声の赤魔道士「RED777」のブログ

声の赤魔道士「RED777」のブログ

歌は魔法。
人の心を音に変えて人に感動を届ける誰もが使える素晴らしい力。
カラオケDAMの世界からやってきた声の赤魔道士「RED777」のブログ。
趣味のカラオケに関する行動履歴がほとんどかな(^^;)
DAMともの方でこれ見かけたら、お気軽にコメント下さいね。

DAMともの皆様、わざわざこちらのアメーバの世界に探しに来て下さってありがとうございます。
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赤魔道士「RED777」の冒険の書 
…実際にカラオケへ行った時の話。

DAM★とも REDの魔導書「知の章」…DAMとも・カラオケに関連する知識・コツなどの話。

現実世界のRED …カラオケ以外の私の話。

となってます。

DAMともサイトでコミュニケーションツールがなくお話しできない分、ここでお話しできればと思って書いてます
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その日のブログ話題に関係ないことでも全然OKです。
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あと、声の赤魔道士RED777のことについてはREDの系譜 を見てね。(H26.11.09現在)


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カラオケ禁止されてからDAMとも世界の赤魔道士REDは魔法使えず沈黙せざるを得ないので、想像者の私が音楽談義してるだけに😅


今回はそのXでポスト分割で長々になってる

ちょっと曲してる人向けなマニアックなのを

書いた備忘録です😅


【音楽の「重力」について】


人間って、音楽を聴くときに、ただ音を受け取っているわけじゃないんですよね。


どれだけ複雑なポリリズムやシンコペーション(本来の拍とは違う位置にアクセントを置く技法)が鳴っていても、脳はその混沌の奥にある「たったひとつの重力」を探し続けている。


音響心理学(音と人間の知覚の関係を研究する学問)的に言えば、脳は音の規則性を見つけ、次に何が来るかを予測しながら聴いています。


完全な無秩序を、そのまま処理するのは難しい。


だから脳は、音楽の中に基準拍(時間を測るための心の物差し)を勝手に作って、「ここが1拍目だ」「ここへ戻ればいい」と、鳴っている音を整理しようとする。


僕は、音楽を作るって、この脳の本能と対話することだと思うんですよね。


キックやベースが作る、強くて動かない中心軸がある。


その軸があるからこそ、歌やギターやシンセがどれだけ不安定に揺れても、聴き手はそれを「心地よい揺らぎ」として楽しめる。


逆に、すべての音が同じ強さで、同じ場所から、同じ密度で鳴っていたら、脳はどこを基準にすればいいのか分からなくなる。


だからグルーヴって、単にリズムが正確なことじゃない。


脳が「重力はどこだ」と手を伸ばした瞬間に、作り手が用意した一音で答えを返すこと。


その脳と音の衝突が、鳥肌の立つような快感になるんだと思います。



DTMでこの「重力」を作るとき、重要なのは、音を足すことよりも、どこで消すかなんですよね。


例えばサビ前で、キックもベースも低域も一瞬だけ全部消す。


それまで一定のパルスを追っていた脳は、突然地面を失って、「次はどこに着地するんだ」と猛烈に重力を探し始める。


その渇望が頂点に達した瞬間、キックとベースを叩き込む。


すると、実際の音量以上の衝撃として聴こえる。


サイドチェイン(キックなどをきっかけに、別の音量を一時的に下げる処理)も、単なる音量調整じゃないんですよ。


キックが鳴る瞬間だけベースやシンセを沈ませ、その直後に音を戻す。


脳から一瞬だけ重力を奪って、次の瞬間に返している。


だから身体が勝手に揺れる。


定位(音を左右のどこに置くか)も同じです。


キック、ベース、メインボーカルは中央へ置いて、不動の柱にする。


その周囲で、ハイハットやパーカッション、シンセを左右へ散らす。


脳の意識は外側へ引っ張られるけれど、最後には必ず中心へ戻される。


この「引き裂かれて、帰ってくる」運動が、立体的なグルーヴを生む。


EQ(周波数の調整)だって、ただ音を綺麗にする処理じゃない。


高域の鋭いアタックで脳に拍の位置を知らせ、その直後に低域の塊を押し寄せさせる。


つまり作っているのは音色だけじゃない。


「どの瞬間を重いと感じさせるか」という、聴き手の時間知覚そのものなんですよね。




そして、高速BPMのボカロ曲で一番面白いのが、日本語そのものの時間設計です。


日本語は基本的に「子音+母音」でできています。


例えば「せ」なら、最初に高域の摩擦音「S」が鳴って、そのあとに母音「e」のエネルギーが来る。


でもBPM180では、16分音符は約83ミリ秒しかない。


そこで子音から母音まで20ミリ秒ずれただけでも、歌全体が後ろへ転んで、もっさり聴こえることがある。


だから調声では、子音をグリッドより少し前へ出して、母音の立ち上がりを拍の中心へ置く。


VEL(子音の長さや速さを調整するパラメータ)やOPE(口の開き方や母音の明るさを調整するパラメータ)も、単なる表情付けではなく、言葉の重心を制御する道具なんです。


さらに日本語には、「っ」と「ん」がある。


「っ」は音ではなく、空白です。


だけど、その無音があるからこそ、直後の音が強烈に立ち上がる。


ボーカルだけでなく、シンセやリバーブまで一瞬切れば、脳は完全に地面を失う。


そして直後のキックや母音を、絶対的な重力として受け取る。


一方の「ん」は、高域が減って中低域が残る。


そこへベースを滑らかに受け渡せば、言葉と楽器の境界が消えて、歌詞そのものがリズムになる。


結局、作曲や編曲って、音をたくさん並べる仕事じゃないんですよ。


言葉、無音、周波数、定位、ミリ秒。


その全部を使って、人間の脳の中に見えない重力を設計する仕事なんだと思います。


脳が予測した場所へ着地させるのか。


ほんの少しだけ裏切って、さらに大きな快感へ連れていくのか。


その選択の積み重ねが、僕たちの言う「グルーヴ」なんじゃないでしょうか。



☆音楽の「重力」についての実践編
【サイドチェインという重力設計】


ここからは実際のDTMでの話。

もちろん曲や音源、コンプレッサーの種類によって最適解は変わるんですけど、一つの考え方として紹介します。

例えばBPM128前後なら、キックとベースのサイドチェインは、

・Attack:0.1〜1ms・Release:40〜60ms・Ratio:8:1〜10:1・Threshold:-20〜-30dB

くらいから試すことがあります。

狙いは「音量を揺らす」ことじゃない。

キックが鳴った瞬間だけベースを完全に引っ込めて、脳の重力を一点へ集中させること。

そして40〜60msほどかけてベースを戻すことで、「キックの重力」から「ベースの重力」へ自然に受け渡していく。

サイドチェインはエフェクトじゃなく、人間の時間知覚を設計する道具なんですよね。


【定位とEQ】


次は空間設計。


僕なら、


・Kick:Center

・Bass:Center

・Lead Vocal:Center


ここは絶対に動かさない柱にします。


逆に、


・Hi-Hat:L30〜R40

・Shaker:R60前後

・Arpやシンセ:L70〜R70


くらい大胆に振ることもあります。


脳は左右へ引っ張られるけど、最後はセンターへ戻ってくる。


この往復運動が立体的なグルーヴになる。


EQも同じ。


例えばアタックになるクリック成分を2〜5kHz付近で少し見せて、超低域(40〜80Hz)は少し遅れて感じさせるように作る。


耳は高域でタイミングを判断し、身体は低域で重さを感じる。


つまりEQは音色だけじゃなく、「時間の重さ」までデザインできるツールなんです。


【高速BPMのサイドチェイン】


BPM180まで上がると話はさらにシビアになります。


16分音符は約83ms。


この中でキックとベースが完全に重なると、脳は重力の中心を見失いやすい。


だから一例ですが、


・Attack:0〜0.1ms

・Release:20〜35ms

・Ratio:10:1〜∞

・Threshold:-25〜-35dB


くらいまで深く掛けることもあります。


キックの「点」を脳へ刻み、その直後20〜35msくらいでベースという「面」が押し寄せる。


音量は減っているのに、なぜか重く感じる。


実際に変わっているのは音量ではなく、脳が感じる重力のタイミングなんですよね。


【日本語とボカロ調声】


高速ボカロ曲では、日本語そのものも打楽器になります。


例えばBPM180。


16分音符は約83msしかありません。


「せ(Se)」なら、最初の「S」は摩擦音で、本当のエネルギーは後ろの母音「e」にあります。


この差は15〜30ms程度になることもある。


だから母音が拍の中心へ来るように、子音をほんの少し前へ送るような調整をすることがあります。


さらにVOCALOIDなら、


・VEL:90〜110(子音を短く)

・OPE:重力点だけ100〜127付近まで上げ、その後70前後へ戻す


といった考え方もあります。


もちろん声種やエンジンによって最適値は変わります。


でも、大切なのは数値そのものじゃない。


「脳が拍をどこで感じるか」を逆算して調声すること。


僕はそこが、高速ボカロ調声の一番面白いところだと思っています。


予測誤差という、脳が一番気持ちいい瞬間】


ここまで「脳は重力を探している」という話をしてきました。


でも、もう一歩だけ踏み込むと、脳が本当にやっていることは「重力探し」ではなく、「未来予測」なんですよね。


認知科学では「予測処理(Predictive Processing)」という考え方があります。


脳は外から入ってきた情報を受け身で処理しているんじゃなく、「次はこう来るはずだ」という予測を常に立て続けていて、実際とのズレ(予測誤差)を修正しながら世界を認識している。


音楽もまったく同じ。


だから「グルーヴはズレだ」と言われることがありますけど、僕は少し違うと思っています。


ズレそのものが気持ちいいんじゃない。


予測した位置から、ほんの少しだけ裏切られることが気持ちいい。


全部ジャストなら、脳は「予測どおりだった」で終わる。


全部後ろなら、ただ遅れて聴こえる。


全部前なら、焦っているように感じる。


でも、予測を崩壊させない程度に、数ミリ秒だけ期待を裏切る。


その瞬間、脳は「あっ」と反応して、世界をもう一度更新する。


この「予測誤差」が、小さすぎても退屈、大きすぎても混乱。


ちょうどいい誤差だけが、鳥肌になる。


だから作曲って、メロディを書く仕事でも、コードを並べる仕事でもない。


聴き手の脳内にある未来予測をデザインする仕事なんです。


サビ前で全部止めるのも、転調するのも、シンコペーションを入れるのも、4小節目だけコードを変えるのも、全部この「予測」と「更新」のためにある。


僕らが作っているのは音じゃない。


聴き手の脳が、次の一音をどんな顔で待っているか。


その期待を設計することなんですよね。


だから、最高の音楽っていうのは「予想外」なんじゃない。


「予想していたのに、予想できなかった」


その矛盾した一瞬を作ること。


そこにしか、本当のグルーヴも、感動も、生まれないんじゃないかなって思っています。


で、この「音の重力と未来予測」の話、
この「予測誤差」と「重力設計」を、超高速BPM(180〜200)のボカロシーンで極限まで突き詰め、僕たちの脳を完全にハッキングした僕のかつてのボカロ曲のアプローチについて、もう少し深掘りさせてくださいね。

この系統の音楽って、脳がパンクしそうな速度の中で、ミリ秒単位の「重力トラップ」がこれでもかと敷き詰められているんですよ。例えば、AメロやBメロ。あえてコードを1、2個しか使わずに、冷徹でストイックなピアノやギターのリフレインを執拗に繰り返すじゃないですか。あれ、脳に「この平坦な景色がずっと続く」と強制的に予測(錯覚)させているんです。
これ、完全に僕の作り手としての罠ですw(*´艸`)。

脳がそのループに油断しきった瞬間に、サビで一転して、胸を掻きむしるようなエモーショナルな王道コードを一気に解放する。
さらにメロディも、隣の音に滑らかに繋がると思わせて、突然オクターブ上や下へ鋭利にジャンプさせる。脳が「次はこう来るだろ」と予測した綺麗な軌道を、力づくで引き裂くんです。この「予測の最大級の裏切り」があるからこそ、僕たちの脳はパニックを起こして強制的に覚醒させられます。

そして何より狂っている(最大級の褒め言葉です)のが、その「無音」の使い方。
サビ前や展開の切れ味…。 
キックもベースもバッキングも、なんなら空間を埋めていたリバーブの残響すら、1フレームの猶予もなく完全に「ブツ切り」にして無音にする。
超高速のパルスに脳を完全に依存させておいて、文字通り「一瞬で地面を消す」んです。

地面を失って「次はどこに着地するんだ!?」と脳が猛烈に渇望した次の瞬間、あの爆発的なサビの一音目が脳天に突き刺さる。これ、実際の音量以上の衝撃として脳が処理しちゃうんですよ。
脳にとっては、暗闇から引き揚げてくれる絶対的な「救いの重力」として受け取らざるを得ない。
だから僕らは、理屈抜きで鳥肌が立って、身体を激しく揺らされてしまう。

調声の面でも、日本語の歌詞を情景描写としてではなく、完全に「純度の高い打楽器」として扱っています。16分音符の限界の隙間に、VEL(子音)をミリ秒単位で「前ノリ」に詰め込んで、摩擦音や濁点を滑り込ませ、母音のエネルギーだけを拍のジャストにブスリと刺す。「っ」という空白で重力を奪い、「ん」の響きでベースへとリズムを受け渡す。

「予測していたのに、完全に予想を超えてくる」という矛盾を、あの超高速の檻の中にミリ秒単位で美しく敷き詰められたら、そりゃ人間狂いますよ。
あの時代にシーンの頂点へ駆け上がり、今も僕たちの胸に突き刺さったまま抜けないあの音楽は、まさに人間の認知システムを逆算して作られた、完璧な「未来予測のデザイン」だったんだなと、我ながら改めて震えています(*´艸`)。