ベンチに座り、
ドナウ川を眺める。
ここは、
どこだろう?
自分がなぜ、ここにいるかを
考えてみると、不思議な気持ちになる。
家を出てから23時間。
パリのシャルルドゴールから、
マリブハンガリアンなる
エアラインに乗り換え、ここに至る。
ここの民族は、アジアの混血民族だと
聞いていたが、
外見はどう見たって、完全なる白人である。
少し寂しい感じがした。
ドナウ川を眺めながら、
明日の商談のことを考える。
英語は、ちゃんと通じるだろうか。
名前から察するにドイツ系のはずだ。
なら、会話も問題ないだろう。
英語圏以外で仕事をするときは、
いつも同じ言葉の不安がよぎる。
自分の仕事の成果物が、
世界中を走る日も近い。
そのためにここに来た。
ホテルにチェックインして
メールを拾ったとき、取引先のドイツ人から
明後日の打ち合わせ場所を
カールスバードから、ミュンヘンに
変更したいとのメールが入っていたのを思い出す。
「気軽に言ってくれる」
こちらは土地勘もないというのに。
ミュンヘンからフランクフルトはエアの方が
早いかな。
ICEのチケットはキャンセルできるんだろうか。
まあ、明日の商談が終ってから考えよう。
ホテルのフロントでは、ブダペストの交通機関は
ストライキ中との話も聞こえてきた。
どちらかというと、こっちの方が問題だ。
フロントの女性が、わざわざ
"Excuse me, Mr,.."と名前を覚えていてくれて
ストライキの情報を教えてくれた。
なぜ、名前を覚えてくれたのか、
すぐにピンときた。
今日の部屋はスイートルームだったんだ。
部屋はやたら広いし
アメニティは全部エルメスだった
しかし、俺はスイートなんて
予約しちゃあいない。
海外に行くと、不思議なことが
おこる。
ドナウの流れをもう少し見ていたいという
気持ち以上に、ジェットラグの眠気に耐えられなくなり、
オレンジ色の街灯に落とされた影は、
ゆっくりとそのベンチから腰をあげ、
川沿いにあるホテルに向かって歩き出した。
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