その後も、途中、何度か喉が渇いて目が覚めた。
水を喉を濡らす程度に口に含む。

大量に飲んで、隣の人を起こして
頻繁にトイレにいくのは、気がひけるからだ。
これだから、真ん中の席は嫌いだ。
同じ金払ってるのに、不公平極まりない。

何度か、おきては、まどろむというのを
繰り返しながら、 単調な時間をすごした。

途中、アンカレッジ上空あたりで、オーロラが見えないかなと
窓の外を覗いてみた。
巷では、その日は、太陽風が激しく、日本でもオーロラが
見れるかもしれないと騒いでいたからだ。

案の定、外は真っ暗で何も見えなかった。



カタカタという、配膳のカートの音で目が覚めた。
CAさんがエプロン姿で朝食をサービスしている。

窓のスリットからは、まぶしい朝の光が差し込んでいる。

飛行機は、シカゴ上空を過ぎたあたりだった。


朝食をとりおわったあと、軽く洗面をしてコンタクトを入れる。

ぼーっとしていると、となりの座席に座っていた女性が、
入国する際の税関申告表の書き方を聞いてきた。
年は、僕よりも若そうだった。20代後半といった感じだ。