乗用車全体で12.5%の2ケタ減と2カ月連続のマイナス!
■1~6月の上半期車名別ではプリウスが2年連続トップ
今回は、日本自動車販売協会連合会(自販連)、全国軽自動車協会連合会(全軽自協)、日本自動車輸入組合(JAIA)が発表した6月の販売データからマーケット概況をチェックしていこう。まず輸入車、軽自動車を含め、国内で販売された乗用車総数は37万8709台、前年同月比は87.5%(貨物車、バスを含む新車総販売台数は45万828台、前年同月比89.2%)と、2カ月連続で前年を下回った。
特に5ナンバーの小型乗用車が11万6805台、前年同月比22.8%減と大きく落ち込み、3ナンバーの普通乗用車は11万6371台で同11.5%減、軽乗用車も14万5533台で同2.9%減と2カ月連続の前年割れとなった。ただ東日本大震災前の10年6月と比べると、全体では0.4%増とわずかながら上回っており、軽乗用車は10年6月比30.8%増と、昨今の軽人気を象徴するデータになっている。
輸入車を除く日本メーカー製乗用車(タイ生産の日産マーチ2545台、日産ラティオ684台、三菱ミラージュ846台含む)は34万9524台で前年同月比85.9%(軽乗用車を除く3/5ナンバー乗用車のみでは20万3991台、同79.4%)。日本メーカーブランド合計ではスバルと三菱以外は前年を下回り、トヨタ、ホンダ、ダイハツは21.1%減、21.4%減、24.5%減と大きく下落した。
軽乗用車を含む月間ランキングは、「トヨタ プリウス(α含む)」が2万1809台(前年同月比23.4%減)で2カ月連続トップ。2位は「トヨタ アクア」で2万294台(同19.1%減)。以下、3位「ダイハツ ムーヴ(コンテ含む)」1万8179台(同21.4%増)、4位「ホンダ N BOX(+含む)」1万7693台(同23.4%減)、5位「スズキ ワゴンR」1万7272台(同6.6%減)、6位「日産 デイズ」1万2232台(初登場)、7位「ホンダ フィット(シャトル含む)」1万2189台(同44.8%減)、8位「ダイハツ ミラ(イース、ココア含む)」1万1954台(同44.8%減)、9位「日産 ノート」1万1338台(同164.5%増)、10位「ホンダ N-ONE」1万908台(12年10月発売)と続き、トップ10に6モデルの軽が占めた。
今年1~6月の上半期累計では、プリウス(α含む)が13万2472台で、前年同期比27.1%減ながら2年連続トップ。2位は136台差の13万2336台でアクア、以下、3位N BOX(+含む)11万8303台(同13.9%増)、4位ムーヴ(コンテ含む)11万4101台(同32.5%増)、5位ワゴンR10万4569台(同4.6%増)と、トップ5はハイブリッド車(HV)と軽が分け合う形になった。
輸入乗用車は海外メーカー製のみでも2万8835台、前年同月比114.3%(日本メーカー製を含む輸入乗用車全体では3万3260台、同113.5%)で、14カ月連続で前年を上回った。海外メーカー製ブランド別乗用車ランキングではVW(フォルクスワーゲン)が6662台、前年同月比15.8%増で6カ月連続トップ。2位メルセデス・ベンツ5734台/同30.8%増、3位BMW(ミニを除く)4867台/同4.0%増、4位アウディ2930台/同21.9%増、5位ボルボ1601台/同16.2%増と続き、V40が好調のボルボがミニを抜いてトップ5入りを果たした。
ココも気になる! その1
■アコードから始まったホンダの新車攻勢に注目
N BOXのヒットで昨年、国内No.2の座を日産から奪い返したホンダ。今年に入って、「N-ONE」も好調な売れ行きとなり、ホンダの軽乗用車部門は1~6月の上半期で19万5469台、前年同期比35.7%増と快調に伸びている。
その一方で苦戦しているのが3ナンバー普通車と5ナンバー小型車の登録車部門。昨年も登録車部門のみではホンダ42万3701台、日産43万7052台(マーチ、ラティオ含む)で日産に及ばなかったのだが、今年上半期ではホンダ15万5788台(前年同期比42.1%減)、日産22万9416台(同6.4%減)と、7万台強もの大差をつけられている。主力の「フィット」がモデル末期で、売れ行きがほぼ半減。「ステップワゴン」もライバルの「日産 セレナ」に1万6000台強のリードを許している状況だ。
そのホンダが6月の「アコード」のモデルチェンジから新車攻勢に打って出る。目玉は9月と言われるフィットのモデルチェンジだが、その後も「オデッセイ」、「ライフ」、フィットベースのコンパクトSUVと、11月の東京モーターショーまで立て続けにニューモデルを投入するというのだ。
先陣を切ったアコードはHV専用セダンということもあり、発売1週間で月間販売目標1000台の3倍強となる約3600台の受注を獲得。販売期間が10日ほどしかなかった6月も925台(プラグインHV含む)という実績を残した。日本では不人気のセダンながら、リッター30kmという軽並みの燃費性能はインパクト大ということだろう。
また新型フィットHVはアクアを上回る燃費を実現し、さらに自動ブレーキ機能なども搭載予定。トヨタにHVバトルを挑むとともに、新型軽の「デイズ」で反転攻勢に出た日産をも突き放そうとしている。今年上半期の新車販売でシェアが40%に迫った軽と、登録車部門で初めてシェア30%を突破したHVの両方にニューモデルを投入するホンダがNo.2の座を堅持できるか要注目だ。
ココも気になる!その2
■今年上半期の輸入乗用車ランキングをチェック!
輸入車の販売データを集計している日本自動車輸入組合(JAIA)から、今年上半期の海外メーカー製乗用車ランキングが発表されたので、トップ10を中心に紹介しよう。
1位は「VW ゴルフ」シリーズで8395台(前年同期比64.5%/前年同期ランキング1位)、以下、2位「BMW ミニ」シリーズ8298台(同100.7%/同3位)、3位「BMW 3シリーズ」7783台(同192.6%/同7位)、4位「メルセデス・ベンツ Cクラス」7048台(同90.5%/同4位)、5位「VW アップ!」6898台(12年10月発売)、6位「VW ポロ」6592台(同74.5%/同2位)、7位「VW ザ・ビートル」5825台(12年6月発売)、8位「メルセデス・ベンツ Aクラス」4543台(13年1月発売)、9位「BMW 1シリーズ」3933台(同73.0%/同5位)、10位「メルセデス・ベンツ Eクラス」3880台(同89.8%/同6位)となった。
トップ10に4モデルをランクインさせたVWは上半期累計3万2840台、前年同期比13.6%増と上半期としては過去最高を記録。6月から販売開始となった新型ゴルフは、すでに3000台以上の受注を集めており、この勢いがしばらく続きそうだ。
また今年2月に発売された「ボルボ V40」シリーズは3766台で11位。昨年上半期6位だった「60」シリーズも2748台で15位につけ、上半期累計7286台、前年同期比11.2%増と好調なボルボに二枚看板が揃ったといえそうだ。
このところすっかり海外メーカー製ブランド別ランキングで、VW、メルセデス・ベンツ、BMWに次いで4位が定位置になったアウディは、トップ10入りモデルはないものの、「A1」シリーズが2815台で14位、「A4」シリーズが2621台で16位、「A3」シリーズが2211台で17位と堅調な売れ行きをキープ。上半期累計で海外メーカー製輸入車のシェアが8.1%と半期ベースで過去最高となっているだけに、各海外メーカー製ブランドの今年後半のニューモデルにも期待したいところだ。
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