東日本大震災エアコン 取外し
では、公共施設などの天井が崩落する被害が広域で相次いだ。東京都千代田区の九段会館で2人が死亡する被害が出たほか、柱や壁など主要部分はほとんど壊れなかった近代的な耐震建物で、つり下げ式の天井が落ちたケースも目立った。このため国は、被害実態の調査に乗り出すとともに、落下防止に関する国の指針を見直すべきか検討を始めた。【樋岡徹也】
【天井崩落 死者も】東日本大震災:東京・九段会館天井崩落 安全管理に疑問も
3月11日、東京都千代田区の九段会館では専門学校の卒業式中に天井が落下、女性講師2人が死亡し、生徒ら26人が重軽傷を負った。栃木県下野市では、中学校の体育館で集会中に石こうボードが落ちて20人が負傷。人的被害がなかった例でも、川崎市幸区の音楽ホールで天井板や鉄骨が約2000人の観客席に落下したり、茨城空港ターミナルビル(茨城県小美玉市)の天井の一部が崩落した。
国土交通省などによると、建物の骨組みに当たる柱や壁などの「構造体」は建物全体の構造設計・構造計算の対象になるが、天井や建具、ガラスのような「非構造部材」は建築基準法施行令に「風圧並びに地震その他の震動及び衝撃によって脱落しないようにしなければならない」とだけ記されている。
天井落下事故は01年の芸予地震と03年の十勝沖地震でも起きた。国交省はこの際、つり天井について▽壁と天井に隙間(すきま)を設け揺れによる損傷を防ぐ▽天井をつる棒が長い場合、揺れを抑えるため棒同士を補強材でつなぐ--などの技術的助言(指針)を作成。強制力はないが、都道府県に周知を求めた。
しかし05年の宮城県沖地震で仙台市の運動施設でプールの天井が落下し26人が負傷。国交省はつり天井を備える大型施設(500平方メートル以上)の落下防止策が指針通りかを定期的に調べているが、昨年9月時点で都道府県から報告のあった1万9139棟のうち約2割(3723棟)が指針を満たしていなかった。
今回天井が落下した施設が指針を満たしていたかどうかについて、国交省は現在自治体を通じて調査を進めている。ただし九段会館は1934年にできた古い建物で天井の仕様も異なるため、対象にしていないという。同会館については東京都が建築基準法に基づく立ち入り調査を実施、遺族らが運営者などを業務上過失致死傷容疑で警視庁に告訴している。
国交省建築指導課は「建物の耐震性というと倒壊や崩壊防止をイメージしがちだが、今回は天井の落下が予想以上に目立つ。不特定多数の集まる場所で天井が落ちると、極めて危険」と問題視。調査結果を踏まえ、指針の見直しなど落下防止策を検討する。
福島第1原発エアコン 取外し
の事故を受け厚生労働省が農産物などの放射性物質の検査を求めている11都県の自治体のうち、約3割にあたる146市区町村が5月中旬までに検査を一度も実施していないことが分かった。同一地域での定点観測を優先したり、検査機関の処理能力に限界があるためで、厚労省は「検査しないと風評被害が起こりかねない。なるべく早く全自治体で実施を」と呼びかけている。【佐々木洋】
厚労省は4月4日、放射性物質の降下量が多かった福島、茨城、栃木、群馬と、隣接の宮城、山形、新潟、長野、埼玉、千葉、東京の各都県に検査計画の策定を要請。放射性物質が付着しやすいホウレンソウなどの葉物野菜や原乳を重点品目に指定し、原則週1回検査するよう求めた。
各都県が同省に報告した3月19日~5月13日の検査を毎日新聞が集計したところ、生産農家がなかったり出荷が始まっていない地域などを除く436自治体中、146市区町村(33%)で未実施だった。
最も多いのは埼玉県で、64市町村中51市町村で検査をしていない。同県農産物安全課は「同じ場所での値の変化を見るため、定点で調査してきた」と説明する。また、検査を依頼している東京都内の分析機関は野菜と原乳で週10検体しか処理できず、一度には進められないという。
山形県は35市町村中22市町村で未実施。同県環境農業推進課は「主に関東に出荷するキュウリなどを優先してきた。雪深い地域では春に出荷できる野菜が少なかったのも一因」と話す。地元の消費者からは「県内だけで流通する小規模生産の野菜も安全性を確認して」との声があり、今後は対象品目や自治体を増やす方針。
一方、国の現地対策本部と協力して検査している福島県は、原発周辺などを除く全市町村で実施。宮城県も、震災の影響で出荷ができなくなった地域以外のすべての自治体で検査している。
厚労省監視安全課は「検査をしていないと、生産農家が安全と考えても、消費者が心配で食べない可能性がある。流通している農産物はすべて安全だと信頼してもらえるよう、偏りのない検査をお願いしたい」と話している。
◇検出は減少傾向
野菜などからの放射性物質の検出は減少傾向にあり、一時福島、茨城、栃木、群馬、千葉県に出された国の出荷停止措置は順次解除されている。19日現在、出荷停止指示は福島県のいずれも一部地域の原乳▽ホウレンソウやキャベツなどの葉物野菜▽ブロッコリーなどの花蕾(からい)類▽カブ▽原木シイタケ(露地)▽タケノコ▽クサソテツ▽コウナゴと茨城県北茨城市と高萩市で生産されるホウレンソウのみ。
厚生労働省によると、19日までの検査で食品衛生法の暫定規制値を超えたのは福島、茨城、栃木、群馬、千葉、東京、神奈川の274件。4月までは葉物野菜からの放射性ヨウ素の検出が多かったが、最近は収穫期を迎えた山菜や生茶葉から半減期(放射性物質の量が半分になる期間)が30年と長い放射性セシウムの検出が目立つ。同省は「ヨウ素は半減期が8日と短いため出にくくなったのだろう。セシウムは主に土壌から吸い上げたとみられる」と分析する。
◇食品中の放射性物質の検査が未実施の市区町村数◇ (5月13日までの集計分)
福島0 (原発周辺自治体などを除く)
茨城8 (取手市、竜ケ崎市など)
栃木5 (那須町、益子町など)
群馬7 (桐生市、嬬恋村など)
宮城0 (被災自治体などを除く)
山形22 (米沢市、鶴岡市など)
新潟13 (十日町市、阿賀町など)
長野14 (飯山市、軽井沢町など)
埼玉51 (春日部市、飯能市など)
千葉2 (鋸南町、神崎町)
東京24 (町田市、あきる野市など)
全電源を失った東京電力福島第1原発エアコン 取外し
の事故を受け、内閣府原子力安全委員会(班目=まだらめ=春樹委員長)は19日までに、原発の安全設計審査指針を改定する方針を固めた。現行指針では、外部電源や非常用ディーゼル発電機といった電源を長期間失う事態について「考慮しなくてもよい」と明記している。
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改定は政府による事故原因究明を待たず、すみやかに着手する方針だ。電力会社などが原発を建設する場合、国に設置許可を申請し、国や安全委が安全審査を実施する。
審査の指針の一つとして安全委は90年に59項目の「安全設計審査指針」を作成した。電源については、「長期間にわたる電源喪失は送電線の復旧、非常用発電機の修復が期待できるため、考慮する必要はない」と記していた。
安全委は来月以降、同指針の見直しに着手。長時間の全電源喪失を想定したものに改める。同指針の改定は、01年の一部改定以来10年ぶり。指針とは別に、海江田万里経済産業相の指示で、全国の原発が複数の非常用電源を備えるなどの緊急安全対策を進めている。
福島第1原発では、東日本大震災で鉄塔が倒れるなどして外部からの電力供給が途絶えた。
1~6号機に備えていた非常用ディーゼル発電機13台のうち12台が津波で使えなくなり、ほぼすべての電源が一度に失われた。
電源確保までの間、炉心や使用済み核燃料プールが冷却できず、放射性物質の大量放出を招いた。【岡田英】