自民、公明両党が内閣不信任決議案エアコン 取外し を共同提出する方針を確認した27日、菅首相に近い閣僚や民主党執行部は、造反を最小限に食い止めようと、衆院解散や処分をちらつかせて党内への締め付けを一層強めた。

 小沢一郎元代表を支持するグループには選挙基盤の弱い若手や比例選出議員が多いためだ。ただ、こうした手法は反発を招き、「逆効果」との指摘も出ている。

 首相に近いベテラン閣僚の一人は27日、記者団に「首相は『不信任案が可決されれば絶対に衆院を解散する。否決されれば内閣改造だ』と言っている」と語った。小沢元代表が若手らに「東日本大震災で被災地は選挙ができない。不信任案が可決されても首相は解散できない」と説いているとの情報が伝わったためだ。

 この閣僚は「首相は選挙直前に党代表を辞任し、世代交代を印象づけようとするのではないか」とも語り、首相と代表を分離する“総(理)・代分離”まで持ち出した。

 枝野官房長官も27日の記者会見で、東日本大震災による首相の解散権への影響について「全く影響しない」と断言。枝野氏は26日夜の前原誠司前外相グループの会合で「不信任案が可決されれば、首相は閣僚を全員罷免してでも解散する」と述べたという。

東電福島第1原発エアコン 取外し 事故で立ち入りが規制された警戒区域(半径20キロ圏)の福島県浪江、双葉両町で26日午前に始まった一時帰宅は、同日午後2時ごろ終了した。両町で計95世帯171人が参加。浪江町で5人が軽い脱水症状などを訴えたが、救急搬送や除染が必要な人はいなかった。

 浪江町は津波被害の大きい沿岸部4地区の63世帯111人が参加し、原発事故後初の「帰宅」となった。津波で自宅が流された人も多く、町によると、このうち18~75歳の31世帯52人は必要品の持ち帰りではなく、慰霊が主目的だった。

 棚塩、請戸(うけど)、中浜の3カ所に焼香台が設置され、防護服の上から袈裟(けさ)を着込んだ地元の古刹(こさつ)・大聖寺の青田敦郎(あつお)住職(50)が読経。参加者は静かに手を合わせた。花束や手紙、お酒など犠牲者の好物を手向ける人もおり、すすり泣く声が広がった。

 参加した請戸地区の無職、安斎政夫さん(70)とチヱ子さん(71)夫婦は、震災後初めて自宅に戻ったが、土台しか残っておらず、何も持ち出せなかったという。親類1人が死亡、2人は行方不明のままといい、焼香後、チヱ子さんは「もっと早く来てあげたかった。『遅れてごめんね』と言いました」と表情を曇らせた。

 一時帰宅は27日も南相馬市と浪江、双葉両町で実施される。【神保圭作】
東京電力福島第1原発エアコン 取外し 1号機への海水注入が55分間、中断していた問題を巡る混乱が続いている。菅直人首相が中断を指示したと見て追及する野党に対し、首相は23日の国会答弁で「(注水開始の)報告がないものを『やめろ』と言うはずがない」と否定。だが、3月12日午後3時20分ごろ、東電が「準備が整い次第、海水を注入する」と経済産業省原子力安全・保安院にファクスで伝えていたことが25日、判明。事故発生直後の混乱ぶりを露呈する「新事実」が五月雨式に登場する中、政府が釈明に追われる展開となっている。

 ◇「起きない」はずが

 「(水素爆発は)起こらない」。3月12日午前、内閣府原子力安全委員会の班目(まだらめ)春樹委員長は、格納容器内での水素発生の影響を懸念する首相に対し、こう助言した。ところが、水素は建屋内に漏れだしており、午後3時36分に水素爆発で建屋上部が吹き飛んだ。

 官邸の緊張が極度に高まる中、海水注入を検討する会議が同6時ごろ、始まった。東電幹部が会議の冒頭、1号機周辺にがれきがあることなどを理由に「海水注入の準備に1時間半はかかる」と説明したため、首相は「(その時間を使って)問題点をすべて洗い出してもらいたい」と、集まっていた海江田万里経済産業相、班目氏、原子力安全・保安院、東電幹部らに指示。さらに「再臨界の可能性はないのか」とただした。

 ◇班目発言に緊張感

 「この時、班目氏が『再臨界の危険性がある』と答えた」と政府は5月21日午後の会見で発表したが、「原子力の常識として、真水から海水にかえて再臨界の可能性が高まると私が言うはずがない」と班目氏は強く抗議。22日夕、班目発言は「可能性はゼロではない」と訂正された。

 ただ、班目氏が「起こらない」と明言していた爆発が起きていただけに、再臨界の「可能性」を認める発言が出たことに、出席者の一人は「本当にびっくりした」と振り返る。班目氏は後の国会答弁で「事実上ゼロという意味だ」と説明するが、当時の官邸は「専門家の意見として大変重く受け止め」(福山哲郎官房副長官)、首相は安全委や保安院に再臨界の可能性の検討を指示した。

 原発の現場では午後7時4分に吉田昌郎所長の判断で独自に海水注入を始めていた。電話で保安院に連絡したとする東電に対し、保安院側は確認できないと説明。一方、連絡役として官邸の会議に参加していた東電の武黒一郎フェローはその前後に現場に電話して注水開始を知り、「官邸で再臨界の可能性を議論している。本店と対応を協議してはどうか」と伝えたが、官邸側に注水開始は伝えなかった。

 東電内の協議の結果、「政府の判断を待つ」として同25分に注水は中断。再開は同8時20分。同7時40分に保安院などが「再臨界はない」との検討結果を報告し、首相が海水注入を指示した後だった。

 中断を巡る混乱は、事故発生当初、政府に東電の情報がほとんど届いていなかった実情を浮き彫りにした。12日は未明から朝にかけ、原子炉内の蒸気を放出し、圧力を下げる「ベント」実施を首相や枝野氏らが東電に繰り返し要求。しびれを切らした首相が早朝にヘリで原発に乗り込み、直接ベントを求めるなど、東電への不信感が高まっていた。

 水素爆発の報告も遅れた。枝野幸男官房長官は再臨界検討の会議には出席せず、午後5時45分から記者会見に臨んだが「何らかの爆発的事象があった」としか説明できなかった。原発への国民の不安をかえって高めたと批判されたが、政府筋は「東電の報告が来る見通しが立たず、会見をこれ以上遅らせられない、と判断した結果だ」と明かす。

 結局、政府と東電の情報共有が円滑になり始めたのは、首相が両者の「統合本部」設置を指示し、細野豪志首相補佐官が東電本店に常駐するようになった15日早朝以降のことだった。

 ◇野党の格好の攻撃材料に

 中断を野党が問題視し始めたのは、20日に一部で「首相が中断を指示」と報道されてから。自民党の安倍晋三元首相は同日夜、記者団に「首相が『俺は聞いてない。ふざけんな』と注水を止めた。ただちに職を辞すべきだ」と批判。倒閣の好材料として、谷垣禎一総裁も23日の衆院東日本大震災復興特別委員会で追及した。

 首相は全面否定で野党側の攻勢をかわしたが、その後も政府の危機管理能力の低さを示す「新事実」が相次いで発覚。野党に攻撃材料を与え続けている。

 班目発言を巡る混乱では、安全委事務局の加藤重治内閣府審議官が政府の当初の発表の前に「(政府発表は)違うんじゃないか」と異議を唱えていた。しかし、発表にあたった細野首相補佐官は「居合わせた人に確認した」と退け、班目氏にも直接確認しなかった。