今年、わたしの母が八十歳を迎えました。長寿祝いの傘寿です。
また、父は八十七歳になりました。来年、米寿を迎えます。
これまで二人に対して長寿祝いをしたことなどありませんでした。有名な還暦すら、どちらにもしてあげたことがないのです。
そんなわたしだったのですが、なぜか今年はきちんと長寿祝いをしてあげたいな、という想いがとても高まっていました。それも、なにがしかのモノを贈るのではなく、長寿祝いと称して、どこか旅行に連れて行ってあげたいな、という想いが。
そこで真っ先に思いついたのが温泉。二人とも足腰がとても弱っていて、シルバーカーを押して歩いています。ゆっくりゆったり、広い露天風呂で心も身体も癒してもらえたらいいんじゃないかな。本気でそう思って母に打診したのですが、とても丁寧に断られてしまいました。
「温泉に入ってゆっくりするのはいいのだけれど、そこまでの移動がきっとしんどいからいいかな。わたしはまだいいのだけれど、じいちゃん、足が全然上げられなくなっちゃっているからねえ。それに二人とも、やんなっちゃうくらいトイレも近くてさ。ありがとう。気持ちだけありがたくいただきます」。そんな返事のあと、深々と頭を下げられてしまったのでした。
そうでした。そうですよね。言われてみれば、ほんとそうだ。
湯治的に温泉にゆったり浸かってもらいたい。そうすれば疲れも痛みも少しは楽になるんじゃないかな。心の底からそう思っていたのだけれど、そこまでの移動がしんどい。うん、本当にそうだ。
ならば、わたしの中に選択肢としてなかったモノのプレゼントにしようかな? と思って家でいろいろ検索してみたのですが、うーん。なんだかどれもこれもしっくりこなかったんです。
――モノじゃない気がするんだ。モノじゃない。なにか……。あ!!
わたし、閃きました!
あのね。
「長岡の花火大会、死ぬまでにもう一度見に行けたらいいのにな」
母が数年前、ポツリ呟いたこの言葉が鮮明に頭の中に浮かび上がってきたんです。
――長岡の花火大会。うん、これにしよう!
結局しんどい移動をたくさんすることになるけれども、長岡の花火大会を見に行くという目的があるのならば、母も、そうして父も重たい身体を動かして向かうことを厭わないんじゃないかな。そう思えて仕方ありませんでした。
早速、母に打診してみると、やはりです!
「え? 長岡? 長岡の花火か。ううーん」
「わたしも一緒に。じいちゃんとばあちゃんとわたしの三人で、長岡の花火大会に行ってみようよ」
「ううーん。……そうだね。行けるかもしれないね」
父の介護(がっつり介護ではないのですけれども)で疲れ切っていた母の頬が嬉しそうに緩むのを見て、思わずわたしは心の中でガッツポーズをしました。
「日程とか調べてまた連絡するから」
その日の夜、ウキウキしながらパソコンに「長岡花火大会」と入力し検索しました。ところが。「え!?」。目が点になる、釘付けになる、思考が停止する、頭の中が真っ白になる、エトセトラ。まさにわたしの頭も心も、画面に表示された「ある一言」に混乱しまくってしまいました。
【観覧には有料チケットが必要です。長岡市民の購入が優先。一般発売は約一ヶ月後からです】
――どうやら、人気アーティストのコンサートチケット争奪戦ばりの戦いに参戦しなければならないらしい。
何度かそういうチケット争奪戦に参戦したことがあります。アーティストではなく、プロ野球の観戦チケットなんですけれども。
言わずもがな、わたし推し推しの横浜DeNAベイスターズのクライマックスシリーズ観戦チケットです。
あるときは、電話でも窓口でもネットでもなく、「コンビニ発券機での直接購入」なんて形を選んだりしたのですよ。発売開始時間の一時間前にコンビニに行って発券機前に並んだのですよね。コピーを取りたそうなかたがそばに来たら「どうぞどうぞ」と譲りながら、でもその場は離れず発券機前一番の位置はキープし続けるように頑張っていたのですよね。懐かしいなあ(´▽`*)
閑話休題。
結論を伝えますと……。
チケット争奪戦に参戦する気力がわたしにはなくて。
母に「ごめんね。チケットを買わなきゃ見ることができないんだって。そのチケットを手に入れることが難しいから、長岡には行けないや。ほんとにごめん」と伝え、何度も何度も何度も謝ってきたのでした。
来年のお正月頃に、二人になにかモノのプレゼントをしようかなと考えているところです。
その、幻に終わった長岡の花火大会、実はこの土日(8月2日・3日)開催でした。
「ばあちゃんにほんと、悪いことをしちゃったよな……」という思いを持ちながら、昨日(日曜日)の夜、パソコンに「長岡花火大会」と入力したところ、思いもかけないものがわたしの目に飛び込んできました。
【長岡花火大会 YouTubeライブ配信】という言葉です。
躊躇することなくクリックすると、すぐYouTubeサイトへと飛び、まさに「今、新潟県長岡市で打ち上げられている数多の大輪の華」の映像が、バババッ、ドーンと、お腹に響いてくる音とともに流れてきたのでした。
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わたしが観た動画はこちら(´▽`*)
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今週の土曜日、うちに父と母に来てもらって、パソコンでこの動画を見せてあげたいな、と考えているところです。
そしてもう一つ、わたしの中に確かに、強く深く生まれている想いがもう一つ。
――来年、父と母に、長岡花火大会を現地で鑑賞してもらう。
チケットをゲットしやすくするため、わたしが長岡市民に一時的になる、というのが一番いいかもですよね。
四月に申し込みと抽選とがあるようなので、その頃引っ越しをして一時的に市民になるっていう形が一番。
一般発売を待つより、絶対いいですよね? そのほうが?
真面目にこれ、考えてみよう。
それでは、また。
酷暑が続くようです。どうぞ熱中症に十二分に気をつけてくださいませね。
今日という日が皆さまにとって穏やかで温かな一日でありますように☆彡☆彡☆彡