ワシントンの気温は5度。やはり例年よりもずっと暖かかった。
鉛色の滑走路には霧が立ち込めている。

イミグレで、いくつか質問をされる。
アメリカには何の用事できたんだ?
アメリカにはどこに何泊するんだ?
どういう職種の会社だ?
何と言う名前の会社だ?

ん?
いつもより、何か質問多くないか?

おそらく、スーツを着ていなかったので、
本当にビジネスマンなのか?と勘ぐられたのだろう。笑

そのあと、トランジットのため、バゲッジクレームで
スーツケースをピックアップする。

バゲッジクレームで回る荷物を見ていると
いつも思い出すことがある。

2002年、まだ入社2年目の23歳の頃に、
初めて海外出張を経験したときのことだ。

米国西海岸、ラスベガス⇒サンノゼという旅程で
5泊7日の出張だった。

初日はアメリカン航空で、成田からサンノゼでトランジットして、
ラスベガスに向った。
ラスベガス空港に着いたはいいが、
バゲッジクレームで、いくら待っても僕のスーツケースが出てこない。
周りを見てみると、荷物を待って残っているのは、日本人ばかり。

そう。成田からサンノゼについた荷物を、ラスベガス便に乗せかえる作業が
忘れられていたのだ。
僕の荷物は、サンノゼで置いてけぼり。

冷や汗が流れた。
初日に仕事で使う必要がある資料が、スーツケースに入っていたのだ。

つたない英語で、必死に状況を説明すると、
英語でかかれた書類に、名前や宿泊場所、荷物の特徴などを記入する
用紙を渡された。
次のサンノゼから到着する便に乗せて、ホテルまで届けてくれるという。

そして、不安なままラスベガスでの宿泊ホテルだったモンテカルロにチェックイン。
その6時間後に、無事に僕の荷物は到着した。

その時の教訓。
「初日に使う仕事道具はスーツケースには預けない!」

こういう経験値をつんで、人間、成長していくものだ。笑