進撃の巨人を21巻まで読んだ人です。(連載は読んでない)
色々と強烈な変化球を投げられて、これほど大きく話が転換するとは思ってもいなかった。
 
 
グリシャさんは、ワタシなんぞの見方だと「狂信者」になるんだけど、本の続きも次巻で書かれるだろうし、エレンが親父のキチっぷりを嘆くにはまだ早そう。
 
まさかグリシャさんが「オレがこう信じてるから、事実はこうなんだ」式の狂信・盲信路線一直線の人間だとはなぁ・・・
 
 
そんで、幾つも疑問は湧いてくるけど、ひとまず「結局、フリッツとレイスはどちらが王家なの?」という事を考えてみることにした。
 
 
適当に書き散らしてみる。書き散らしてるから、文章の流れに一貫性は無い。
 
 
 
1.「実態がどうであれ、対マーレとして表に出る王家の名前はフリッツ王家でなければならない?」
 
なにせ、フリッツ=始祖の巨人の力であり、マーレに対する抑止力になってる。仮にフリッツ王家が断絶したとしたら、マーレは今よりも強攻策に出られる可能性が高い。
 
・・・と思ったけど、今作の終末は、壁の中の巨人が一斉に起動して、大地を埋め尽くす勢いで文字通り全てを踏み潰す、だと思ってるので強攻策はマズイなぁ。記憶改竄の影響を受けない貴族家や壁の由来を知っているウォール教の人間が、やけくそになって巨人に日光を当てないとも限らん。そうなればマーレも大損害だろうし。
 
パラディ島とマーレは海で隔たっているけど、50m級の巨人なら浅いところを選べば海も歩いて渡れると思われ。泳げるヤツもいるだろうし。
 
ま、これは話題の枕詞として。
 
 
 
2.レイス王家が実は正統のフリッツ王家?
 
これは、フリッツ家がレイスと名を変えて血脈を保ちつつ、表向きには影武者としてのフリッツ王家を出しておくという考え。
 
本物のフリッツ王家は、自分達の持つ始祖の力をマーレが狙うことは予想できたはずなので、それを避けるためにって話ですね。万が一にも始祖の力を奪われるわけにはいかないので、でっち上げの王家を餌にしておこうと。
 
 
2-2
「レイス王家の始祖の巨人の力の保有者って、本当に始祖の力を使えるの?」
 
以前から疑問に思ってたこと。
 
レイス家が始祖の力を行使できたのは、物語のはじまり~グリシャがフリーダから力を奪うまでの間。
 
まず、巨人対戦後、壁内に移住した当初のフリッツ王は壁中人類に対して記憶改竄を行使している。これは間違いないはず。つまり、この時点では始祖の力は言い伝えどおりの性能を持っている。
 
その後は100年の平和と言われて、マーレに対する牽制さえしておけば、特に力を行使する必要は無かった。
 
そこから、シガンシナ襲撃までのどこかのタイミングで、王家の看板がフリッツからレイスに変わっている。
 
フリッツ・レイスいずれの王家にとっても、マーレは敵性国家であり、「当方に干渉するな」というメッセージと共に壁内籠城の形をとったことを思えば、シガンシナ防衛は王家にとっても必須事項だったはず。
 
ところが、シガンシナが襲撃されたという報に対し、レイス家がとった行動は「祈りを捧げる」という悠長なものだった。
 
 
普通に考えれば、始祖の力を行使して防衛にあたるべき場面。その結果、壁内人類にレイス=巨人という事が知れ渡ってしまうが、そんなものは記憶改竄でどうにでもなるのだから、頓着する必要がない。グリシャの襲撃はその後。
 
にも関わらず、レイス家は全く動いてない。
 
 
つまり、「レイス家は最初から始祖の巨人の力なんて行使できなかった」
 
と考えるほうが自然なんだよなぁ。
 
 
2-3
「実はクーデター?」
 
ただ、ライナー達の言う「座標」の能力はフリーダ、グリシャを経て、エレンへと確かに伝わっている。意図的な行使はできないが。
 
それと記憶を改竄する力も、フリーダがヒストリアの記憶を消していたことから、確かにあったように思う。ただ、「記憶を消す為に額を当てている」。1人の記憶を操作する為に、こんなプロセスが必要だとしたら、とても人類全体の改竄なんて無理。
 
この描写はフリーダが始祖の力を持っていた証でもあるけど、同時にそれが極めて不十分な力であったことも示している気がする。
 
 
エレンとフリーダの事例から、始祖の力は誰が保有していても、そこそこの能力を発揮できるのは確からしい。だが、それが真の力であるかどうかは不明。少なくとも、ロッドの知る限りでは、2人とも未熟故に使いこなせなかったと判断される。(フリーダについては明確に力を使いこなせていなかったからグリシャに負けたと言ってる。エレンはフリーダよりも力を継承してから・自覚してからの期間が短い)
 
 
ここでロッド・レイスの言葉を思い出す。
「レイス家の血を引く者でないと、真の力が発揮されない」
 
なんでロッド・レイスは自分が力を継承したわけじゃないのに、それが正しいと思っていたのか?初代王の記憶とやらは、力を受け継ぐ者だけに与えられ、それを口外した者はいないとされている。
 
であるなら、ロッドの立場から言えるのは
「レイス(正統フリッツ)家の血を引く者は真の力を行使できる」が正解であって、
「レイス(正統フリッツ)家以外の者では力を発揮できない」というのは検証のしようが無いはず。
 
つまり、どこかで誰かが試していて、失敗の結果を聞いたりでもしない限り、ロッドは「レイス家の血を引く者でないと、真の力が発揮されない」とは言えないはずなのだ。
 
 
前項で、レイスは真の始祖の力を行使できないのでは?と書いたけど、これはレイス家がフリッツ家に対してクーデターか何かを行った結果なのではないかと飛躍した考えから来てる。
 
レイスが貴族家ならば、フリッツ王家の記憶改竄は効かない。ということは、レイスがその気になりさえすれば、フリッツを除く事も十分に可能。
 
だから、100年の平和のどこかでクーデターがあったのかなと。理屈と膏薬はどこにでもくっつくもので、「マーレに対する弱腰姿勢に反発」でも「フリッツ王家の専制に反発」でも何でもいい。
 
ともかく、レイス家はフリッツ家から始祖の巨人の力を奪おうとして、現に正統なフリッツ王家を根絶した。・・・かもしれない。ただ、対マーレの抑止力であるフリッツの看板を降ろすわけにはいかないので、作中ではああなった・・・のかも。
 
当時のレイスは慌てたかもしれない。自分では始祖の力を十分に発揮できないと知って。
この手の経験を経ない限り、ロッド・レイスの件の発言は出てこない、という逆説的な考えではありますが。
 
 
 
ただ、この考えが疑わしいのは、他の貴族家がロッド・レイスに忠誠を誓ってるってことなのね。隠密裏にクーデターが成功したとは思えないし、絶対に貴族間ではバレるわけですよ。当初は始祖の力を奪えば記憶改竄でどうにかなるとレイスは思ってたかもだけど。
 
貴族達はウォール・シーナが破られた(虚報)の時でさえ、レイス家がエレンを食べて始祖の力を取り戻せば万事OKと思ってたわけで。その結束はかなり強固に思える。
 
まぁ、そこんとこは記憶改竄が通用しなくても、レイスが適当に情報操作すれば説明できないこともないんだけど・・・あまり針小棒大っぽい意見の運び方は好きじゃないしなー。
 
 
つづく