報文紹介「樹幹内の金属元素の分布」

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 ミネラル添加剤について検討している中、新たな木材中の金属元素のデータを見つけたので、まとめてみた。

 その報文は以下のとおり。

 題名:数種の金属元素の樹幹内分布
 雑誌:木材学会誌,Vol.32,No.10,pp.833-841
 著者:種田健造,太田路一,長島征哉
 年代:1986

 以前にも木材中の金属含量について記録している。

 そこでは、樹種としてはブナ、ミズナラ、スギ、カラマツおよびアカマツのデータで、測定方法は電荷粒子励起X線(PIXE, Particle induced X-ray Emission Method)法であった。

 今回のは、樹種としてはクリ、オオヤマザクラ、ハリギリ、スギおよびヒノキアスナロのデータで、測定法はオーソドックスな原子吸光法。

 また、木の内部は以下のように、心材と辺材に分け、またその境界についてのデータも取得されている。

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 心材は、樹木の内部であり、生命活動が停止している部分である。

 辺材は、水分や養分などを輸送している生きている部分となる。

 ここでは、心材と辺材、そしてその境界部分で金属元素の濃度が異なっており、それぞれの濃度を示したものである。

 クワガタで利用するのは、心材の部分なのであろうか?

 では、ここで紹介されたデータは、以下のとおり。

(広葉樹)
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(針葉樹)
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 なお、Av.が複数測定データの平均値、H/Lが複数測定データの最大と最低値の商。

 ここでのデータも総集編へ追加することした。

 数値ばかりでは分かりにくいかも知れないので、いずれはもう少し表示方法を工夫する必要があるかも知れない。