いやー、相当な反響のようです。
将棋対決 人類VSコンピュータの行方
かいつまんで、概略を申し上げますと。
・CPUとプロ棋士の将棋団体戦5番勝負やるか
・2勝2敗で第5戦迎えます
・プロ棋士の阿久津さんが"ハメ手"を使ってAWAKE(CPU)に勝利
・AWAKE(CPU)の開発者不満
・色々と騒然とする中、開発者への全方位バッシングが起こる
すげー簡単に起こったことを書くと、こんな感じになる。
もちろん、個々のそれぞれにそれなりの深い色々があるみたいですが。
まず、この「ハメ手」と呼ばれたものですが、世の中にいくつかある将棋ソフトに共通して弱点があるそうなんですね。長い目で見れば悪手中の悪手になるのだけど、ごく近い局面では有効と判断されるので、その悪手を指してしまうと。
なんでこんなミスをCPUがやるかってと、「未来が無数にありすぎて、そんな先の事までは計算できませーん」ということで、ごく近い先を見据えて評価した際には有効とされる"悪手"を指すそうです。
これはそういう状況になるように対局を進めれば100%起こるというものではありませんが、発生確率は期待するには十分らしく、それが発生してしまえば、一流プロ棋士なら問題なく勝つというレベルのものだそうです。アマチュアレベルだとそれでも勝つのは難しいそうですが。
なんで、AWAKEがこんな大穴を抱えたまま今日の対局を迎えたかというと、
「対局に用いるソフトは勝負の半年前から貸出自由。その時から対局まではプログラムの改善・アップデートは不可」
という主催者(と将棋連盟)が策定したルールによります。
そんで、このハメ手を開発者が知ったのは、既に改善不可期間になってからだそうです。
より正確に言いますと、実はこのハメ手の存在自体はもっと前から知ってる人は知っていたそうですが、どうも開発者さんはその情報に触れていなかったみたいです。
ハメ手の発見者が誰なのかはよく分からないのですが、最初に公開の場でそれを実践したのはアマチュアの棋士さんでした。最初に棋譜を残した人がその戦法の開発者と見做されるそうなので、その風習に従えば、発見者はこのアマチュアさんになります。
で、プロ棋士の阿久津さんは、ソフト貸出を受けて3日後には「ハメ手」を確認したそうです。
ただ、これは棋士達の間で将棋ソフトの弱点として流通していた情報を確認したという意味です。彼が発見者なのではありません。
そんで、本日の決戦で阿久津さんは「ハメ手」を用いて、序盤のうちにAWAKEに対して大きな有利を得ます。有利というか、ほぼ勝負は決まりですね。相手はアマチュアではなく、八段という高段の棋士が相手ですから。
すると、AWAKEの開発者さんはハメ手を受けて、敗北がほぼ確定した(理論上は相手の凡ミスがあれば勝つ可能性はあるが)21手目という超序盤に「投了」
まさかの超序盤投了という結末に、あっちもこっちも大騒ぎ。
そんで、開発者さんは対局後に「プロがハメ手で来るとは思っていなかった」的なコメントを発表しまして、これによって一気に情勢は沸騰・爆発・大炎上。
今に至る。
例によって例の如く、一億総叩きと言ってもいいようなバッシングの大合唱が始まったわけです。
ある人曰く、「勝負に徹する・勝ちにこだわるのがプロ。その姿勢に不満を言うとは何事か」
またある人曰く「相手の弱点を突くことは当然の事なので、阿久津さんが非難される筋合いはない」
さらに曰く「まだ勝負はついてないのに投了とは何事か」
重ねて曰く「内容はどうあれ自分のプログラムミスなのに、それをプロ批判に利用するのはどうか」
と、まぁ、こんな感じで99%以上が開発者さんを責める内容です。
さて、このブログを読んでくれていた方の中には、お察しの方もいるかもしれませんが、ワタシはこの手の「鬼の首を取ったように個人を叩く」という状態が非常に苦手です。
良い悪いという以前に、一人の人間を、しかも別に犯罪者でもない個人を、寄って集って叩く状態が苦手なのです。
なので、世の中にちょっとくらい開発者さんの事を理解する人がいてもいいじゃないか、という天邪鬼が首をもたげてきたので、色々と考えてみようと思うわけですよ。
つづく
将棋対決 人類VSコンピュータの行方
かいつまんで、概略を申し上げますと。
・CPUとプロ棋士の将棋団体戦5番勝負やるか
・2勝2敗で第5戦迎えます
・プロ棋士の阿久津さんが"ハメ手"を使ってAWAKE(CPU)に勝利
・AWAKE(CPU)の開発者不満
・色々と騒然とする中、開発者への全方位バッシングが起こる
すげー簡単に起こったことを書くと、こんな感じになる。
もちろん、個々のそれぞれにそれなりの深い色々があるみたいですが。
まず、この「ハメ手」と呼ばれたものですが、世の中にいくつかある将棋ソフトに共通して弱点があるそうなんですね。長い目で見れば悪手中の悪手になるのだけど、ごく近い局面では有効と判断されるので、その悪手を指してしまうと。
なんでこんなミスをCPUがやるかってと、「未来が無数にありすぎて、そんな先の事までは計算できませーん」ということで、ごく近い先を見据えて評価した際には有効とされる"悪手"を指すそうです。
これはそういう状況になるように対局を進めれば100%起こるというものではありませんが、発生確率は期待するには十分らしく、それが発生してしまえば、一流プロ棋士なら問題なく勝つというレベルのものだそうです。アマチュアレベルだとそれでも勝つのは難しいそうですが。
なんで、AWAKEがこんな大穴を抱えたまま今日の対局を迎えたかというと、
「対局に用いるソフトは勝負の半年前から貸出自由。その時から対局まではプログラムの改善・アップデートは不可」
という主催者(と将棋連盟)が策定したルールによります。
そんで、このハメ手を開発者が知ったのは、既に改善不可期間になってからだそうです。
より正確に言いますと、実はこのハメ手の存在自体はもっと前から知ってる人は知っていたそうですが、どうも開発者さんはその情報に触れていなかったみたいです。
ハメ手の発見者が誰なのかはよく分からないのですが、最初に公開の場でそれを実践したのはアマチュアの棋士さんでした。最初に棋譜を残した人がその戦法の開発者と見做されるそうなので、その風習に従えば、発見者はこのアマチュアさんになります。
で、プロ棋士の阿久津さんは、ソフト貸出を受けて3日後には「ハメ手」を確認したそうです。
ただ、これは棋士達の間で将棋ソフトの弱点として流通していた情報を確認したという意味です。彼が発見者なのではありません。
そんで、本日の決戦で阿久津さんは「ハメ手」を用いて、序盤のうちにAWAKEに対して大きな有利を得ます。有利というか、ほぼ勝負は決まりですね。相手はアマチュアではなく、八段という高段の棋士が相手ですから。
すると、AWAKEの開発者さんはハメ手を受けて、敗北がほぼ確定した(理論上は相手の凡ミスがあれば勝つ可能性はあるが)21手目という超序盤に「投了」
まさかの超序盤投了という結末に、あっちもこっちも大騒ぎ。
そんで、開発者さんは対局後に「プロがハメ手で来るとは思っていなかった」的なコメントを発表しまして、これによって一気に情勢は沸騰・爆発・大炎上。
今に至る。
例によって例の如く、一億総叩きと言ってもいいようなバッシングの大合唱が始まったわけです。
ある人曰く、「勝負に徹する・勝ちにこだわるのがプロ。その姿勢に不満を言うとは何事か」
またある人曰く「相手の弱点を突くことは当然の事なので、阿久津さんが非難される筋合いはない」
さらに曰く「まだ勝負はついてないのに投了とは何事か」
重ねて曰く「内容はどうあれ自分のプログラムミスなのに、それをプロ批判に利用するのはどうか」
と、まぁ、こんな感じで99%以上が開発者さんを責める内容です。
さて、このブログを読んでくれていた方の中には、お察しの方もいるかもしれませんが、ワタシはこの手の「鬼の首を取ったように個人を叩く」という状態が非常に苦手です。
良い悪いという以前に、一人の人間を、しかも別に犯罪者でもない個人を、寄って集って叩く状態が苦手なのです。
なので、世の中にちょっとくらい開発者さんの事を理解する人がいてもいいじゃないか、という天邪鬼が首をもたげてきたので、色々と考えてみようと思うわけですよ。
つづく