
寒いですね・・・。
昨日から風邪気味っぽかったんで、今日はやや予定を変更して自宅でとにかく暖かくしていました。ぬくぬく。
うちは今、大規模修繕工事の影響で、風呂も使えず、暖房器具も動かせないため
暖を取るには、布団に潜り込むしかなく
ひたすら布団に潜っていましたよ・・・
何も出来やしない。
読書くらいはした。
ちょっとPCに向き合うだけで、手足が冷え冷えしてしまう。
ステレオグラム交差法。四国旅行。

最近、うちの事務所の入っている建物の管理費が値下げされました。
とゆーてもコレも大変だったのですよ。
主に動いてくれたのは、他の店舗の人なんですが
近隣同程度の建物の管理費との比較や、経費の見直し等の推進により
建物全区分所有者の管理費値下げが実現しました。
やれば出来るんですね。
まあこの辺は、使うだけ要求して足りなくなったら増額するしか脳のない某国家予算や某弁護士会とは違います(えっへん)。
とにかく、管理組合の定時総会には毎回限られた人達が参加しており、私もそのうちの一人なんですが
この値下げを、管理組合の総会の決議を経ることになりましてね。
実は異議が出たのですよ。
値下げの幅に不満がある、と。
私は内心、みんなが得をする案件なんだから
早々反対も出ないだろうと思ってましたけど
やっぱパレート最適じゃあダメなんですよねぇ。
配分的正義とやらも欲しくなる・・・
というと言葉はキレいだけど
要は「自分よりも他人が得をするのが許せない」心理というのがあるのです。
日頃から定時総会に出ている人達が一生懸命進めた案件にケチをつけられて内心腹を立てていたのでしょう。
「だったらもういっそ、値下げ議案を白紙に戻そう」
とまでも仰っていた方がいた。
そう仰られると、異議を唱えていた方も嫌がりましたけど。
最終的には、ある一定の解決を図り、無事、可決されました。
異議の事情について詳しく書くとですね。
今回の値下げ幅は、区分所有の持ち分比率に応じて行う、という取り決めでした。
管理費の算定の基準は持ち分比率なんで。
それはまあ、不合理ではない。
問題は、今回値下げをする前に、過去数年前(私が店舗を構える前ですね)に管理費が何度か値上げされていたらしいのですが
その頃の値上げが、区分比率に関係なく「一律○円の値上げ」だったワケです。
すると、持ち分比率の少なかった区分所有者は、その値上げで損をした計算になります。
だから今回の値下げに際しては、値下げ幅を大きくしないと割に合わない、というのが異議の要約です。
で、どういう風に解決され、どういう風にみなが納得したかと言えば
「じゃあ全部公平にしようじゃないか」
ということで、全部の管理費を全て白紙に戻した計算で、純粋に持ち分比率に応じて管理費を負担し、今との差額を値下げ額にしようじゃないか、と。
・・・・・・・。
うん、いいんですよ。それで。
公平ですよ。
でもね・・・多分、ソレ、あなた損してますよ。
ちゃんと忠告している人もいましたが、それをあなたが理解しなかっただけ。
私? 私は殆ど議論に参加していませんでした。
基本的に私は議論の場では黙っている人なんです。
「余計なことは言わない」というのをモットーにしています。
大抵、必要なことは私以外の人が言ってくれているし、誰かが言う以上は私が発言する必要はない。
だから発言がゼロのまま終わる回もあります。
・・・たまに発言すると、話の急所を突くともっぱらの評判のようですが。
それはともかく、なぜあの方が損をするかと言えば
最初の前提として、実は管理費は持ち分比率に応じた公平なものではないからなんです。
つまり、住宅世帯と店舗世帯では、店舗世帯が持ち分比率とは別に、多く負担しているのですよ。最初からね。
ちなみにうちも店舗世帯です。
であるから、本来は値下げ幅を持ち分比率にするとなれば、店舗世帯の値下げはやや不利だったんです。むしろ、元々の管理費比率を前提にした方が値下げ幅が大きかったでしょうね。
でも、店舗世帯は基本的には定時総会に出席していましてですね。
人の良い方々ばかりなんですよ。私も含めて。
ですから欲張ることなく、公平の観点から持ち分比率に応じた値下げを、と言っていたんです。
しかし、それで納得頂けないなら仕方がないですもんね。
新しい案で決まりました。
みんな納得です。
「いや、ぼくらはいいんだよ。(新案で)損をしないんだから」
と、古株でいつも総会に出席している店舗所有者は仰いました。
すごく親切にこう言って、説明もしていたんですが
異議を述べた方は、その説明では納得出来なかったんだろうなぁ・・・。
私? 私は勿論黙っていましたよ。
全員が納得して話がまとまればそれでいいから。
交渉案件をいくつか見ていると、実はこういうことが結構あります。
最初の提案よりも当方有利な提案で相手が納得してしまうことが。
交渉については、相手の「コダワリ」というものを見抜く必要があります。
つまり優先順位です。
それを見抜くことにより、交渉の材料を増やし有利に交渉を進めることが出来る。
今回相手が望んだのは「損した気分」を拭いたいということ。
最初のプランでは「損した気分」が残ることに納得出来なかった。
だけど、全部シャンシャンにして「公平」を強調すれば、その損した気分は無くなる。
例え結果として最初のプランよりも得をしていなかったとしても、公平なプラン(として自分が納得出来る)なら仕方がない。
そういう価値衡量が働いたわけです。
今回はともかくとして、交渉事案で度々あると先ほど述べましたが
本当に度々あります。
「相手は納得しているけど、こっちがこんな得していいんかなぁ」
などと私が心配になることさえ。
騙したり、相手の軽挙を利用するようなことは私の信念に反するんで
ちゃんと説明するんですけどね。
それ以上の説得をして、相手の価値基準を改めさせるところまでは必要ないでしょう。
私はADR好き好き人間なんで
実はかなり交渉理論やら心理学やら何やらの研究は怠りません。
気になる専門書があると読んじゃうし。
これらは、他人を出し抜くための理論じゃない。
むしろ、多くの人達に知って欲しい理論だと思っています。
そして、世の中はゼロサムじゃないんだと
親切が寧ろ得になる解決や交渉もあるんだと
それを分かって欲しいと思う。
「他人が損をした分、自分が得をする」
などという先入観から解放されて欲しいと願う次第でございますな。