redbaby6450のブログ

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おじゃま虫

 十干十二支のそれぞれについてのミノ虫さんのお話し、とても興味深くお聞きしました。

ミノ虫

 ふㇺ、それは良かった

おじゃま虫

 ところで、三尸虫(さんしちゅう)の「庚申」参りは・・・・

ミノ虫

 ちょっと、十干十二支の話が長くなってしまったが、忘れているわけではないので心配し

 なくてよいのジャよ

おじゃま虫

 そうで御座いますか

ミノ虫

 では、話を進める前に少しお浚いをしておくかノ

おじゃま虫

 お願いしますで御座います

ミノ虫

 三尸虫は、古の中国の道教において唱えられた、体内にいるとされておる三匹の「虫」の

 ことで、「三尸虫」以外に「三彭(さんほう)」「伏尸(ふくし)」「尸虫(しちゅう)」

 「尸鬼(しき)」「尸彭(しほう)」などとも呼ばれておるのジャ

おじゃま虫

 いろいな呼び方をされている虫で御座いますね

ミノ虫

 そして、三匹の虫は、それぞれに「上尸」「中尸」「下尸」と呼ばれておる

おじゃま虫

 ジョウシにチュウシにゲシ・・・・

ミノ虫

 そうジャ。

 上尸は、彭踞(ほうきょ)・青服(せいふく)・青古(せいこ)・青姑(せいこ)・阿呵

 (あか)・蓋東(がいとう)などとも呼ばれておって、色は青または黒とされておる

おじゃま虫

 この上尸は、頭の中にいて、首から上の病を引き起こすんで御座いますよね

ミノ虫

 よく覚えておったのワヌシ。感心カンシン

おじゃま虫

 ありがとう御座います

ミノ虫 

 中尸は、白姑(はくこ)・白服(はくふく)・彭儨(ほうしつ)・彭侯(ほうこう)・作

 子(さくし)などと呼ばれておって、色は白や黄色に青とされておる

おじゃま虫

 この虫は、お腹の中にいて、臓器の病を引き起こすんで御座いますよね

ミノ虫

 そうジャ。

 下尸は、彭蹻(ほうきょう)・血姑(けつこ)・血尸(けつし)・赤口(しゃっこう)・

 委細(いさい)・蝦蟆(がま)などと呼ばれておって、色は白または黒とされておる

おじゃま虫

 この虫は、脚の中にいて、腰から下の病を引き起こすんで御座いますよね

ミノ虫

 その通りジャ。

 そして、この三匹の「三尸虫」は、寝ている間に体内から抜け出し、天帝にその宿主の罪

 悪を告げて、宿主の寿命を縮めると言われておる

おじゃま虫

 そこで「庚申」参りの登場で御座いますよね

ミノ虫

 そうジャ。ここで「庚申」参りジャ

おじゃま虫

 お願いします

ミノ虫

 三尸虫が、宿主が寝ている間にその体内から抜け出すのは、日が決まっておって

おじゃま虫

 日にちが決まっているんで御座いますね

ミノ虫

 そうジャ。この決まっている日が、60日に一度巡って来る「庚申」の日ジャ

おじゃま虫

 60日に一度巡って来る日・・・・

ミノ虫

 この「庚申」の日の夜に、眠らずにいて「三尸虫」が体内から抜け出さないように、徹夜

 で過ごすという風習が生まれたのジャ

おじゃま虫

 一睡もせずに、夜明かしをして過ごすのも、チョット辛いことで御座いますね

ミノ虫

 そうジャの。一人で寝ずに夜明かしをするのは辛いことジャ。

 そこでノ、人々が集まり一緒になって過ごす風習が生まれ、それが何時しか祈りを捧げる

 「庚申」参りとなったのジャよ

おじゃま虫

 そうなんで御座いますね。

 一人より、大勢の人達と一緒に過ごす方が、ソリャ―いいで御座いますよね

ミノ虫

 この風習を、「庚申待」ともいう

おじゃま虫

 コウシン・・・・マチ

ミノ虫

 庚申の日に、神仏を祀って徹夜でお参りをすることを言っておる

おじゃま虫

 なるほど・・・・

ミノ虫

 そこで、十干十二支ジャが

おじゃま虫

 そうで御座います。そこで御座います

ミノ虫

 十干と十二支を組み合わせると、60種類の組み合わせが生まれるのジャ

おじゃま虫

 60種類の組み合わせ・・・・

ミノ虫

 この組み合わせをノ「六十干支(ろくじっかんし)」と呼ぶのジャが、「甲子」から「癸

 亥」までの60種類があって、1番目から60番目の組み合わせまでいくと、また最初の

 組み合わせに戻る、というのがこの「六十干支」の考え方なのジャ

おじゃま虫

 60回で一回りして、また最初から始まるんで御座いますね

ミノ虫

 そのとおりジャ。

 そこで、「庚申」の日も、60日で一回巡って来るのジャよ

おじゃま虫

 なるほどォー! 分かりましたで御座います

ミノ虫

 この「六十干支」の考え方は、時間や日にちと12ヵ月などの時間の流れを表すときにも

 用いられておる

おじゃま虫

 ・・・・

ミノ虫

 この考え方の中で、広く人口に膾炙されておるのは「還暦」ジャの

おじゃま虫

 おォー! 「還暦」

ミノ虫

 生まれてから60年目の「還暦」

おじゃま虫

 まさに、60の組み合わせの巡り回りで御座いますねェー

ミノ虫

 そのとおりジャ

おじゃま虫

 なるほど・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おじゃま虫

 「卯」の次は、、「辰」で御座いますね。ミノ虫さん

ミノ虫

 そうジャの、「辰」の本来の字は「振」で、「ふるう」や「ととのう」の意味ジャ

おじゃま虫

 ととのう・・・・

ミノ虫

 地表を蔽う草木の形が整った状態を表しておるのジャよ

おじゃま虫

 乱れなくまとまった様子で御座いますね

ミノ虫

 次は「巳」ジャが、「巳」の本来の字は「已」で、「止む」の意味ジャ

おじゃま虫

 やむ・・・・

ミノ虫

 草木の成長が極限に至った状態を表しておるんジャ

おじゃま虫

 成長が止まったんで御座いますね

ミノ虫

 次の「午」は、本来の字は「忤」で、「つきあたる」や「さからう」の意味ジャよ

おじゃま虫

 突き合ったって逆らっちゃうんで御座いますかァー

ミノ虫

 草木が成長の極限に至って、そこを過ぎて衰えの兆しを見せ始めた状態を表しておる

おじゃま虫

 行き過ぎて、今度は衰え始めるんで御座いますね

ミノ虫

 次の「未」は、本来の字は「昧」で、「暗い」の意味ジャ

おじゃま虫

 くらい・・・・

ミノ虫

 草木が鬱蒼と生い茂り、辺りを暗く覆い隠す状態を表しておるのジャ

おじゃま虫

 鬱蒼と生い茂ってしまえば、ソリャ―辺りは薄暗くなってしまいますで御座います

ミノ虫

 また「説文解字」では、「味」とされておって、「あじ」の意味とされておるのジャ

おじゃま虫

 セツモンカイジ・・・・

ミノ虫

 古の中国の後漢の時代の儒学者「許慎(きょしん)」の作とされておる、最古の漢字辞典

 「説文解字」の中では、果実が熟して滋味を生じた状態とされておるんジャ

おじゃま虫

 果実が熟す・・・・それは美味しそうで御座いますね

ミノ虫

 次の「申」は、本来は「呻」の字で、「うめく」の意味ジャ

おじゃま虫

 ウメク・・・・

ミノ虫 

 今度は、果実が成熟して、固まっていく状態ジャよ

おじゃま虫

 さらに熟するんで御座いますね

ミノ虫

 そうジャのぅ。

 さて次の「酉」は、本来は糸偏に酋長の酋と書いて「ちぢむ」の意味の字ジャ

おじゃま虫

 チヂム・・・・

ミノ虫

 果実の成熟が極限に至った状態ジャよ

おじゃま虫

 過ぎたるは及ばざるがごとし、で御座いますね

ミノ虫

 何事も・・・・のぅ

 次の「戌」は、本来の字は「滅」で、「ほろぶ」の意味ジャ

おじゃま虫

 滅んでしまうので御座いますか

ミノ虫

 草木が、枯れる状態を表しておるんジャ

おじゃま虫

 枯れてしまう・・・・うら淋しい状態で御座いますねェー

ミノ虫

 そして最後の「亥」ジャが、これは「「閡」が本来の字で、「とざす」の意味ジャ

おじゃま虫

 トザス・・・・

ミノ虫

 草木の生命が、種子のの中に閉じ込められた状態を表しておるんジャよ

おじゃま虫

 なるほどォー、種の中に命を包み込み、閉じ込め「閉ざす」んで御座いますね

ミノ虫

 以上これが、「十二支」ジャよ

おじゃま虫

 様々な意味合いが、「十二支」には込められているんで御座いますねェ~

 

 ・・・・込められた意味が・・・・深ァーい

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おじゃま虫

 木星である「歳星」の鏡像の位置に誕生した仮想の星「太歳」・・・・

ミノ虫

 そうジャ、この「太歳」は、「歳星」が12年かけて西から東に巡る領域の「十二次」と

 同じ領域である「十二辰」を、やはり12年かけて東から西に巡るジャ

おじゃま虫

 まったく対照的な巡りで御座いますね

ミノ虫

 そうジャのぅ。

 この「太歳」の、「十二辰」を12年かけて東から西に巡る位置によって年を記録する方

 法が、「太歳紀年法」ジャ

おじゃま虫

 ミノ虫さん、ところで「十二支」は・・・・

ミノ虫

 大丈夫ジャよ。忘れておるわけではないから心配ない

おじゃま虫

 良かったで御座います

ミノ虫

 この「太歳紀年法」に使う「十二辰」の各々に、名称を付けたものが「十二支」ジャよ

おじゃま虫

 なるほど、「十二辰」に名称を付けたものが「十二支」なんで御座いますね

ミノ虫

 そうジャ。「十二辰」のそれぞれに与えられた名称が

おじゃま虫

 はい

ミノ虫

 「子」・「丑」・「寅」・「卯」・「辰」・「巳」・「午」・「未」・「申」・「酉」・

 「戌」・「亥」の十二の名前ジャよ

おじゃま虫

 シ・チュウ・イン・・・・

ミノ虫

 し・ちゅう・いん・ぼう・しん・し・ご・び・しん・ゆう・じゅつ・がい、ジャよ

おじゃま虫

 一度では、覚えきれませんで御座います

ミノ虫

 そうジャの。これは中国での読み方じゃからノ。

 日本での読み方が、「ね」・「うし」・「とら」・「う」・「たつ」・「み」・「うま」

 「ひつじ」・「さる」・「とり」・「いぬ」・「い」ジャよ

おじゃま虫

 おォー!ね・うし・とら。

 これなら、分かりますで御座います

ミノ虫

 これが「十二支」じジャ。「十二支」は、「地支」とも言う

おじゃま虫

 チシ・・・・

ミノ虫

 「地支」とはノ、古の中国において「日時」を計算したり、順序の「次序」を表すために

 使われる「文字計序符号」のことジャ

おじゃま虫

 ・・・・

ミノ虫

 まァー、これは置いておいて、「十二支」ジャがの

おじゃま虫

 はい

ミノ虫

 「子」は「孳」が、本来の字ジャが、これは「ふえる」という意味ジャ。

 これは、新しい生命が種子の中に萌し始める状態を表しておるのジャ

おじゃま虫

 新しい生命の芽生え・・・・一番初めに相応しい名称で御座いますね

ミノ虫

 そうジャのぅ。

 次の「丑」は「紐」が本来の字で、「ひも」「からむ」の意味を持っておるのジャ

おじゃま虫

 ヒモにカラム・・・・

ミノ虫

 芽が種子の中に生じたのだが、まだまだ伸びることが出来ない状態を表しておるのジャよ

おじゃま虫

 種子の中の状態なんで御座いますね

ミノ虫

 「寅」は「螾」が本来の字で、「うごく」の意味を持っておる

おじゃま虫

 動く・・・・

ミノ虫

 春が訪れて、草木が辺りに生ずる状態を表しておるのジャ

おじゃま虫

 春の訪れ・・・・なんだか、浮き浮きしますで御座いますね

ミノ虫

 「卯」は「冒」といわれとるのだが、「茂」が本来の字だと「史記」には記されているが

 意味は、「しげる」ジャ

おじゃま虫

 シゲル・・・・

ミノ虫

 草木が地表を蔽うようになる状態を表しておる

おじゃま虫

 春が訪れ、草木が地面を一面に蔽う・・・・なんだかキラキラしますねェ・・・・

 

 

 

 

おじゃま虫

 十干、チョット難しいお話しで御座いましたが、十二支も難しいんで御座いましょうか

ミノ虫

 そうジャのう、そんなこともないとは思うんジャがの

おじゃま虫

 そうで御座いますか

ミノ虫

 まァ、説明してみるかノ

おじゃま虫

 お願いしますで御座います

ミノ虫

 この「十二支(じゅうにし)」はノ、やはり古の古代中国で生まれたものでノ

おじゃま虫

 これもまた、古の中国で誕生したんで御座いますね

ミノ虫

 そうジャよ。この「十二支」の考え方が生まれた背景にはノ、木星が重要な役割を担って

 おるのジャ

おじゃま虫

 空の星の「木星」、で御座いますか

ミノ虫

 その「木星」ジャよ。

 木星はノ、太陽系の中で最大の惑星であるのでノ、夜空の中にあって目立ち、古の時代か

 ら人々に知られ観測されていたので、多くの文明の中にあって神話や信仰の対象とされて

 来たのジャよ

おじゃま虫

 神話に信仰の対象で御座いますかァ

ミノ虫

 この尊い星と考えられていた「木星」はノ

おじゃま虫

 はい

ミノ虫

 約12年で、天球上を西から東に1周するのジャ。

 ここでチョット前話が必要になるのジャが、古代中国の天文暦学において天球の分割法の

 一つに「十二次」というのがある

おじゃま虫

 ジュウニジ・・・・

ミノ虫

 漢数字の「十二」に、つぎの「次」と書いて「十二次」ジャが、この十二次はノ、天の赤

 道帯に沿って西から東に天球を十二等分したものジャ

おじゃま虫

 天球を十二等分・・・・

ミノ虫

 この十二次はノ、「星紀(せいき)」「玄枵(げんきょう)「娵訾(しゅし)「降婁(こ

 うろう)」「大梁(たいりょう)」「実沈(じっちん)」「鶉首(じゅんしゅ)」「鶉火

 (じゅんか)」「鶉尾(じゅんび)」「寿星(じゅせい)」「大火(たいか)」「析木(

 せきぼく)」、と呼ばれる十二の名前が付けられておるのジャよ

おじゃま虫

 いやいやァー、いずれも難しいお名前で御座いますねェー

ミノ虫

 そうジャのぅ、いつも使う言葉ではないからのぅ

おじゃま虫

 はい、そうで御座います

ミノ虫

 木星はノ、この十二次を一年に一つずつ進んで約12年で天球上を一周するのジャ

おじゃま虫

 一年に一つずつ進んで、12年で一周・・・・で御座いますかァー、長い時間の流れで御

 座いますねェ

ミノ虫

 そこで木星はノ、別名が歳の星と書いて「歳星」と呼ばれておるのジャ

おじゃま虫

 サイセイ・・・・

ミノ虫

 そうジャ、そしてのぅ、この歳星の動きから年を知るために出来上がったのが「歳星紀年

 法」と呼ばれる年法ジャ

おじゃま虫

 ほォー

ミノ虫

 歳星はノ、古の中国において重要な意味をも持つ「五星」の内の一つジャ

おじゃま虫

 古の・・・・ゴセイ・・・・

ミノ虫

 五星とはノ、木星の「歳星」・火星の「熒惑(けいこく)」・土星の「鎮星(ちんせい)」

 金星の「太白(たいはく)」・水星の「辰星(しんせい)」の五つジャよ

おじゃま虫

 これもまた難しいお名前で御座いますねェー

ミノ虫

 この「五星」の内の一つの「歳星」である「木星」はノ、太陽や月が天球上を東から西に巡

 るのとは逆方向の西から東に巡るのジャ

おじゃま虫

 太陽や月とは逆方向に、木星は巡るので御座いますね

ミノ虫

 そうジャ。ところでノ、木星の動きから出来上がった「十二次」は、古の中国における天球

 分割法の内の一つなだけであって、他にも天球の分割法があり、その中の一つに「十二辰」

 というものがあるのジャ

おじゃま虫

 ジュウ二シン・・・・

ミノ虫

 そうジャ。漢数字の「十二」にノ、時節や日柄を意味する「辰」という字を書いて「十二辰」

 と言う

おじゃま虫

 はい

ミノ虫

 この「十二辰」はノ、天球を天の赤道帯にそって東から西に十二等分する古代中国の天文暦法

 の天球分割法なのジャ

おじゃま虫

 これも天球分割法なので御座いますね

ミノ虫

 そうジャよ。

 この「十二辰」はノ、「十二次」と全くその領域を同じくしておるのジャ

おじゃま虫

 すごいィー! 二つは、全て同じなんで御座いますね

ミノ虫

 そうジャ。

 ところがノ、「十二次」と「十二辰」は、巡る方向が「西から東」と「東から西」と、全く逆

 方向なのジャ

おじゃま虫

 そうで御座いますヨ!

ミノ虫

 ところでノ、地球上に生活するもの達にとっては、太陽や月が天球上を動く「東から西」とい

 う動きの方が納得して受け入れやすい動きであったのジャ

おじゃま虫 

 そう言われますと、そうで御座いますね

ミノ虫

 この太陽などの巡る動きを「日周運動」というんジャがの

おじゃま虫

 はい

ミノ虫

 この「東から西」へと巡る動きは、地球上の方位と動きが一致するのジャ

おじゃま虫

 はい

ミノ虫

 そこでノ、古の中国の人々は、「十二辰」の方を用いる為に、歳星である木星と軌道上で真反

 対の位置に鏡像として存在するとする架空の星を創り出したのジャ

おじゃま虫

 木星と反対の位置にいる、架空の星・・・・

ミノ虫

 そうジャ。この架空の星を「太歳」というのジャ

おじゃま虫

 タイサイ・・・・

ミノ虫

 「太い」という字に、年の「歳」と書いて「太歳」と言う星ジャ。

 この「太歳」が、「十二支」の要をなす星ジャ

おじゃま虫

 要の星、「太歳」・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おじゃま虫

 五蟲のお話し、とても興味深いお話しで御座いました

ミノ虫

 フム、それは良かったノ

おじゃま虫

 お話しの中身に思わず引き込まれましたで御座います

ミノ虫

 蟲、といえばノ、こんな虫もおるのジャがノ

おじゃま虫

 どの様な「ムシ」で御座いますか

ミノ虫

 その虫はノ、三つの虫と書いて「三虫」という

おじゃま虫

 サンシ・・・・で御座いますか

ミノ虫

 そうジャ、「三虫」ジャ。

 「三尸虫(さんしちゅう)」ともいうものジャ

おじゃま虫

 いったい、どの様な虫で御座いますか

ミノ虫

 この虫はノ、古の中国の三大宗教といわれておる「儒教、仏教、道教」の内の一つである

 道教の中で説かれておる「虫」ジャ

おじゃま虫

 道教・・・・の説くムシ

ミノ虫

 そうジャ、老子の思想を根本として、庶民の土俗信仰などを収斂して自然発生的に形作ら

 れた宗教でノ、自然を尊重しつつ現世での幸福を希求するという宗教が道教で、その中で

 説かれておるのが「三尸虫」ジャ

おじゃま虫

 そのムシ、とても気になりますで御座います

ミノ虫

 この「三尸虫」とはノ、「上尸」「中尸」「下尸」の三虫ジャよ

おじゃま虫

 ジョウシ・・・・チュウシ・・・・カシ・・・・

ミノ虫

 そうジャ。「上尸」とはノ、頭の中に潜み、首から上の病を引き起こすと言われておる

おじゃま虫

 頭の中に潜むムシ、で御座いますか

ミノ虫

 「中尸」は、腹の中に潜み、臓器の病を引き起こす

おじゃま虫

 次のムシは、お腹の中にいるんで御座いますね

ミノ虫

 そして、「下尸」は、脚の中に潜み、腰から下の病を引き起こすと言われておる

おじゃま虫

 最後のムシは、脚にいるんで御座いますかァー

ミノ虫

 そうジャ

おじゃま虫

 それぞれに、病気を引き起こすムシとは、チョット恐ろしいムシで御座いますね

ミノ虫

 この「三尸虫」たちはノ、「庚申」の日の夜に寝ている間に体内から抜け出して、潜んで

 いたものの罪を天帝に密告する、といわれておるんジャ

おじゃま虫

 ナント、罪を密告で御座いますか

ミノ虫

 そうジャよ。密告されたものはノ、寿命が縮むといわれておる

おじゃま虫

 寿命が縮むんで御座いますかァー、それは大変で御座います

ミノ虫

 そこで、この「三尸虫」が抜け出さないように、「庚申」の日はノ、一晩中寝ずにお参り

 をする習慣が生まれたんジャよ

おじゃま虫

 一晩中お参りをするんで御座いますかァー、これは大変で御座いますね

ミノ虫

 このお参りを「庚申」参り、というんジャよ

おじゃま虫

 コウシン・・・・参り

ミノ虫

 「庚申」とはノ、暦の十干の「庚」と十二支の「申」の組み合わせの日のことジャ

おじゃま虫

 ジュカンのカノエ・・・・ジュウ二シのサル・・・・

ミノ虫

 十干とはノ、古代中国の「殷」の時代に生まれたとされておるんジャが、この時代はノ、

 10日を1旬と呼び一つの区切りとしておったのジャ

おじゃま虫

 はい

ミノ虫

 この10日ごとに繰り返される1旬に、それぞれの名前を付けたのが始まりとされておる

 のジャ

おじゃま虫

 名前を付けた・・・・

ミノ虫

 その名前は、「甲(きのえ)」「乙(きのと)」「丙(ひのえ)」「丁(ひのと)」「戊

 (つちのえ)」「己(つちのと)」「庚(かのえ)」「辛(かのと)」「壬(みずのえ)」

 「癸(みずのと)」の10の名前ジャよ

おじゃま虫

 チョット難しい、お名前で御座いますね

ミノ虫

 そうジャの、馴染みのないものばかりジャからな。

 この十干はノ、陰陽五行説との繋がりがあってノ

おじゃま虫

 ここで陰陽五行説で御座いますか

ミノ虫

 そうジャ、甲は「木」の兄、乙は「木」の弟、丙は「火」の兄、丁は「火」の弟、戊は「土」

 の兄、己は「土」の弟、庚は「金」」の兄、辛は「金」の弟、壬は「水」の兄、癸は「水」の

 弟、とそれぞれ呼ばれておる

おじゃま虫

 これはまた、複雑で御座いますねェ~・・・・一度では覚えきれませんで御座います

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                

 

 

おじゃま虫

 ミノ虫さん、鱗蟲・羽蟲・裸蟲に毛蟲と、五蟲の内の四つの蟲について教えて頂きました

 で御座いますが、あと一つは何で御座いますか

ミノ虫

 五蟲の内の最後はの

おじゃま虫

 はい

ミノ虫

 それはジャな、「介蟲」ジャよ

おじゃま虫

 カイ・・・・チュウ?

ミノ虫

 「介蟲」とはノ、甲羅や殻を身に纏う生き物のことジャ

おじゃま虫

 甲羅・・・・に殻

ミノ虫

 そうジャ、つまり亀に蟹に貝などの生き物たちジャな

おじゃま虫

 なるほど、🐢に🦀で御座いますかァー

ミノ虫

 この「介蟲」はノ、五行の思想でいうと「水」となるのジャ

おじゃま虫

 「水」で御座いますか

ミノ虫

 そうジャ。

 そして、この「介蟲」の長はノ

おじゃま虫

 はい。この生き物たちの親玉で御座いますネ

ミノ虫

 それはノ、霊獣の中でも話した「霊亀」なんジャよ

おじゃま虫

 あァー、「霊亀」で御座いますか

ミノ虫

 正に、甲羅を身に纏う「介蟲」の長に相応しいノ

おじゃま虫

 そのとおりで御座いますね

ミノ虫

 これで、「五行思想」に基づく「五蟲」の全てジャ

おじゃま虫

 はい。

 「火」が「羽蟲」、「木」が「鱗蟲」、「土」が「裸蟲」、「金」が「毛蟲」、「水」が

 「介蟲」で御座いますね

ミノ虫

 そうジャッたの。

 そして、それぞれの蟲たちが

おじゃま虫

 はい。

 「羽蟲」が羽を持つ生き物たちで鳥や飛行昆虫、「鱗蟲」が身に鱗を纏う生き物たちで魚

 や爬虫類、「裸蟲」が身に鱗も毛もなく皮膚が裸の生き物たちで人間にカエルにミミズや

 ナメクジなど、「毛蟲」が哺乳類、「介蟲」が甲羅や殻を持つ生き物たちで亀や蟹たちで

 御座います

ミノ虫

 そして、それらの蟲たちの、それぞれの長が

おじゃま虫

 はい。

 まず「羽蟲」の長が「鳳凰」、「鱗蟲」の長が「青龍」、「裸蟲」の長が「聖人」、「毛

 蟲」の長が「麒麟」そして「介蟲」の長が「霊亀」で御座います

ミノ虫

 その通りジャよ、ワヌシよく理解したノ

おじゃま虫

 恐れ入りますで御座います

ミノ虫

 ところで、この「五蟲」の考え方はノ

おじゃま虫

 はい

ミノ虫

 外観に現れた「かたち」からその性質を抽出して分類する、古代中国の東洋的思考から生

 まれたもので、西洋の思考から生まれた自然誌科学による分類とは全く異質なものである

 ことを、シッカリと心に留め置かなくてはならぬのジャ

おじゃま虫

 シゼンシカガク・・・・西洋の思考から生まれた思考とは・・・・?

ミノ虫

 自然誌科学とはノ、我々の身の回りにある自然そのものの多様性やその仕組み、更にはそ

 の生い立ちを自ら探求し解き明かそうとする立場から理解する学問ジャ

おじゃま虫

 ・・・・チョット難しので御座いますが

ミノ虫

 我々の身の回りの自然現象に対する知的好奇心が自然誌科学の原点でノ、我々の身の回り

 のその有様、つまり我々の暮らし向きの土台を明らかにする基礎研究をする学問ジャよ

おじゃま虫

 暮らし向きの土台を明らかにする学問・・・・とは、どの様な学問なで御座いましょうか

ミノ虫

 この自然誌科学にはノ、分類学、系統学、生態学、動物学、植物学、人類学、古生物学、

 地質学、鉱物学、進化学などなど多岐にわたる多くの学問の分野があるのジャ

おじゃま虫

 ホントウに様々な学問分野によって成り立つものなので御座いますねェー

ミノ虫

 奥深い学問ジャよ

おじゃま虫

 深い・・・・ホントウに

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おじゃま虫

 「聖人」と成るには、不断の精進が必要で、簡単なことではないので御座いますが、私も

 努力致しますで御座います。ミノ虫さん。

ミノ虫

 そうジャの、己も精進せねば・・・・

 さて、次に進もうかノ

おじゃま虫

 ハイ、お願いしますで御座います

ミノ虫

 次は「金」で、「毛蟲」ジャ

おじゃま虫

 ケムシ・・・・

ミノ虫

 そうジャ。「毛蟲」ジャが、今ワヌシが想像した「🐛」、ではないゾ

おじゃま虫

 えェー・・・・「🐛」では、ないんで御座いますか

ミノ虫

 そうジャ。ここでいう「毛蟲」はノ

おじゃま虫

 はい

ミノ虫

 「獣」のことジャ

おじゃま虫

 ケモノ・・・・

ミノ虫

 そうジャ。この「獣」とは、「哺乳類」のことジャよ

おじゃま虫

 ホニュウ・・・・

ミノ虫

 「哺乳類」とはノ、定義で言うと、脊椎動物で

おじゃま虫

 セキツイ・・・

ミノ虫

 脊椎とはノ、簡単にいうと「背骨」のことジャ

おじゃま虫

 あァ、背骨で御座いますか

ミノ虫

 「哺乳類」とはノ、背骨のある、温かい血で、胎生

おじゃま虫

 タイセイ・・・・

ミノ虫

 胎生とはノ、動物において、雌親が体内で卵を孵化させて、子は親から栄養をもらいなが

 ら成長して、その後子が体外に出るという生殖形態のことジャ

おじゃま虫

 それは、赤ちゃんがお腹に出来て、出産するということで御座いますね

ミノ虫

 まァ、そうジャ。

 では話を戻すが、背骨があり、温血で、胎生で、更に生まれてからは母乳で成長して肺で

 呼吸する、そして皮膚に毛を持つ生き物たちが、「哺乳類」ジャよ

おじゃま虫

 あァー、皮膚に毛があるところがミソで御座いますね

ミノ虫

 そうジャ、そこで「毛」蟲ジャよ

おじゃま虫

 なるほどォー

ミノ虫

 そして、この「毛蟲」の長が・・・・

おじゃま虫

 ・・・・何で御座いましょうか、長は

ミノ虫

 「麒麟」ジャ

おじゃま虫

 キリン、で御座いますかァー

ミノ虫

 またまた、違うぞ

おじゃま虫

 ・・・・違う・・・・エ!違うんで御座いますかァ

ミノ虫

 そうジャ、今ワヌシの頭に浮かんだ、首の長い🦒とは違う

おじゃま虫

 キリンは、🦒では御座いませんのですか

ミノ虫

 そうジャ、ここでの麒麟とはノ

おじゃま虫

 はい

ミノ虫

 古代中国の神話に登場する伝説上の「瑞獣」の内の一つである「麒麟」ジャ

おじゃま虫

 ズイ・・・・ジュウー・・・

ミノ虫

 「瑞獣」とはノ、物事の良い兆しとして現れるとされる特別な特異な特徴を持つ獣たちの

 ことジャ

おじゃま虫

 良い兆し・・・・

ミノ虫

 そうジャ、「瑞」という字はノ、お目出度いという意味を表した字でノ、「瑞獣」はとて

 も目出度い獣たちなのジャ

おじゃま虫

 なるほどォー

ミノ虫

 この「瑞獣」にはノ、四種類の霊妙な「瑞獣」がおるのジャ

おじゃま虫

 四種類・・・・四つの獣がいるんで御座いますね

ミノ虫

 そうジャ、この四瑞(しずい)はノ、「麒麟」と羽蟲の長の「鳳凰」、鱗蟲の長の「応龍」

 そして「霊亀」ジャ

おじゃま虫

 おォー! 「鳳凰」に「龍」が入っているんで御座いますね。

 ところで、「レイキ」とは・・・・

ミノ虫

 これはノ、体に宿って心の動きを司るとされておる「魂(たましい)」のことを表す字の

 「霊」という字に「亀(かめ)」と書いて「霊亀」ジャが、この亀はノ、背中の甲羅に伝

 説の山である蓬莱山を背負っているとされておる、不老不死に通じる獣じゃ

おじゃま虫

 スゴイ獣で御座いますねェー

ミノ虫

 そうジャ、凄くて目出度い霊獣ジャ

おじゃま虫

 凄すぎて、恐ろしい程で御座います

ミノ虫

 そうジャ、徒や疎かにしていいもの達ではないのジャ

おじゃま虫

 はい。心致しますで御座います

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おじゃま虫

 ウロコ蟲の長が龍、ハ蟲の長が鳳凰、なんともスケールの大きなことで御座いますネー

ミノ虫

 そうジャのー、さて次にいくとするかのォ

おじゃま虫

 お願いしますで御座います

ミノ虫

 次は「土」で、「裸蟲」ジャよ

おじゃま虫

 「はだか」の蟲、で御座いますか

ミノ虫

 そうジャ、鱗もなく羽もなく、皮膚が裸の生き物たちジャな

おじゃま虫

 なるほどォー・・・・真っ裸の生き物なんだァー

ミノ虫

 これは、カエルやナメクジにミミズなどジャな

おじゃま虫

 えェー! ナメクジにミミズ~、ちょっと~・・・・

ミノ虫

 そんなに嫌な顔をするでないゾ

おじゃま虫

 そうは仰いますがァー

ミノ虫

 まァー、待て。ここにはな

おじゃま虫

 ハイ

ミノ虫

 人間も入っておる

おじゃま虫

 えェー! 人間

ミノ虫

 そうジャよ、人間ジャ。

 ワヌシも「裸蟲」ジャな

おじゃま虫

 まァー、その様に言われれば、私達人間は鱗も羽もなく、肌は裸で御座いますねェ

ミノ虫

 そうジャろ。しかし、そんなに情けない顔をするでない

おじゃま虫

 そうは仰いますがァー・・・・

ミノ虫

 この「裸蟲」達の長はノ、「人間」ジャ

おじゃま虫

 「人間」が、長で御座いますか。

 チョット・・・・イイかも

ミノ虫

 ウん~・・・・一応は、「裸蟲」の親玉は「人間」となっておるんジャがな

おじゃま虫

 一応・・・・

ミノ虫

 「裸蟲」の真の長はノ

おじゃま虫

 真の長・・・・

ミノ虫

 そうジャ、真の長はノ、「人間」の中でも「聖人」なのジャよ

おじゃま虫

 ホントの長は、「聖人」で御座いますかァー

ミノ虫

 そうなんジャ。人間の中の「聖人」しか「真の長」にはなれのジャよ

おじゃま虫

 そうで御座いましょうね。

 私の様なものが、「人間」というだけで、「裸蟲」の「真の長」にはなれませんよねェー

ミノ虫

 イヤイヤそんなことはないゾ

おじゃま虫

 ・・・・そうで御座いましょうかァ

ミノ虫

 そうジャよ。日々正しく精進して生活し、己を磨き高める気持ちを持っておれば、いつか

 は「真の長」となることも夢ではないのジャ

おじゃま虫

 そうかァー

ミノ虫

 人間として、この世に生まれたからには、「裸蟲」の「真の長」に成るべく精進せねばノ

おじゃま虫

 そうで御座いますね。私も努力致します

ミノ虫

 皆、精進せねばノ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おじゃま虫

 ミノ虫さん、四声における天子聖哲の挿話、大変に面白くお聞きしましたで御座います

ミノ虫

 おうオゥ、それは良かったノ

おじゃま虫

 「蟲」に関しましては、いろいろと興味深いお話しがあるもので御座いますね

ミノ虫

 そうジャのゥ・・・・ところでな、「蟲」についてはノ、こんな話もあるんジャがな

おじゃま虫

 それは、どんなお話しで御座いますか

ミノ虫

 それはジャな、古代中国の「陰陽五行」の思想に基づいた考え方についての話しなんジャ

 がな

おじゃま虫

 「陰陽五行」の思想・・・・に基づく

ミノ虫

 そうジャよ、この世の森羅万象については、「木・火・土・金・水」の五つの「民用五材」

 から成り、この「五行」の関わりが成すことを解き明かすと、この世の全てが解明される

 とする「陰陽五行」説の思想に基づいた話しなんジャよ

おじゃま虫

 ふゥーむ・・・・詳しくお話し願いますで御座います

ミノ虫

 もう話してあるようにジャな、「蟲」は本来、生きとし生きるもの全ての生き物の総称で

 あり

おじゃま虫

 そうで御座いました

ミノ虫

 そして、この世の森羅万象は全て五つの「民用五材」から成るとする「五行説」

おじゃま虫

 はい

ミノ虫

 そこでジャの、この「五行説」に基づいて、全ての生き物の総称である「蟲」も、五つの

 「蟲」に分類されて説明されておるのジャよ

おじゃま虫

 「蟲」を、五つに分けるので御座いますかァー・・・・

ミノ虫

 そうジャ。全ての生き物を、五つの「蟲」に分けるのジャよ

おじゃま虫

 ・・・・

ミノ虫

 まずはの、「木(もく)」ジャが、これは「鱗」の蟲と書いて「鱗蟲」ジャ

おじゃま虫

 「ウロコ」の蟲、で御座いますか

ミノ虫

 そうジャ、これはノ、鱗を身に纏う生き物ジャよ

おじゃま虫

 身に鱗を纏う・・・・

ミノ虫

 そうジャ、魚や爬虫類などで、このもの達の長はノ

おじゃま虫

 オサ・・・・

ミノ虫

 そうジャ、仲間内の頭、最も優れた首長のことジャが、これは「龍」ジャ

おじゃま虫

 「リュウ」、で御座いますかァー

ミノ虫

 次はの、「火(か)」ジャが、こちらは「羽」の蟲で「羽蟲」ジャ

おじゃま虫

 こんどは「ハネ」の蟲、で御座いますね

ミノ虫

 これはノ、その身に羽を持つ生き物ジャ

おじゃま虫

 羽を持つ生き物

ミノ虫

 そうジャ、鳥やそこらを飛び回る飛行昆虫などジャな

おじゃま虫

 飛び回る昆虫に鳥・・・・

ミノ虫

 そしてこの「羽蟲」達の長は、「鳳凰」じジャよ

おじゃま虫

 おォー! 「ホウオウ」! スッゴーイ、カッコいいー

 「龍」に「鳳凰」! なんてカッコイイんだァー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おじゃま虫

 ミノ虫さん、やまと言葉の「むし」の意は、蒸し蒸しとジメジメした場所に自然に出現す

 る、得体の知れない小さな生き物たちの全般を指していて、この「蒸し蒸し」からこの様

 な小さな生き物たちを「むし」と呼ぶようになったんだという一説で御座いましたが、と

 ても面白かったで御座います

ミノ虫

 おォー、それは良かったノー

おじゃま虫

 そして、当初「虫」という字は呪術的概念を表す文字で、「蟲」の字は人間を含めた全て

 の生きとし生きるものの概念を表す文字だったというのも、とても有意義で御座いました

ミノ虫

 そうジャの、「キ」と読む「虫」と「チュウ」と読む「蟲」は、本来まったく違う概念を

 表す文字であったのジャ。

 ところで、この「蟲」については、古代中国の宋時代の北宋において、1039年に第4

 代皇帝仁宗の勅命によって、丁度らにより成された韻書の勅撰集である「集韻(しゅうい

 ん)」の中で面白いことが語られておるのジャよ

おじゃま虫

 ミノ虫さん、いろいろと分からない言葉が多いので御座いますが、チョットお聞きしてよ

 ろしいで御座いますか

ミノ虫

 おうオゥ、どの言葉ジャな

おじゃま虫

 先ずはで御座いますが、「ちょくめい」とは

ミノ虫

 「勅命」とはな、皇帝または日本においては天皇の御命令ということジャよ。

 「詔(みことのり)」などともいうのジャ

おじゃま虫

 次にで御座いますが、「いんしょ」とは

ミノ虫

 「韻書」とはの、漢字を韻によって分類した書物ジャよ

おじゃま虫

 「いん」とは、何で御座いますか

ミノ虫

 「韻」はの、「頭子音」ともいわれる「声母(せいぼ)」や半母音の「介音(かいおん)」

 などのことジャな

おじゃま虫

 「せいぼ」・・・・「かいおん」・・・・

ミノ虫

 同じ音、同じ響きを持つ言葉のことジャが、平たく言うと「母音」のことジャよ

おじゃま虫

 「ぼおん」・・・・

ミノ虫

 日本語でいえば、「あ・い・う・え・お」ジャな

おじゃま虫

 あァー、「あいうえお」。

 では、「ちょくせんしゅう」とは

ミノ虫

 皇帝の勅命により、指名された撰者が編集し成した書物のことジャよ

 日本でいえば、平安時代に醍醐天皇の勅命により編纂された「古今和歌集」ジャな

おじゃま虫

 なるほどー・・・・

 その勅撰集の「しゅういん」で御座いますが

ミノ虫

 「集韻」とはな、「四声」について著されている書物ジャ

おじゃま虫

 「しせい」・・・・とは

ミノ虫

 「平声」「上声」「去声」「入声」のことジャ

おじゃま虫

 「へいせい」「じょうせい」「きょせい」に「にゅうせい」・・・・

ミノ虫

 「集韻」はの、「平声」4巻・「上声」2巻・「去声」2巻・「入声」2巻の全10巻か

 ら成る書物なのジャが。

 これらの四つの声の「四声」とはの、古代中国における中国語の「声調」を四つに分類し

 たものジャ

おじゃま虫

 「せいちょう」、とは何で御座いますか

ミノ虫

 言葉の音節における調子、つまり音の高低差のことでジャよ。

 この声の音の高低差によって中国語を四つに分類した書物が「集韻」ジャ。

 この「平」「上」「去」「入」は、それぞれ内容を表し指し示すものではなく、ただそれ

 ぞれの声における代表的な文字なのジャ

おじゃま虫

 なるほどー

ミノ虫

 この「平・上・去・入」については、「天子聖哲」という面白いエピソードが伝えられて

 おるのジャがの

おじゃま虫

 「てんしせいてつ」・・・・

ミノ虫

 これはの、「天は平声」「子は上声」「聖は去声」「哲は入声」というものなんジャ

おじゃま虫

 はァ・・・・

ミノ虫

 これはの、紀元502年から557年まで存在した古代中国の梁王朝の時代の「梁書」と

 いう書物の中に書かれておるのジャが、梁の初代皇帝「武帝」が、時の学者で官僚であっ

 た周捨に「四声とは何か」と御下問したのジャ

おじゃま虫

 はァ・・・・

ミノ虫

 するとジャな、周捨はの、「天は平声、子は上声、聖は去声、哲は入声」と答えたのジャ

おじゃま虫

 ・・・・

ミノ虫

 これはジャの、当時の人々の話す言葉の声調は、その人の身分などによって自ずと決まっ

 ているということの意を答えたのジャよ

おじゃま虫

 身分により自ずと決まる・・・・で御座いますか

ミノ虫

 そうジャ。

 皇帝などの身分の高い高貴な人々の話す声調は「天声」、一般庶民が話す声調は「上声」

 宗教などに携わる人々が話す声調は「去声」、そして学者などが話す声調は「入声」であ

 る、と答えたのジャ

おじゃま虫

 なるほどォー

ミノ虫

 察するに、当時はとても厳しい身分社会であったであろうから、そこに暮らす人々は上か

 ら下までキッチリと身分によって区切られていて、当然の様にそれぞれの階層によって人

 々が話す言葉の声調は分れ区別されておったのジャろうて

おじゃま虫

 そうで御座いますねェ。

 厳しい社会現実で御座いますね。

 ・・・・格差のある身分社会は、嫌で御座いますねェ~

ミノ虫

 そうジャのォー・・・・