redbaby6450のブログ

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おじゃま虫

 黄色い道に白い道・・・・そして赤い道。

 

 おやおや~、メイさんと直太朗君が久々にメルさんとお話しを始めた様で御座いますよ。

 

 

メイ

 アッ、メルさん!

直太朗

 オゥ!ヒッさしぶり~

メル

 こんにちわ。ホント久しぶりね。二人とも元気だった

メイ

 ハイ。ありがとう御座います。元気です

直太朗

 バッチリだぜェー。気力充実だぜ!

メイ

 メルさんも、お変わりありませんか

メル

 ありがとう。私も元気だよ

メイ

 よかったァー

メル

 今、何か二人で話していたようだけど、ナニ?

メイ

 ハイ。白道について

直太朗 

 月の軌跡のハクドウだぜェ

メイ

 失礼よ直太朗君!メルさんは当然御存じよ

直太朗

 そんなに怒るなよ、メイ。

 チョット解説しただけさ

メル

 「orbit  of  the  Moon」ね

直太朗

 おる・・・・びっと~、ナンジャ

メイ

 ・・・・エ~と、たしかァー・・・・

メル

 月の、「軌道」って意味よ

メイ

 そうでした

直太朗

 ナルホド・・・・軌跡の「軌道」かァ

メイ

 この前、シェルさんにお話しして頂いたんです

メル

 そう、シェルから聞いたんだ

直太朗

 その前には、「黄道」についても話を聞いていたんだぜ

メル

 「ecliptic」ね

メイ

 そうです

メル

 天球上の太陽の軌道の「黄道」に、月の軌道の「白道」か。

 後は、「The  Equator」ね

直太朗

 いく・・・・うえいた~・・・・って、何だっけェー、確か前聞いたよな

メイ

 直太朗君、「赤道」よ

直太朗

 そっかァー、赤道だァー・・・・

 前に先生から詳しく説明を受けたはずだけど、もうよく覚えていないや。

 メルさん、説明してヨ

メイ

 そうね、私も聞きたいわ。

 メルさん、お願いします

メル

 いいわよ。

 「赤道」は、地球上の「赤道」と、天球上の「天の赤道」の二つがあるんでけど、これは

 イイかな

直太朗

 そうだったそうだった、二つの「赤道」

メイ

 そうだったね

メル

 二つの「赤道」の前に、「Equator」についてだけど

直太朗

 オッと、そこからかァ

メイ

 お願いします

メル

 この語源はね、ラテン語の「等しくする」という意味の「aequare」なの

メイ

 「等しくする」・・・・

直太朗

 何を「等しく」するんだァー

メル

 この語の厚義はね、「昼と夜を等分する」というものなの

直太朗

 昼と夜を等分・・・・

メイ

 ・・・・

メル

 そう、昼と夜を等分に隔てるという意味から、地球を南北に等分するとの意になり、「E

 quator」は、地球上の南北を等分する「線」、つまり「赤道」を表す語となったのよ

メイ

 地球を南北に等分する「線」

直太朗

 半分にチョんぎる線かァー

メル

 「equ」は「等しい」、「ate」は「~にする」、「er」は「~するもの」って意味ね

直太朗

 フ~ん

メル

 次に、二つの「赤道」についてだけど

直太朗

 そうそう、そっちソッチ

メイ

 「地球上の赤道」と「天の赤道」ですね

メル

 まずは「地球上の赤道」だけど、これは地球の自転軸と垂直になる様に地球を半分に切っ

 たときの断面の円周「線」が、地球上の「赤道」になるのよ

直太朗

 地球が、南北にチョン斬られちゃったぜェー

メイ

 チャチャ入れないの、直太朗君

メル

 そして「天の赤道」だけど、その前に地球の「地軸」って了解してるかな

直太朗

 チジク・・・・

メイ

 たしか、地球が自転する際の「軸」ですよね

直太朗

 あァー、自転軸かァー

メル

 地球の北極点と南極点を結ぶ、それ自体は運動しない直線が「地軸」ね。

 この地軸は、傾いているんだけど了解かな

直太朗

 そうそう傾いてるんだった

メイ

 どれくらい傾いてたかなァ・・・・

メル

 「地軸」はね、地球が太陽の周りを回る公転の際の「公転軸」に対して、約23.4度傾

 いているのね

直太朗

 その地軸の傾きが、何なのさァー、メルさん

メル

 この「地軸の傾き」が、地球上と天球上の二つの「赤道」を生み出す理由なのよ

メイ

 二つの「赤道」の生みの親が、地軸の「傾き」なんですね

直太朗

 生みの親とは・・・・メイよく言うぜェー

メイ

 イイじゃない、生みの親は生みの親よ

メル

 「天の赤道」はね、地軸の傾きによって天球上に傾いて表されるのよ

直太朗

 そうだよな、傾いてんだもんな

メイ

 そうだよね

メル

 この傾いている地球上の赤道面を天球上まで延長していくと・・・・どうなる?

直太朗

 どうなるって、交わるだろ・・・・

メイ

 そうだね、天球に届けば交わるね

メル

 そうね、この天球上で交わって映し出される「地球上の赤道」面が作り出す大円が、「天

 の赤道」なのよ

直太朗

 空に映し出された大円かァ~・・・・ロマンだねェ~

メイ

 壮大な円が作り出す、遥か彼方の赤道・・・・ステキ!

 

 

おじゃま虫

 天球上の赤道・・・・ホントに、創造の翼が限りなく拡がるロマンですねェ~・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おじゃま虫

 白い道の「白道(びゃくどう)」についてのあお虫さんのお話し・・・・小生にとっては

 チョット難しかったなァー・・・・

 アっ、ひとつあお虫さんにお聞きするのを忘れていたことがありましたよ。

 古代中国で興起した「浄土教」、日本に伝わって来たんで御座いましょうね。

 どう伝わって、どうなったのか、あお虫さんにお聞きするのを・・・・

 まあー、仕方ありませんね、またの機会にお聞きするで御座います。

 

 おや、お久しぶりにメイさんと直太朗さんのお姿が目に留まりましたで御座いますよ。

 さてさて、お二人の御様子は如何で御座いましょうか・・・・

 

 

メイ

 ねぇねェー、直太朗君

直太朗

 ア~なんだよー、メイ

メイ

 何よ! ナンダよー、はないでしょ

直太朗

 なにツンツンしてんだよ、聞いてきたのはメイだぜェー

メイ

 それはそうだけどォー・・・・もうチョット愛想よくしてくれてもイイでしょ

直太朗

 はいハイ、分かりましたよ。

 何で御座いましょうか、メイさん

メイ

 もォー・・・・まあイイわよ。

 少し前にね

直太朗

 少し前に、どうした

メイ

 合の手はイイから、少し私の話を聞いて、直太朗君

直太朗

 ・・・・

メイ

 白い道と書いて「白道(はくどう)」についてはシェルさんにお聞きしたでしょう

直太朗

 そうだったな。月の天空上の軌跡が「白道(はくどう)」だったな

メイ

 ところがね。その白道と同じく白い道と書いて「びゃくどう」っていうものがあるらしい

 のよ

直太朗

 ビャクドゥ~・・・・

メイ

 そう「白道(びゃくどう)」

直太朗

 ナンジャー、それ

メイ

 慧笑伯母さまから聞いたんだけどね

直太朗

 あァー、アノけいしょう伯母さんかァー

メイ

 あァー、は無いでしょう、直太朗君

直太朗

 でもさァー、アノ慧笑さんだろうー

メイ

 イイから聞いて!

直太朗

 ・・・・

メイ

 古代中国で始まった宗教でね。「浄土教」っていうのがあるのよ

直太朗

 古代中国の、しゅうきょゥ~

メイ

 そう宗教。

直太朗

 そう言やァー、慧笑伯母さん、宗教オタクだったな

メイ

 オタクだなんて、チョット失礼よ、直太朗君

直太朗

 事実だもん、イイじゃねかョー

 それで、そのジョウド教が

メイ

 仕方ないわね・・・・

 その浄土教の教えの中にね、「白道」があるのよ

直太朗

 その「ビャクドウ」って

メイ

 極楽浄土で往生するために、念仏を称えながら進む、極楽浄土に至る道、これが白い道の

 「白道(びゃくどう)」なのよ

直太朗

 極楽浄土に至る「白い道」・・・・

メイ

 この「白道」の両側にはね、「水の河」と「火の河」が流れてるんですって

直太朗

 水に火の河・・・・

メイ

 そうなの。

 「水の河」はね、右側を流れていて、執着や貪りの心を表していて、「火の河」はね、左

 側を流れていて、憎しみや怒りの心を表しているんですって

直太朗

 二つとも、おッ恐ねェー河だなァー

メイ

 この二つの河の心に囚われて河に落ちることなく、一心に信心してヒタスラ白道(びゃく

 どう)の道を進んだ人が、極楽浄土に至り往生できるっていう教えなのよ

直太朗

 ふン~・・・・同じ「白い道」でも、エラク違った道だな

メイ

 そうでしょ。

直太朗

 なんとなく分かる気はするけど、宗教は俺にはトッテモ難しくて、正しく理解はチョット

 無理だなァー

メイ

 私だって同じよ。

 でも、白い道にもイロイロあるって分かって、失礼な言い方になってしまうけど、チョット

 面白かったわ

直太朗

 そうだな。白い道もイロイロあるもんだな

 

 

おじゃま虫

 おやおや、お二人も「白い道」についてお話しで御座いましたね。

 

 ホントに、白い道も色々で御座いますね。

 

 「黄色い道」に「白い道」・・・・そうで御座いました、「赤い道」も御座いましたね。

 

 「赤い道」・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おじゃま虫

 あお虫さん、ありがとう御座いました。

あお虫

 どうじゃな、少しは整理出来たかな

おじゃま虫

 ハイ。完全では御座いませんが、私なりに・・・・

あお虫

 まァーよい。落ち着いた様だから、続きを話すかな

おじゃま虫

 よろしくお願い致します

あお虫

 では、まず浄土教じゃがな。これは4世紀から5世紀頃の古代中国の東晋時代に廬山に住

 んでおったとされる高僧の慧遠(えおん)が説き、その後7世紀から10世紀頃の唐時代

 の高僧の善導(ぜんどう)が提唱した宗教じゃな

おじゃま虫

 慧遠さんに善導さんで御座いますか

あお虫

 阿弥陀仏の極楽浄土に往生して成仏することを説いておる大乗仏教の一つの派じゃな

おじゃま虫

 だいじょう仏教・・・・

あお虫

 ユーラシア大陸の中央部から東部地域にかけて信仰されてきた、世俗を離れ出家して僧と

 なった者だけでなく、世俗生活を続けながら仏道に帰依する在家者を含めた一切の衆生を

 救済する、と掲げる仏教の宗派の総称だな

おじゃま虫

 その宗派の高僧の慧遠さんと善導さんが・・・・

あお虫

 話の中心は善導になるが、善導は「称名念仏」を根本とする浄土思想を確立した人物とさ

 れておる

おじゃま虫

 しょうみょう・・・・ねんぶつ・・・・

あお虫

 「南無阿弥陀仏」と仏様のお名前を口に出して称える「口称念仏」のことだ

おじゃま虫

 なむあみだぶつ・・・・こうしょうねんぶつ・・・・

あお虫

 そうじゃ。仏様のお名前を口に出してお称えして、極楽浄土での極楽往生を願うことだ

おじゃま虫

 はァ・・・・

あお虫

 極楽浄土はな、陽が沈むつまり陽がお休みになられる「西方」にあるとされておる

おじゃま虫

 浄土は西方にあり、で御座いますかァ・・・・

あお虫

 浄土教はな、紀元100年頃にインドにおいて興起された宗教じゃ

おじゃま虫 

 インドが発祥の地で御座いますか

あお虫

 その後、この浄土往生の思想が2世紀後半頃に古代中国に伝わったと言われておる

おじゃま虫

 はァ・・・・ところで「二河白道」は・・・・

あお虫

 そうじゃったな。「二河白道」とはな、浄土教において衆生が一心に極楽往生を願い信心

 することの譬喩じゃよ

おじゃま虫

 ヒユ・・・・で御座いますかァ

あお虫

 そうじゃ、物事の説明をするときにその印象を強くするために、そのことに類似した他の

 事物を借りて、喩えて表現することを「譬喩」という

おじゃま虫

 ハイ・・・・

あお虫

 「二河白道」においてはな、極楽浄土に至るとされる「白い道」の「白道」の両側にはな

おじゃま虫

 両側に・・・・

あお虫 

 白い道の左側には「火の河」が流れ、右側には「水の河」が流れる、とされておる

おじゃま虫

 「火の河」・・・・「水の河」・・・・で御座いますかァ

あお虫

 そうじゃ、「火の河」はな、憎しみや怒りの心を表しておる。

 そして「水の河」はな、貪りや執着の心を表しておる

おじゃま虫

 憎しみや怒りの心・・・・貪りや執着の心・・・・

あお虫

 極楽往生を願う衆生はな、しばしば憎しみや怒りに心を取られ、その結果「火の河」に落

 ちてしまう。

 そしてな、衆生はたびたび貪りや執着に心を取られ、その結果「水の河」に落ちてしまう

 んじゃ

おじゃま虫

 ・・・・落ちてしまう

あお虫

 衆生が、極楽浄土に至る白い道の「白道」を、一心に歩み辿ることは難しいことなのじゃ

おじゃま虫

 ・・・・

あお虫

 憎しみや怒りは、時として「燃え上がる」などと表すことから「火」の河と表現されてお

 るんじゃ。

 そして貪りや執着は、時として「欲に流される」などと表されることから「水」の河と表

 現されておる

おじゃま虫

 なるほどォー

あお虫

 極楽浄土に至る白い道の「白道」は、東方から西方に至り。

 火の河と水の河も、東方から西方に流れておるんじゃ

おじゃま虫

 全て東方から西方に・・・・

あお虫

 東方からはお釈迦様が「逝け」と仰り、西方からは阿弥陀仏様の「来たれ」とのお声が聞

 こえる、と言われておってな

おじゃま虫

 お釈迦様に阿弥陀仏様のお声が聞こえる・・・・

あお虫

 白い道の「白道」を辿る衆生はこのお声に導かれて、極楽浄土における往生を一心に願い

 信心してこそ、「火の河」や「水の河」に落ちることなく極楽浄土に至り往生できるとす

 るのが、浄土教なんじゃよ

おじゃま虫

 なるほどォー

あお虫

 オヌシも、心静かに暮らし、時々は自分の過ぎ越しの道を辿り直して思い返し、未来の道

 を考えた方がいいじゃろう

おじゃま虫

 そうで御座いますね。

 ありがとう御座います。あお虫さん

あお虫 

 よいよい

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おじゃま虫

 虫が暮らしております処では未だ梅雨が明けておりませんので、此のところ雨空が続いて

 おりますんで御座います。

 夜間も曇り空が続き、なかなか白道を進むお月様にも巡り合えませんで御座いますよ。

 

 ・・・・・・・・何を一人でモゴモゴと喋っておるのだ、オヌシ

 

おじゃま虫

 エ! アレ~、あお虫さんジャ御座いませんかァー

あお虫

 御座いませんか、ジャないぞ。オヌシ、何を一人でモゴモゴと喋っておる

おじゃま虫

 お久し振りで御座います、あお虫さん。

あお虫

 挨拶はイイ

おじゃま虫

 ハイハイ

あお虫

 返事は一回でヨロシイ!

おじゃま虫

 ハイ。

 いえ、なにも難しい事を言っていたのでは御座いませんで、ただ梅雨空が続きますので、

 白道を進む月を見ることが出来ないな、と言っておりましたところで

あお虫

 なんと、「白道」とな

おじゃま虫

 ハイ。そうで御座います

あお虫

 オヌシ、月の巡る道を「白道」と呼ぶなど、よくぞ知っておったなァー

おじゃま虫

 イヤ~。実は、つい最近ある方からお聞きしましたので

あお虫

 ある方・・・・とは誰ジャ

おじゃま虫

 そのー・・・・てんとう虫さんで御座います

あお虫

 ・・・・てんとう虫か

おじゃま虫

 ハイ、そうで御座います

あお虫

 あ奴も元気にしておったかな

おじゃま虫

 ハイ、お元気にお過ごしで御座います

あお虫

 オヌシ、あ奴にそんなに遜る必要などないぞ

おじゃま虫

 いえいえ、私など親しくお話しして頂けるだけで

あお虫 

 わかった、もうイイ。あ奴のことなど。

 それよりも、「白道」のことだ

おじゃま虫

 そうで御座いました。

 実は、てんとう虫さんから色々と「白道」についてお聞かせ頂きましてェー

あお虫

 だから、何を聞いたかと聞いておる

おじゃま虫

 ハイ。漢書の天文志のこととか、前野良沢のこととかァー・・・・

あお虫

 フん、天文志に前野良沢・・・・まァー妥当なところか

おじゃま虫

 それと、管蠡秘言やアリストテレスの四原因説などで御座います

あお虫

 管蠡秘言にアリストテレス・・・・外連味の塊であるあ奴らしいことだ

おじゃま虫

 ・・・・・・・・

あお虫

 まァーよい。

 ところでオヌシ

おじゃま虫

 ハイ

あお虫

 「びゃくどう」は、知っておるか

おじゃま虫

 ビャクドウー・・・・で御座いますか

あお虫

 そうじゃ、同じく白い道と書いて「白道(びゃくどう)」じゃ

おじゃま虫

 「びゃくどう」・・・・知りません

あお虫

 そうか

おじゃま虫

 「びゃくどう」とは、何で御座いますか?

あお虫

 「白道」とはな、極楽浄土に通じるとされておる「白い道」のことよ

おじゃま虫

 極楽浄土ォ~

あお虫

 そォーよ。

 「白道」はな、「二河白道」の略でな

おじゃま虫

 ニガ・・・・びゃくどう~・・・・

あお虫

 そうジャ。浄土教の教えよ

おじゃま虫

 宗教、で御座いますか

あお虫

 そうジャ。

 「火の河」と「水の河」の間にあるとされる、極楽浄土に至る白い道が「白道」よ

おじゃま虫

 火の河に水の河・・・・

あお虫

 極楽往生を願う、衆生の一心の信心を喩えて「白道」と称したのだ

おじゃま虫

 極楽往生・・・・で御座いますか

あお虫

 順を追って話すとな

おじゃま虫

 チョットお待ちを願います

あお虫

 どうした

おじゃま虫

 チョット・・・・難しくて・・・・お時間を頂けますか。

 頭の中がァ~・・・・ゴチャゴチャしてましてェ~

あお虫

 そうか、分かった

おじゃま虫

 ありがとう御座います・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おじゃま虫 

 みな様、ひと時の休息をお取りになられるときのお飲み物は、何で御座いましょうか。

 虫の最近のお供は、ローズヒップ・ティーで御座いますよ。

 ローズヒップ・ティーはお好きで御座いますでしょうか、みな様。

 

 ところで、ローズヒップについては御存じで御座いますでしょうか、みな様。

 言わずもがなな事では御座いますが、ローズヒップは薔薇の実で御座いますよね。

 

 薔薇の実を、バラのお尻とは不可思議な言い方で御座いますね。

 本来、ヒップだけで薔薇の実のことなので御座いますが、分かりやすくする為にわざわざ

 頭にローズを付けてローズヒップと呼ばれている様で御座いますよ。

 

 虫が飲んでおりますローズヒップ・ティーは、裏庭で生りましたドッグローズの実を使い

 まして作りましたティーを飲んでおりますで御座います。

 

 ドッグローズの和名は、そのものズバリで「イヌバラ」と申しますが、ドッグローズの語

 の由来はラテン語のローザ・カニナ(Rosa  canina)、つまり「犬のバラ」からと伝わって

 いる様で御座いますよ。

 

 ローズヒップは、植物の実の中で一番ビタミンCを含んでいるんで御座いますよ、みな様。

 そのため、ローズヒップは一名を「ビタミンの爆弾」と呼ばれているんだそうで御座いま

 す。

 爆弾とは、チョットものさわな言い方では御座いますが、如何にもビタミンCが多量に含

 まれているって感じでは御座いますよね。

 

 ビタミン豊富なローズヒップは美肌効果バツグンで整腸作用もあり、その他にも貧血予防

 に利尿作用や疲労回復などなど、とても幅広い薬効作用にも似た効用作用が御座います様

 ですよ。

 更にでは御座いますが、ローズヒップには女性ホルモンの分泌バランスをとても整える作

 用もあるそうで御座います。

 

 美味しく飲めて、更に数多の効能あるローズヒップ・ティー、みな様もご興味がおありで

 御座いましたら、一服いかがで御座いますか・・・・

 

 

 

 

 

 

 

おじゃま虫

 みな様、7月で御座いますね。

 七夕も過ぎまして・・・・チョット可笑しな申し上げ方となりますが、7月も本番に入り

 ますで御座いますね。

 

 みな様は7月をジュライ(July)と申しますが、これは言わずもがななことでは御座いま

 すが、古代ローマのユリウス暦で命名されたんで御座いますよね。

 ユリウス暦を布告し制定したのは、共和政ローマ末期の執政官「ガイウス・ユリウス・カ

 エサル(Gaius  lulius  Caesar)(英語名は、ジュリアス・シーザー)」で御座います。

 このユリウス暦は、紀元前45年から1582年までの1600年以上に渡って、欧羅巴

 のほぼ全域において使用され続けたんで御座いますよ。

 

 カエサルは、自分が生まれた誕生月であった「7月」に自分の名前を冠することに決め、

 7月を「ジュライ」と命名したといわれているんで御座いますよ。

 

 ユリウス暦以前の暦で、ローマ時代の初期から使用されていた「ローマ暦」では、1年は

 3月から始まっていましので、このローマ暦においては7月は5番目の月となりますよ。

 

 本邦では、7月は「文月(ふみづき)」で御座いますよね。

 文月とは・・・・

 古には書物のことを「文」と申しておりまして、7月7日の七夕の夜に詩歌を献じたり、書

 物を披いて夜気に当てて、書の上達を祈念する風習があったそうで御座います。

 この書物を夜気に当てて干すという行事から、書物(文)を披くという意味で「文披月(ふ

 みひろげづき)」と呼ばれるようになったといわれているんで御座います。

 そしてこの「文披月」から、「文月」になったとされているんで御座いますよ。

 

 また一説にはで御座いますが、7月は稲の穂が実る頃で御座いますので、その意味において

 「穂含月(ほふみづき)」といわれ、ここから転じて「文月」になったともいわれているん

 で御座いますよ。

 

 ちなみにネイティブアメリカンにおいては、7月の満月を「バック・ムーン」と呼んでおり

 ます。

 バックとは、牡鹿のことで御座います。

 7月は、北米においては、牡鹿の象徴である「角」が生え変わる時期に当たりますので、こ

 の様に呼ばれているんで御座いますよ。

 

 今月(7月)の満月は、7月21日で御座いますが、天空のやぎ座に満月が位置しておりま

 よ、どうぞみな様御覧くださいませ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おじゃま虫

 てんとう虫さん、抹茶のお話しありがとう御座いました

てんとう虫

 いいさ、チョットした話よ

おじゃま虫

 ところでてんとう虫さん

てんとう虫

 何だよ

おじゃま虫

 お忘れで御座いますか

てんとう虫

 だからァー何だよ

おじゃま虫

 ソクラテス・プラトン・アリストテレスの四原因説で御座いますよ

てんとう虫

 オゥ! そうだったな

おじゃま虫

 そうで御座いますよ。

 世の森羅万象すべからく「四原因説」、で御座いますよ

てんとう虫

 そう、この世の森羅万象の成り立ちには須らく「四原因説」があると、アリストテレスは

 自身の書である「自然学」のなかで述べている

おじゃま虫

 そうで御座います。そこのところをもうチョット砕きましてェー

てんとう虫

 ゴチャゴチャとくっちゃべるな!アタシの話を聞け

おじゃま虫

 ・・・・・・

てんとう虫

 いいか、この世の森羅万象はな、四つの原因により成り立っていて、その四つの原因とは

 な質料因・形相因・起動因・目的因なのだ

おじゃま虫

 「しつりょう、ぎょうそう・きどう」・・・・に「もくてき」・・・・で御座いますか

てんとう虫

 ところでチョット確認のために聞くが、アンタ「森羅万象」は理解してるよな

おじゃま虫

 やで御座いますよ、てんとう虫さん。

 シンラ・バンショウは・・・・しんらばんしょう、で御座いますよ

てんとう虫

 そんな調子だと、アンタ分かってないな

おじゃま虫

 そんなことは御座いませんよ。

 シンラさんが、バンショウするんで御座いますよ

てんとう虫

 なんじゃソリャー! アンタ阿保かァ~

おじゃま虫

 アホでは御座いませんがァ・・・・チョット~

てんとう虫

 あのなァ、森羅万象とはな、この世の天地の間に存在する事物や現象の一切合切、あらゆ

 るものことなんだ。

 森羅ってのはな、樹木が限りなく生い茂り無限に立ち並ぶ様を表していて、万象ってのは

 なこの世に存在する全てのものやあらゆる現象のことなんだ

おじゃま虫

 なるほどー

てんとう虫

 ナルホドー、じゃねェーよ。

 いいか、この森羅万象はな「四つの原因」によって成り立っている、とギリシャの哲学の

 泰斗が仰っているんだよ。

 言わずもがなことではあるが、原因とは「ある事物や状態を引き起こすもと」ということ

 だ、アンタいいかい

おじゃま虫

 了解で御座います

てんとう虫

 なにがリョウカイ、だよ。大丈夫かァー

おじゃま虫

 ・・・・・

てんとう虫

 マッいいか。

 その「四つの原因」が、質料因・形相因・起動因・目的因であるわけだ。

 資料因とは「存在する全てのものの物質的な原因」のことであり、形相因とは「存在する

 全てのものが、何であるかという形を規定する原因」のこと、起動因とは「存在する全て

 のものの運動変化の原因」のこと、そして目的因とは「存在する全てのものが、存在し運

 動変化する目的原因」のことなんだ

おじゃま虫

 ム・・・・難しィーで御座います

てんとう虫

 そうだな、たしかに難しいな。

 でもな、理解するために、こんな例にたとえるとイイかもしれない。

 チョット「椅子」を思い浮かべてくれ

おじゃま虫

 イス、で御座いますか

てんとう虫

 そうだ座る椅子だ。

 この椅子を作る際に使う材料が質料因で、椅子のデザインなどが形相因で、椅子を作る職

 人さんとその作業が起動因で、椅子は座るために作られるということが目的因なわけだ、

 どうだい

おじゃま虫

 ナルホドー、椅子がそこに存在するのは、材料があって・形のデザインがあって・作る職

 人さんとその作業があって・座るという目的があるから、そこに椅子は存在するんですね

てんとう虫

 そのとおりィー!

 アンタ、理解が速いじゃないか

おじゃま虫

 イエいえ、てんとう虫さんのお話しが、理解しやすかったからで御座います

てんとう虫

 更にいうとな、質料因と形相因は「内在因」であり、起動因と目的因は「外在因」であっ

 て、起動因は「存在の出発点」であって、目的因は「存在の終着点」ともいわれている

おじゃま虫

 ・・・・チョット・・・・分かりません

てんとう虫

 イイさ、ここは、サラッと聞き流せ。

 また、別に説明が必要だが、「存在と生成」の二元論からいうと、質料因と形相因が「存

 在の原因」で、起動因と目的因が「生成の原因」であるとされている

おじゃま虫

 ・・・・?

てんとう虫

 聞き流せ聞き流せ。

 とにかく、そんなところだ

おじゃま虫

 難しいお話しで御座いましたが、ありがとうございました

てんとう虫

 イイさいいさ。またの機会に詳しく話すよ

おじゃま虫

 よろしくお願いしますで御座います

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おじゃま虫

 てんとう虫さん、休憩を頂きましてありがとう御座いました

てんとう虫

 ソリャー良かったゼ

おじゃま虫

 てんとう虫さんは、どの様に御休憩を

てんとう虫

 あたしはコーヒーにしようかと思ったんだけど、抹茶を喫してたよ

おじゃま虫

 喫した、んで御座いますね

てんとう虫

 そうさ、喫したんだよ。飲んだんじゃないんだよ

おじゃま虫

 喫すると飲むは、違うんで御座いますか?

 小生は、同じことの様に思っておりましたが

てんとう虫

 べらんめェー、違うんだよアンタ

おじゃま虫

 へェー、そうなんで御座いますね

てんとう虫

 いいか、飲むとはな

おじゃま虫

 はい

てんとう虫

 いちいち合の手は要らないから、あたしの話を聞け

おじゃま虫

 ・・・・・・・・

てんとう虫

 飲むとはな、ただ液体を喉に流し込むことであって、喫するとはな、液体をノドに流し込

 む事だけではなく、そのものの味わいを深く理解するために

おじゃま虫

 ・・・・・・・・

てんとう虫

 チョット、ここは合の手を入れるところだろー、アンタ

おじゃま虫

 これは失礼致しました。難しいんで御座いますね。

 では、深く理解とは

てんとう虫

 いいかァー喫するとはな、ただ飲むだけではなく、抹茶を点てる道具や器の醸し出す心世

 界をも味わい尽くし、豊穣な心の世界を満喫することなのさ

おじゃま虫

 ウーん・・・・難しくて小生には、チョット理解し難いなァー

てんとう虫

 そかもしれんナ、ガサツな心では難しいな

おじゃま虫

 そうで御座いますね。

 抹茶は、小生の生活空間には御座いませんし

てんとう虫

 ところでアンタ、抹茶については知ってるかイ

おじゃま虫

 ほとんど理解しておりません

てんとう虫

 いいかァ抹茶はな、12世紀頃に日本に伝来したもので、中国の「末茶」を起源とする緑

 茶の一種でな

おじゃま虫

 モ・・・・ちゃ~・・・・?

てんとう虫

 末(まつ)の茶と書いて「もちゃ」と読む。

 これが日本に伝来して以後、本邦において発展したのだよ

おじゃま虫

 12世紀で御座いますかァー

てんとう虫

 本家の中国においてはな、14世紀にな

おじゃま虫

 14世紀に

てんとう虫

 当時の中国帝国の明の初代皇帝の洪武帝と呼ばれている「朱元璋」が

おじゃま虫

 チョットお待ちを

てんとう虫

 どうした

おじゃま虫

 コゥ・ブ・・・・てィー、シュ・・・・げんしょう・・・・?

てんとう虫

 そう、この明の初代皇帝の洪武帝の「朱元璋」が、末茶の元となる「団茶」の製造を禁止

 したので中国では「末茶」は衰退してしまったんだ

おじゃま虫

 ダン茶とは

てんとう虫

 団茶はな、蒸した緑茶葉を臼で挽いて、これを固めて作る固形茶のことだ

おじゃま虫

 固形茶で御座いますかァー

てんとう虫

 中国では廃れたが、本邦に於いては発展し、現在に至っているのさ

おじゃま虫

 なるほどー

てんとう虫

 緑茶は、茶葉を蒸して乾燥させた茶葉をお湯で煎じて飲むものだが、抹茶は、茶葉を粉末状

 にしたものをお湯に溶かして喫するのもだ

おじゃま虫

 小生の生活空間においては、「緑茶」で御座いますね

てんとう虫

 今度、一緒に抹茶を「喫そう」ではないか

おじゃま虫

 お願い致しますで御座います

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おじゃま虫

 てんとう虫さん、なかなかお戻りになられませんで御座いますね。

 まだかなァ~・・・・グぅ~・・・・

 

てんとう虫

 なに目ェー瞑って、コックリしてんだヨー、おまえ!

おじゃま虫

 アレ~、てんとう虫さん

てんとう虫

 なにが、アレ~だよ

おじゃま虫

 いつお帰りで

てんとう虫

 お帰りで、ジャねーよ

おじゃま虫

 もうご用はお済で御座いますか

てんとう虫

 あったりメーだろうが。済んだからここにいるの

おじゃま虫

 それはヨー御座いました。

 では、お話しの続きをお願い致しますで御座います

てんとう虫

 オー、そうだったな。それじゃ始めるとするかな。

 どこからだったかな

おじゃま虫

 前野良沢が「陰陽五行説」を否定して「四元説」を是とした、というお話で御座いますよ

てんとう虫

 そうだったそうだった、前野良沢。

 彼は、「管蠡秘言」を著し、その中で「陰陽五行説」を否とし、「四元説」を是とした

おじゃま虫

 そうで御座いました。

 そこのところを詳しくお話し願います

てんとう虫

 ところで、アンタは「陰陽五行説」と「四元説」については分るのか

おじゃま虫

 陰陽さんについては、古代中国のお考えである、ということくらで、あとは・・・・

てんとう虫

 陰陽さんって何だヨ・・・・マァーそんなもんだろうな。

 「陰陽五行説」はな、簡単に言うと、この世の万物を成しているのは「陰と陽」の二つの

 気であり、万物を成すものの元となるものは「木・火・土・金・水」の五つの元素である

 とする思想だ

おじゃま虫

 そうで御座いました。木に火に土に金に水で御座いました

てんとう虫

 なにがゴザイマシタ、だァ。

 いいか、この思想で、この世の森羅万象が整理し理解できるとしたんだ

おじゃま虫

 スゴイお考えで御座いますね

てんとう虫

 「四元説」はな、古代ギリシャからなる思想で

おじゃま虫

 おやマァー、古代ギリシャで御座いますか

てんとう虫

 ウルサイ!話の腰を折るな。静かに聞け

おじゃま虫

 ・・・・・・・

てんとう虫

 この思想も、この世の森羅万象は「四つの元素」から成り、この考えにより全てが整理し

 理解できるとしたんだ

おじゃま虫

 これも神羅万象の理解で御座いますか、スゴイですねェ~

てんとう虫

 この思想はな、哲学の祖である「ソクラテス」に始まり、「プラトン」が継ぎ「アリスト

 テレス」に至るんだ

おじゃま虫

 偉大な名前のオンパレードで御座いますね

てんとう虫

 そうだな。超~スーパースターのみな様だな

おじゃま虫

 スゴイ!

てんとう虫

 この思想はな、「4性質説」ともいわれていてな、火の性質は「熱と乾」、空気の性質は

 「熱と湿」、水の性質は「冷と湿」、土の性質は「冷と乾」であって、この4性質で神羅

 万象が整理理解できるとする考えなんだ

おじゃま虫

 フ~ん

てんとう虫

 なにがフ~ん、だヨ。

 いいか、この思想はな「4原因説」ともいわれていてな

おじゃま虫

 し・・・・原因説・・・・

てんとう虫

 この説はな、アリストテレスがな、その著書「自然学」のなかで論じていて、森羅万象の

 現象について自然学で考察する際には、「四種類の原因」を検討しなければならない、と

 するものなんだよ

おじゃま虫

 チョットお待ち下さい、てんとう虫さん

てんとう虫

 なんだよー、アンタ

おじゃま虫

 四つの元素に四つの性質、更に四つの原因とポンポンと並べられましても、私の拙い脳味

 噌では、直ぐには理解できませんよ~。

 チョット頭を休め整理するお時間を頂けませんかァー

てんとう虫

 シッカタねーな~、アンタは。

 よし、少し時間をやろう

おじゃま虫

 ありがとう御座います。助かりますで御座いますよ

てんとう虫

 あたしも、コーヒーでも飲んで一服するよ

おじゃま虫

 その様にお願いしますで御座います

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おじゃま虫

 シェルさんの「白道」についてのお話し、虫は興味深く拝聴致しましたで御座います。

 皆様は、如何で御座いましたでしょうか。

 

 夜空に冴え冴えと白銀の輝きを放ちつつ、「白い道」を天空に描く「月」。

 月の軌跡に「白道」とは、まさに絶妙の命名では御座いませんかねェ~・・・・

 

てんとう虫

 何をゴチャゴチャ喋ってるのヨ、誰との会話よ

おじゃま虫

 アレェ~! てんとう虫さんジャ御座いませんか。

 お久し振りで御座います。お元気でいらっしゃいましたで御座いますかァ

てんとう虫

 何が御座いましたでしょうか、ヨ。

 一人でなにブツブツ喋ってるのよ、大丈夫かヨ、虫

おじゃま虫

 ムシって、ご自分も「ムシ」で御座いますよ

てんとう虫

 五月蠅いわね。そんなこと分かってるわよ、アンタに言われなくたって。

 そんなことより何喋ってたのよ、ゴチャゴチャと

おじゃま虫

 ゴチャゴチャでは御座いませんよ。「白道」について考察していたんで御座いますよ

てんとう虫

 は・く・どう・・・・

おじゃま虫

 そうで御座いますよ。

 「白道」、天空における「月」の軌跡で御座いますよ

てんとう虫

 ナァ~ンだ。その「白道」かヨ

おじゃま虫

 なあ~んダって、御存じで御座いましたか、てんとう虫さん

てんとう虫

 アッたりまえでしょ。私を誰だと思ってるのよ

おじゃま虫

 だれ・・・・って、てんとう虫さんでは御座いませんか

てんとう虫 

 なにバカ言ってんのよ!当たり前でしょ、私はテ・ン・トウ虫

 そんなことじゃなくて「白道」よ

おじゃま虫

 そうで御座いますよ、「白道」で御座いますよ

てんとう虫

 だからァ~、月の軌跡が「白道」だなんてことは、先刻ご承知ヨ、私は

おじゃま虫

 それは素晴らしいィー、さすが博識のてんとう虫さん

てんとう虫

 私の博覧強記はイイから。

 そんなことより、なんで盆暗なアンタが「白道」を知ってるのよ

おじゃま虫

 いえねェ、じつはつい先ごろ、ある方の「白道」についてのお話しをお聞きする機会が御

 座いましてね。

 そのお話しが大変に興味深かったもので、つい思い出しまして感慨に耽っていたんで御座

 いますよ

てんとう虫

 なにが感慨に耽るヨ。イッパシのことを言うじゃないのアンタ

おじゃま虫

 そうは仰いますが、本当に良いお話しだったんで御座いますよ

てんとう虫

 ハイはい。

おじゃま虫

 ところで、「白道」について、てんとう虫さんは、どの様に御存じなんで御座いますか

てんとう虫

 聞きたいかァ

おじゃま虫

 ハイ。お聞かせ下さいで御座います

てんとう虫

 いいだろう、聞かせてやるよ

おじゃま虫

 お願い致しますで御座います

てんとう虫

 「白道」はな、

おじゃま虫

 はい

てんとう虫

 いちいち合の手を入れるな、ウルサイ!

おじゃま虫

 ・・・・

てんとう虫

 「白道」はな、古代中国の「漢書」の中で述べられていてな、それをな、「解体新書」を

 杉田玄白と共に邦訳した前野良沢が訳して、日本に伝えたのさ

おじゃま虫

 アレェ~!さすがで御座いますねェー、てんとう虫さん

てんとう虫

 これくらい、アッたり前さ

おじゃま虫

 それでは、「管蠡秘言」は如何で御座いますか

てんとう虫

 オ!私の博覧強記に挑戦するのかァー、虫よ偉くなったもんだな

おじゃま虫

 そんなつもりは全く御座いません。

 ただお聞きしたいだけで御座いますヨ

てんとう虫

 マアーいいか。

 「管蠡秘言(かんれいひげん)」はな、前野良沢が著した「冠礼」に関する書物さ

おじゃま虫

 そのとおりで御座います。素晴らしい

てんとう虫

 ついでに、「冠礼」とはな、「元服」のことさ

おじゃま虫

 そのとおりで御座います

てんとう虫

 更にな、この「管蠡秘言」のなかで前野良沢は、「陰陽五行説」を否定して、「四元説」

 を是としているんだ

おじゃま虫

 チョット待って下さい。

 「陰陽五行説」を否定して「四元説」を是としている、なんて初めてお聞きしましたで御

 座いますよ。

 どういうことで御座いますか。お聞かせ下さい

てんとう虫

 まあ待て。話してやるが、チョット待て

おじゃま虫

 なんで御座いますか?

てんとう虫

 チョット野暮用を済ませて来る

おじゃま虫

 やぼよォ~・・・・もしかして御不浄で御座いますかァー

てんとう虫

 ウルサーイ!・・・・チョット行ってくるから、待ってろ!

おじゃま虫

 ハイはい、お気おつけて、行ってらっしゃいませで御座います

 

     ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・