雨。
昨夜、雨が降ったのですね。
外に出てわかりました。
雨は好きではありません。
ただ、雨が降ると若い頃のいろんな思いが甦るのです。
そして雨の中での迷言・珍言をも。
30年くらい昔の話。
とある日の深夜。
通いつけのラウンジ「友」を出た職場の上司にお店の娘、僕の三人。
「結構降ってきたなぁ。」と上司のK苅係長。
「そうですね。タクシー拾います?」と僕が答える。
確かに寒い冬だった。
丁度ボーナスが出てホクホクの僕ら。
毎夜毎夜石橋の飲み屋街を朝まで徘徊したものです。
その日は寒い雨降りの夜だった。
「友」を出た僕らは「北斗星」へと向かいます。
僕はTシャツ1枚で腰をかがめながらK苅さんの後ろを歩く。
もはやTシャツはおろかパンツまでビチャビチャでした。
「おい、にゃー。」
「はい。」
「何しとんねん!」
「いえ、革ジャンが濡れると嫌なので。」
僕は買ったばかりの革ジャンを小さく丸めてお腹の辺りに抱えます。
出来るだけ雨に濡れないように。
「風邪ひくぞ!」
「いえ、それは構いません。僕が風邪を引いてもいずれ治ります。」
「でも、革ジャンは濡れるとあとが大変ですから。」
一緒にいたせっちゃんが笑います。
そして上司の助言を無視してずぶ濡れで後に続く。
お陰様で革ジャンは無事。
ほとんど濡れていない。
何せボーナス直前に無理して買った鹿革の革ジャン。
タカキューのブランド、その名も「ロバートコムストック」です。
今でもタカキューで取り扱っていると思います。
僕の生涯で買った、いちばん高価な衣料品となりました。
当時の金額でキッカリ15万円。
AVIREXのB 3よりも高かったのです。
革ジャンは守り抜いたものの、「北斗星」のソファは僕の滴でやはりボトボトに。
本当に困った野郎です。
そしてその大切な、僕が身を挺して守り抜いた鹿革の革ジャン。
10月1日の片付けで処分されてしまいました。
実に30年間も僕の相棒として守ってくれたのでした。
勿体無いな。
でも、仕方がない。
今回の断捨離には思いっきりの覚悟が必要だったのです。
しかし。
もう二度と生涯買うことはないでしょう。
もはや僕は再生皮革の安い革ジャンしか買えない境遇となりましたから。
でも、まだまだ諦めませんよ。
必ず頑張って再起します。
さてと。今日も大忙し。
でも、夜に少しだけ幸せタイムが待っている。
バタバタと気持ちだけが先走りして、ヘマばかりの僕だけれども。
とにかく「ご安全に!」と。
細心の注意を払うのでした。
心の隙。
しっかりと自問自答し、足元を見つめながら。
風水本曰くの「魔」を寄せ付けないように気持ちを引き締めて年末年始を乗り越えたい。
では。
みなさまもよき日でありますように。