七瀬三部作。
一作目の「家族八景」には中3の時に出会い、新潮社のハードカバーで読みました。
テレパス。
人の心を読める能力。
私は神通力を信じます。
小学5年の時、隣のクラスにスプーンを念力で曲げる男の子がいました。
実際に教室でも多くのクラスメイトの前でやって見せ、神戸新聞にも掲載されました。
曲げたスプーンを見せてもらいました。
本当にねり飴のように伸びてちぎれていました。
少し一本気な男らしい子だったので、恐らく何か思うところがあったのでしょう。
数日後、能力は自らの意志によって封印しました。
二度と皆に開陳することはありませんでした。
七瀬ふたたびは、三部作の二作目。
そしてエディプスの恋人に続きます。
中学の多感な時に原作を読み、恥ずかし乍ら小説の中の火田七瀬に恋をしました。
テレパスという存在が世の中にいて、いつ心を読まれても、胸を張って目を見つめることができる。
そんな人間になりたいと、いつも思って生きてきました。
あのサイコキネシスを使う黒人男性のように。
しかし、世の男性は、列車事故を予知した青年のように、いろんな雑念を持っているものなのです。
彼は死ぬまで恥じ続けた。
男ならば、普通の感情なのに。
数年後、NHKでテレビドラマ化されました。
その時の七瀬は多岐川裕美さん。
何だかイメージと違うなと、少しがっかりした記憶があります。
もちろん多岐川裕美さんがとてもお美しい方であることには違いはないのですが。
リメイク版は結果がわかってしまっている。
そんな気持ちで観たけれど…。
未来は変えられる。
そう思わせてくれる、素敵な作品になっていました。
映像的には陳腐なCGとか、予算の使い所に疑問を感じないでもなかったですが、七瀬シリーズファンとして、次に繋いで欲しいと希望を持てる作品に仕上がっていました。
どんどん新しいコンテンツが発信される中で、40年以上も昔の原作が何度も繰り返し映像化されて世に出ることに、何だか感動してしまいますね。
本作では、一人だけ人間的な刑事さんがいて、嬉しかったです。