交渉人といえば、米倉涼子さん主演のドラマや「踊る~」のスピンオフ作品が有名です。

が、ここで紹介する交渉人もなかなか負けていない。

交渉人(五十嵐 貴久)
http://www.gentosha.co.jp/book/b3534.html


3人組のコンビニ強盗犯が、とある救急病院に立て籠もった。警視庁はそれを500名耐性で包囲。
人質の解放を第一に考え、FBI仕込みの腕利き交渉人が登場して―


かなり良いテンポでぐいぐい引き込まれますね。ミステリとしてはあまり深くない。警察モノとしてはかなり面白い。最後の最後で因果応報の是非について真剣に考えさせられるです。

どっちかっつーとミステリというより、自分の価値観という針がどちらに振れるかを試されてる感じ。




以下、中身に触れるので注意されたし。


























ダラダラ読んでるワタシでも"犯人のミス"以外はすんなり予想できてしまった。なはは。
包帯とか、逃走経路とか。考えないようにしてても違和感を感じてしまった瞬間に、途中までの仕掛けは解けてしまうです


まー、そこまでは誰でも到達できるように書いてあったと思うから、それはいいのね。


そこからの展開の仕方が面白かったです。
ああ、ああ、なんか変だとは分かっちゃいたけど、なるほど、なるほど、そういうことか~、って感じ。


"4人目以降"の動機が全く予想できなかったので、楽しめたなぁ



でも、主人公の女性の価値観が、あまりにも教科書に過ぎて気にくわなかったのも事実。
ワタシなら犯人側の心情を支持してしまうな。というか、同じ状況に追い込まれたら自分も加担していたかもしれない。


レビューでは犯行の動機に無理があるという意見も多いけど…
そんな事は無いと思うんだよなぁ。



それはそうと、タイトルは変えた方がいい。交渉人でありながら、別に交渉らしいことはしていないと思う。