もやしもん 9巻 P.65

政府が悪い

農協が悪い

農家が悪いと

誰かに悪をなすりつけ

知る努力をもせず

求めるばかりの

消費者という名の

虚像が放つエゴが

真の悪だ


医療現場では
政府が悪い

病院が悪い

医者が悪いと

誰かに悪をなすりつけ

知る努力をもせず

求めるばかりの

患者という名の

虚像が放つエゴが

真の悪だ


もちろん、
消費者や患者に対し、偏った情報をたれ流し、煽り立てるマスコミが・・・・
たまたまTVをつけたら、
追跡!AtoZ【がん患者が注目!どうつきあう?代替療法】をやっていました。

親戚から300万円の借金をしながら、
一箱10万円もする“ガンに効く”お茶に、保険適応になっていない治療
さらに“もし良くなるのであれば高くない”と、160万円もする療法を検討しているなんて・・・。

明らかにドップリはまった被害者だと思うのですが・・・。
番組では“一般的な癌患者の悩み”のような扱いでした。

続いて
“ガンに効くとは決して言わないこと!と営業社員に徹底している”
という「アガリクス」を売る健康食品の販売会社の映像。
その後に被害例や悪徳業者手口などが続き、
あたかもこの販売会社は、良心的な業者であるかのような印象を与えたのではないでしょうか?

さらに
代替療法利用患者の6割は医師に相談していないという問題があるので、
主治医に加え精神科医が精神的ケアも行う施設のレポートの後、
山田邦子さんのコメント、
“不安を打ち明けられる医師がいればいいのだが、医師はとても忙しくて十分な時間を取ってもらえない。”
に対し、
鎌田キャスターがすかさず、
“やっぱり医者の責任は大きいってことなんでしょうかね?”
さらに
“代替療法に患者が行こうと思う背景に、医療の問題あるいは医師の姿勢ということもあるようですね?”
って、やっぱりそっちかい!!

結局、見終わっての印象は、
NHK報道姿勢に対し偏見があったからかもしれませんが・・・)
“代替療法は玉石混淆で、中には悪質な業者もいるので注意しましょう。”
と言っているようで、まるで、
“振り込め詐欺犯の中には、悪質な人もいるので注意しましょう。”
と言っているような番組でした。

唯一のプラスの情報は、孤軍奮闘していた東北大学大学院の坪野吉孝先生が
“通常の治療を止めてしまうのは是非避けていただきたい。”
と強調してくれたことだと思います。

そしてある程度の冷静さを保っている人なら、以下の点も理解されたかもしれません。

代替療法の利用で気をつけてほしいこと
1.体験談だけ:捏造の可能性もある。
        事実でも代替療法の効果とは言い切れない。
2.動物実験だけ:動物実験で効果があっても人間に効果があるとは限らない。
        (多くの場合、人間には効果がない。)
3.臨床試験:複数の検証データが必要


しかし、ネットを漂ったところ、すでに3.に関して
“人間のデータがあればOK!”的な記載をしているBlogもありました。

結局、以下の点が問題だと思います。

① マスコミによる医療バッシング報道の繰り返しにより、日本国民に医療不信が根深く浸透している。

② ワイドショウや健康バラエティーで“~が身体に良い!” “~すれば健康になる!”と無責任な情報を垂れ流した結果、病院よりも医師よりも、耳障りの良い代替医療の方が信用されるようになってしまった。

③ 医療崩壊が進み、医師には患者さんが満足するまで十分に説明する余裕がなくなっている。

④ マスコミの執拗な薬害報道により、必要以上に副作用を恐れるようになった。その結果、副作用のリスクと期待できる効果から選択すべきところ、「副作用は怖い」「副作用はあってはならないもの」と代替療法に走ってしまう。


現在、世界各国の製薬会社が、“新薬の基になる物質がないか?”と何千億円もかけながら血眼になって探しています。本当に可能性があれば全世界から殺到します。
そして本当に効果があれば、代替療法業者が荒稼ぎしている金額よりも、桁違いに巨額の利益が得られます。

以上を考えれば、代替医療がどのようなものか自ずとわかってくると思います。

奈良の妊婦死亡:遺族が控訴断念

奈良県大淀町立大淀病院で06年8月、同県五條市の高崎実香さん(当時32歳)が分娩(ぶんべん)中に意識不明となり、19病院に受け入れを断られた末に死亡した問題を巡る訴訟で、遺族側は15日、町と産科医に求めた賠償請求を棄却した今月1日の大阪地裁判決について、控訴しないことを決めた。

 大阪地裁判決などによると、分娩のため大淀病院に入院していた実香さんは、06年8月8日午前0時ごろ頭痛を訴え、間もなく意識不明となった。19病院に受け入れを断られ、午前5時47分、約60キロ離れた国立循環器病センター(大阪府吹田市)へ搬送。実香さんは長男奏太ちゃん(3)を出産したが、同月16日に死亡した。判決は「救命の可能性は極めて低かった」などとして、遺族側の請求を退けた。

毎日新聞 2010年3月15日 19時55分


毎日新聞 青木絵美記者による捏造記事を基に大騒ぎしたマスコミ。
奈良県南部の産科を崩壊させ、日本全国に医療不信を広めた、あの時の報道合戦に比べ、
無罪判決時の記事の小さいこと小さいこと・・・。
各マスコミが一斉に検証報道でもしない限り、一般市民には医療不信しか残らないだろう。

一連のマスコミによるトンデモ報道で、医療関係者および一般国民が受けた報道被害は計り知れないものがある。どこかのプロ市民がマスコミ相手に訴訟でも起こしてくれないだろうか?

そして、マスコミに煽られて被害者に祭り上げられてしまった遺族も被害者だと思う。
1)主文
 1.原告らの各請求は棄却する。
 2.訴訟費用は原告負担とする。

この訴訟費用と精神的苦痛の慰謝料を、
毎日新聞および青木絵美記者に請求して欲しい。
その時は、
私は大淀病院報道被害遺族を支持します。
「福島県立大野病院産科医逮捕事件」「杏林大病院割りばし死事件」に続き、「大淀町立大淀病院事件」も医師が無罪になり、今までさんざん医師を誹謗・中傷してきたマスコミも少しは反省するかと思えば、


ネットで医師暴走、医療被害者に暴言・中傷

 医療事故の被害者や支援者への個人攻撃、品位のない中傷、カルテの無断転載など、インターネット上で発信する医師たちの“暴走”が目立ち、遺族が精神的な二次被害を受ける例も相次いでいる。

 状況を憂慮した日本医師会(日医)の生命倫理懇談会(座長、高久史麿・日本医学会会長)は2月、こうしたネット上の加害行為を「専門職として不適切だ」と、強く戒める報告書をまとめた。

 ネット上の攻撃的発言は数年前から激しくなった。

 2006年に奈良県の妊婦が19病院に転院を断られた末、搬送先で死亡した問題では、カルテの内容が医師専用掲示板に勝手に書き込まれ、医師らの公開ブログにも転載された。警察が捜査を始めると、書いた医師が遺族に謝罪した。同じ掲示板に「脳出血を生じた母体も助かって当然、と思っている夫に妻を妊娠させる資格はない」と投稿した横浜市の医師は、侮辱罪で略式命令を受けた。

 同じ年に産婦人科医が逮捕された福島県立大野病院の出産事故(無罪確定)では、遺族の自宅を調べるよう呼びかける書き込みや、「2人目はだめだと言われていたのに産んだ」と亡くなった妊婦を非難する言葉が掲示板やブログに出た。

 この事故について冷静な検証を求める発言をした金沢大医学部の講師は、2ちゃんねる掲示板で「日本の全(すべ)ての医師の敵。日本中の医師からリンチを浴びながら生きて行くだろう。命を大事にしろよ」と脅迫され、医師専用掲示板では「こういう万年講師が掃きだめにいる」と書かれた。

 割りばしがのどに刺さって男児が死亡した事故では、診察した東京・杏林大病院の医師の無罪が08年に確定した後、「医療崩壊を招いた死神ファミリー」「被害者面して医師を恐喝、ついでに責任転嫁しようと騒いだ」などと両親を非難する書き込みが相次いだ。

 ほかにも、遺族らを「モンスター」「自称被害者のクレーマー」などと呼んだり、「責任をなすりつけた上で病院から金をせしめたいのかな」などと、おとしめる投稿は今も多い。

 誰でも書けるネット上の百科事典「ウィキペディア」では、市民団体の活動が、医療崩壊の原因の一つとして記述されている。

 奈良の遺族は「『産科医療を崩壊させた』という中傷も相次ぎ、深く傷ついた」、割りばし事故の母親は「発言することが恐ろしくなった」という。

 ◆日医警告「信頼損なう」◆


 日医の懇談会は「高度情報化社会における生命倫理」の報告書で、ネット上の言動について「特に医療被害者、家族、医療機関の内部告発者、政策に携わる公務員、報道記者などへの個人攻撃は、医師の社会的信頼を損なう」と強調した。

 匿名の掲示板でも、違法性があれば投稿者の情報は開示され、刑事・民事の責任を問われる、と安易な書き込みに注意を喚起。「専門職である医師は実名での情報発信が望ましい」とし、医師専用の掲示板は原則実名の運営に改めるべきだとした。ウィキペディアの記事の一方的書き換えも「荒らし」の一種だと断じ、公人でない個人の記事を作るのも慎むべきだとした。

 報告の内容は、日医が定めた「医師の職業倫理指針」に盛り込まれる可能性もある。その場合、違反すると再教育の対象になりうる。

(2010年3月6日18時16分 読売新聞)


匿名(本当に医師かどうかわからない)発言を取り上げ、さらなる医師バッシング。
本当に見苦しい。