おじゃま虫
十干十二支のそれぞれについてのミノ虫さんのお話し、とても興味深くお聞きしました。
ミノ虫
ふㇺ、それは良かった
おじゃま虫
ところで、三尸虫(さんしちゅう)の「庚申」参りは・・・・
ミノ虫
ちょっと、十干十二支の話が長くなってしまったが、忘れているわけではないので心配し
なくてよいのジャよ
おじゃま虫
そうで御座いますか
ミノ虫
では、話を進める前に少しお浚いをしておくかノ
おじゃま虫
お願いしますで御座います
ミノ虫
三尸虫は、古の中国の道教において唱えられた、体内にいるとされておる三匹の「虫」の
ことで、「三尸虫」以外に「三彭(さんほう)」「伏尸(ふくし)」「尸虫(しちゅう)」
「尸鬼(しき)」「尸彭(しほう)」などとも呼ばれておるのジャ
おじゃま虫
いろいな呼び方をされている虫で御座いますね
ミノ虫
そして、三匹の虫は、それぞれに「上尸」「中尸」「下尸」と呼ばれておる
おじゃま虫
ジョウシにチュウシにゲシ・・・・
ミノ虫
そうジャ。
上尸は、彭踞(ほうきょ)・青服(せいふく)・青古(せいこ)・青姑(せいこ)・阿呵
(あか)・蓋東(がいとう)などとも呼ばれておって、色は青または黒とされておる
おじゃま虫
この上尸は、頭の中にいて、首から上の病を引き起こすんで御座いますよね
ミノ虫
よく覚えておったのワヌシ。感心カンシン
おじゃま虫
ありがとう御座います
ミノ虫
中尸は、白姑(はくこ)・白服(はくふく)・彭儨(ほうしつ)・彭侯(ほうこう)・作
子(さくし)などと呼ばれておって、色は白や黄色に青とされておる
おじゃま虫
この虫は、お腹の中にいて、臓器の病を引き起こすんで御座いますよね
ミノ虫
そうジャ。
下尸は、彭蹻(ほうきょう)・血姑(けつこ)・血尸(けつし)・赤口(しゃっこう)・
委細(いさい)・蝦蟆(がま)などと呼ばれておって、色は白または黒とされておる
おじゃま虫
この虫は、脚の中にいて、腰から下の病を引き起こすんで御座いますよね
ミノ虫
その通りジャ。
そして、この三匹の「三尸虫」は、寝ている間に体内から抜け出し、天帝にその宿主の罪
悪を告げて、宿主の寿命を縮めると言われておる
おじゃま虫
そこで「庚申」参りの登場で御座いますよね
ミノ虫
そうジャ。ここで「庚申」参りジャ
おじゃま虫
お願いします
ミノ虫
三尸虫が、宿主が寝ている間にその体内から抜け出すのは、日が決まっておって
おじゃま虫
日にちが決まっているんで御座いますね
ミノ虫
そうジャ。この決まっている日が、60日に一度巡って来る「庚申」の日ジャ
おじゃま虫
60日に一度巡って来る日・・・・
ミノ虫
この「庚申」の日の夜に、眠らずにいて「三尸虫」が体内から抜け出さないように、徹夜
で過ごすという風習が生まれたのジャ
おじゃま虫
一睡もせずに、夜明かしをして過ごすのも、チョット辛いことで御座いますね
ミノ虫
そうジャの。一人で寝ずに夜明かしをするのは辛いことジャ。
そこでノ、人々が集まり一緒になって過ごす風習が生まれ、それが何時しか祈りを捧げる
「庚申」参りとなったのジャよ
おじゃま虫
そうなんで御座いますね。
一人より、大勢の人達と一緒に過ごす方が、ソリャ―いいで御座いますよね
ミノ虫
この風習を、「庚申待」ともいう
おじゃま虫
コウシン・・・・マチ
ミノ虫
庚申の日に、神仏を祀って徹夜でお参りをすることを言っておる
おじゃま虫
なるほど・・・・
ミノ虫
そこで、十干十二支ジャが
おじゃま虫
そうで御座います。そこで御座います
ミノ虫
十干と十二支を組み合わせると、60種類の組み合わせが生まれるのジャ
おじゃま虫
60種類の組み合わせ・・・・
ミノ虫
この組み合わせをノ「六十干支(ろくじっかんし)」と呼ぶのジャが、「甲子」から「癸
亥」までの60種類があって、1番目から60番目の組み合わせまでいくと、また最初の
組み合わせに戻る、というのがこの「六十干支」の考え方なのジャ
おじゃま虫
60回で一回りして、また最初から始まるんで御座いますね
ミノ虫
そのとおりジャ。
そこで、「庚申」の日も、60日で一回巡って来るのジャよ
おじゃま虫
なるほどォー! 分かりましたで御座います
ミノ虫
この「六十干支」の考え方は、時間や日にちと12ヵ月などの時間の流れを表すときにも
用いられておる
おじゃま虫
・・・・
ミノ虫
この考え方の中で、広く人口に膾炙されておるのは「還暦」ジャの
おじゃま虫
おォー! 「還暦」
ミノ虫
生まれてから60年目の「還暦」
おじゃま虫
まさに、60の組み合わせの巡り回りで御座いますねェー
ミノ虫
そのとおりジャ
おじゃま虫
なるほど・・・・