高所恐怖症について。


なんとなく、ぽやーんと考えていた。
なにしろ、ワタシは高所恐怖症だ。


東京タワーとかランドマークタワーとかの展望スペースに行っても、なるべく端っこ(つまり外周付近)には行かない。否、行けない。

足元がガラス張りなんて論外だし、吊り橋とか何考えてんのと思うし、手すりが無いとか無理だし。パラグライダーとかありえねー。


ついでに言うと、スキー場で崖のところにロープが張ってあるだけとか、いかにも脆そうなガードとか無理。絶対転落する自信がある。




ところが世の中には平気で高い所に行ける人が多い。まったくもって不思議だ。
もしや進化の途上で分かれた別種の生物なのではないかと、軽く疑うこともある。

率直に言おう、羨 ま し い の だ !




想像してしまうのだ。


もしも、この足元のガラスが割れたら?

もしも、足を滑らせたら?


臆病と笑うなら笑うがいい;;


ぼくら高所恐怖症の人々は、想像力が旺盛なのだ、と思うことで自らを慰めている。
悲観主義者なのかもしれない。

今の日本の技術力なら、床が抜けるとか有り得ないでしょう。


ところが、悲観主義者たる高所恐怖症はこう考える。


割れる確率が0.00001%だとしても、それは0ではない。
すなわち、割れる事もあるということだ。


万が一、億が一、割れるようなことあらば、我らは下界に一直線である!

という具合だ。



どこぞのマンションのベランダに居るとしよう。
そこから下を見下ろすのは怖い。

もし、ベランダの壁が崩れたら?この瞬間に突風が来たら?なにかの弾みで墜ちるかもしれない?


その想像が常に肌をつきまとう。
これはあれだなー、もしかしたら幽霊いるかも知れないって信じるのと似てる。



ああ、恐ろしい。下手な怪談より遥かに恐ろしい。