報文紹介「森の危険な生物シリーズその4:イノシシ」

雑誌「森林科学」に掲載されていた「森の危険な生物たちのシリーズ」は14回に分けて報告されている。
 
 その中から過去には、スズメバチ類、マダニ類および毒蛇類を紹介しており、このイノシシで第四弾となる。また、第五弾としてヤマビルの紹介で最後の予定である。
 
  
私は、イノシシによる被害は受けていないものの、夜のクワガタ採集で山に入ると、このイノシシに出くわすことが何度もあり、また昼間はイノシシが掘ったと思われる穴をしばしば見かけることがあった。
 
 イノシシは、突進してくるイメージがあるので、初めて出くわした際には、肝を冷やした。
 
 山では、イノシシの他にも、シカやサルに遭遇することがあった。
 
 遭遇はしてはいないが、危険な哺乳類としては、クマも挙がるだろう。
 
 しかし、シカ、サル、クマはこのシリーズでは報告されておらず、また、F師匠の談によると林で遭遇する危険な哺乳類は、ヒトと伺っているが、このヒトについても、このシリーズでの報告はない。
 
 そこで哺乳類を代表して、このイノシシを紹介することにする。
 
   題名:森の危険な生物たち13-イノシシ―生態と感染症から見た安全な付き合い方―
   著者:仲谷淳、宇仁茂彦
   雑誌:森林科学、57(10)、pp.27-30
   年代:2009年
 
  
なお、この報文は、タイトルの通り、感染症について、かなり紙面を割いている。
 
この感染症の多くは、生肉や肝臓を食した場合や、食用としてイノシシを裁く際に体表面に付いたマダニに関連するものであり、クワガタ採集に遭遇するイノシシの危険とは関係のないことが多い。
 
 そこで、これについての詳細な説明は省略するが、イノシシの肉は、火を通して食べた方がよいようだ。
 まあ、猪が家畜化されて生まれた豚も、火を通す必要があるので、同じようなことであろう。
 
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 さて、まずはイノシシに関する特徴を箇条書きで示す。
 
・足が短いので、雪が苦手で豪雪地域にはイノシシは生息しない
 
・ニホンイノシシの体重は100kgで、ずんぐりした弾丸型の体型、疾走すると時速40kmを超える
 
・しかし、肉食獣に襲われたり、ヒトから逃げるとき以外には、滅多に走らない
 
・性格は、むしろ温和である
 
・社会構造としては、基本は単独型であるが、雌は普通その年に生まれた子と一緒に行動する
 
・イノシシは、基本的にはヒトを避けていることが多く、夜行性であるため(返って、クワガタ採集者にとっては遭遇する可能性が高くなる)、出くわすことは少ない
 
・里山の荒廃により、最近は、イノシシは里山に降りてきている
 
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次は、イノシシに遭遇した場合の対処
 
・普通は人を襲わず、イノシシから逃げていくが、次の場合には注意が必要
   イノシシが手負いになっている場合
   猟犬などに追われている場合
   冬の発情期で、雄が興奮している場合
  イノシシのたてがみを逆立て、歯をカツカツと鳴らして威嚇して近づいた場合
 
・体表に縞模様のある子ども(うり坊)に出会った場合には、近くに母親がいるので、近づいたり、追いかけたりしない
 
・犬を連れていると、犬の大小に関わらず、猟犬と思い込み、襲ってくる場合があるので、犬を放して逃がしてやる
 
・イノシシが興奮している場合には、背を向けたり、急に走ったりしてはいけない。また、石を投げたり、棒を振り回したりしない
 
・イノシシと向かい合ったままで、ゆっくりと後退し、速やかにその場を立ち去る
 
・万一に備えて、登れる木や、隠れる木を探すなど、周囲を見渡す心の余裕も大事
 
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最後に、イノシシに襲われた場合
 
・イノシシに咬まれた場合には、多くは内出血を起こす。ただし、犬歯(牙)は後ろに反っているため、相手を襲うにはあまり効果はない
 
・むしろ、脇を通り過ぎる時に、首を後ろに振って、牙で引っ掛けることがあるので注意が必要
 
 以上が本題である。
 
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  本日のマンホールは、福岡県飯塚市。
 これは、daizuさんから、ご提供頂いた。
 なお、福岡県からは、これが初めてとなる。
 
 画像のご提供は非常にありがたいことである。
 
  さて、ここで紹介するマンホールは、下記のdaizuさんのブログでも紹介されている。
 

 
 マンホールはこれら。
 
イメージ 3 イメージ 4
(市の花であるコスモス。左のは単色版?何となく、花に黄色が見える。右はフルカラー版)
 
イメージ 5 イメージ 6
 (左がマンホール中、右がマンホール小。サイズが小さくなるにつれ、デザインが簡略化されている)
 
 これらのマンホールも、マンホールギャラリーのブログ(下記リンク)に追加させて頂きます。
 
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