今年の合同トライアウトはニュース番組でも頻繁に取り上げられていましたね。
とはいえ、その視聴者への届け方はどの局も「ビッグボス参戦」に終始。参加選手の話題で盛り上がったとは言い難いのが実情。
視聴率を取ってなんぼの世界ですものね。大衆が何を欲しがっているのか、よくリサーチされていると思います。プロ野球どころか、スポーツの世界に全く関心を示さなかった人たちも今は日本ハムの新監督・新庄剛志さんの動向に注目しっぱなしのようですから。
ビッグボスこと新庄新監督は今回の合同トライアウト見学時のインタビューで「去年の今頃はあっちのグランドで審査を受ける側にいたのに、今はこっちで選ぶ側にいる。不思議ですね」的な発言をされていました。
このセリフを聞いたとき、思わず頭に浮かんだ小説があります。
東野圭吾著『虚像の道化師』
七話の読みきり短編集です。
これの第四話が「曲球(まが)る」というタイトルで、戦力外通告を受けたプロ野球選手の物語でした。
ラストシーン、今思い出しても涙がこみ上げてきます。
「もし戦力外通告を受けたとしたら、うじうじ現役にしがみつくなんてみっともない。さっさと見切りをつけて次の人生を見つけないと。ね?」的な発言をいつも奥さまはしていました。
その彼女が何者かに殺され、その直後、彼は球団から戦力外通告を受けます。
「妻との約束『現役にしがみつかない』を守りたい。でも私は野球を選手として続けていきたい」と悩む彼。
そんな彼に追い打ちをかけるように、奥さまに不倫疑惑が持ち上がります。彼女は本当に不貞を働いたのか?
傷心の彼は妻との約束を守るのか? それとも。
合同トライアウトにかける傷だらけの獅子。選手として野球を続けたいという願いが潰えたとき、彼らには残された選択肢が一つもないのだろうか?
ぜひこの物語の終焉をその目で見てもらいたい。第四話『曲球(まが)る』は、プロ野球ファンの方が読んだら、またストーブリーグを違う角度で見るようになるかもしれません。
戦力外通告を受けた選手にも読んでみて欲しいな……なんて少しだけ思う私がいます。
あ……、やはりこの話にも触れておきたい。
「スポーツは科学」と、帝都大学物理学科助教授・湯川学が彼の挑戦を科学の力で後押ししようと試みます。
大学の物理学助教授、湯川。
お気づきになられましたか?
はい。この『虚像の道化師』はあの福山雅治さんが主演を務められた人気ドラマ『ガリレオ』の原作としていくつかピックアップされているガリレオシリーズの小説なのです。
たとえば第一話『幻惑(まどわ)す』は宗教団体の教祖にまつわる話。俳優・大沢たかおさんが教祖役でした(Wikipediaより)
今年の合同トライアウトに参加した選手たちには、一体どんな隠されたドラマがあったのでしょう。十人十色、千差万別。一人ひとり全く違った想い、アプローチがあり、彼らの今後にもまたその野球人生というページは繋がり続けていくのでしょうね。
野球を愛するその気持ちを胸に、頑張って欲しい。
ベイスターズにとっても、話題目白押しのストーブリーグでしたね。
――ドラフト一位指名の高卒ルーキー・小園選手が背番号18を背負う。
これが私の中では一番驚き歓迎した話題でした。
みなさんにとっての一番はなんだったでしょう?
来季も……いえ、来季こそは、横浜DeNAベイスターズを知ったあの年のように、しっかりとベイファンらしくブログ更新も楽しんでいきたいと思っています。
みなさま、これからもどうぞよろしくお願いいたします。
