理解って居る。
永遠何て物は存在し無いの。
何事にも何時か必ず焉わりが来て、其の事柄を過去にする。例外は無く、愛情も又爾り。

其れでも人に永遠を軽々しく約束して了うのは、抱く愛情が永遠程に永く続けば好いと惟うから。永く在るべきだと願うから。其れ以外には有り得ない。永遠と云う概念に根拠や物理的な証拠が無いから――ただ、想い合う時間を永遠だと惟う事は出来る。そう錯覚する事は簡単で、其の時だけの惟い誤いなら問題は無い。
…幸せだと惟う瞬間に誰が焉わりを考えるだろうか。普通なら愛してると紡ぐと同時に、離別の恐怖に心震わせたりはし無い。
最愛と共有する時間だけは、慥かに永遠で在る。かも知れない。
愛情は何時か薄れて了う。今、幾ら幸福だからと云っても、時が経つ間に唯の情と為って容を失くす。残念乍ら、私は其れを報って居る。知って仕舞った。
況して、此の世界は脆い。
安堵出来る要素など壱つも無いよ。
深く嵌まれば、瑕付くのは私と貴方。
愛情を疑いはし無いが、不安は禁じ得ない。


如何か臆病な私を嗤って欲しい。
御免ね。