報文紹介「プラスチックの気体透過性」
この話の発端は、オフ会・第一回関西オオクワ研究会（オフ会：http://blogs.yahoo.co.jp/kotaro168/8769278.html）で、hamashinさんの終り際での一言から始まった。「知り合いの話だと、ペットボトルは酸素を透過すると聞いたことがあり、プラスチック製の菌糸瓶も、酸素を透過するのではないかと思う」という内容だった。
偶然ながら私は、その一ヶ月前にたまたま科学雑誌の中で、ペットボトルに入ったお茶の品質維持のために、酸素がボトルへ透過しないように、ボトルには多層コーティングが施され、酸素が透過しにくいような層が間に挟みこまれている内容を目にしていた
（なぜそんなものを読んでいるの？の突っ込みはなしで（笑））。
そこで、この内容を説明しつつ、そこから菌糸瓶の材質として、ガラスとプラスチックのメリットやデメリットへの会話へと進行した。
常にいろんな側面から、オオクワ飼育のことを考えているhamashinさんに感心させられたため、この情報は敢えて、ブログでは公開していなかった。
しかし、ここ最近、別の方のブログでも、似たような議論がなされ出し、そろそろ公開時かと思い、より詳細な情報が盛り込まれている報文について、ここで紹介することにした。
その報文は下記のもの。
題名：プラスチック材料の各動特性の試験法と評価結果＜5＞
雑誌：プラスチックス、Vol.51、No.6、pp.119-127
著者：安田 武夫
年代：2000
プラスチックは、酸素、二酸化炭素、水などの透過性を踏まえ、それに応じた用途で、いろんな容器が製造されているようだ。
そのため、透過性は非常に重要な性能であるため、測定方法はJIS規格等にも規定されている。
例えば、JIS K7126（プラスチックフィルム及びシートの気体透過度測定方法）がある。
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測定方法についての説明は省略させて頂き、結果として気体透過性は、常温常圧において、一定面積を一定時間内に通過する気体の重量（g / m2 / 24h）等をもって表される。
そして、水分の気体透過性は、透湿性とも呼ばれている。
そこで図１として、酸素、二酸化炭素の気体透過性、図２として、透湿性の情報を掲載する。
また、菌糸瓶に使用されていそうな以下の素材については、図中では黄色のマーカーをつけてみた。
PET：ポリエチレンテレフタレート
PE：ポリエチレン
PP：ポリプロピレン
では、まずは酸素と二酸化炭素の透過性のデータ
（図１ 酸素・二酸化炭素の透過度データ）
これより、黄色マーカーで示したメジャーな3者で比較すると、PPが最も透過性が高く、PE、PETと続く。
また、温度が上昇すると、透過性も上昇するようだ。
次に、透湿性のデータ
（図２ 透湿性データ）
概略的には、酸素・二酸化炭素透過性の小さい材料は、透湿度が高く、また逆に酸素・二酸化炭素透過性の大きな材料は、透湿度が低い傾向がある。
この報文には、他にもいろいろとデータはあるものの、クワガタ飼育に直接的に関係するのは、上記の二つと思われるので、これくらいの紹介に留めさせて頂く。
この結果を踏まえ、現在、使用しているプラスチックの素材を確認し、その特製をおさらいするのも面白いかも知れない。
なお、菌糸瓶の中では菌糸の活性により、酸素が消費され、二酸化炭素が発生する。
そのため、これらを着目すると、PP、PEの素材の方が、二酸化炭素の放出、酸素の取り込みに有利である。
一方、菌糸の活性により、水分が発生する。
これを着目すると、PETの素材の方が、水分の放出に有利である。
したがい、何を目的にするかによって、容器の素材を変えていく必要がありそうだ。
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本日のマンホールは、下記もの。
レルさんからご提供頂いた。
画像のご提供は非常にありがたいことである。
【京田辺市】
ヒラドツツジ（市の花）
市章入り
消火栓
【茂原市】
ツツジ（市の花）
プレート
【深谷市】
人が大勢でジャンプしている姿
市章入り
防火水槽
消火栓、チューリップ（市の花）
消火栓
これらのマンホールも、マンホールギャラリーのブログ（下記リンク）に追加させて頂きます。
皆さんからの、さらなる応募も待っています。マンホール画像の送付先のアドレスは、上記マンホールギャラリーのアドレスをクリックすれば掲載されております。
（最近、画像が溜まっており、頂いた画像の掲載が遅れております。申し訳ございません。）
今回のプチ企画賞品：チョコレートスイーツ