、アメリカの他の州でも行われていることなのでしょうか?