同居前、母は十年以上一人暮らしだったが、ミルクパンぐらいの幅で少し深めの片手鍋を揚げ物専用にして時々唐揚げや天ぷらを作っていた。油は大きいプラボトルのサラダ油しか使わない。数回サラダ油を鍋に足しては揚げ、切り上げるとき透明のプラ容器に飴色になったサラダ油を移し、毎日午後いっぱいさんさんと直射日光がそそぐ窓辺に置いていた。これを何週間か炒め油としてフライパンに敷く。なくなったらまたくだんの片手鍋にサラダ油を入れて揚げ物を作る。この片手鍋やフライパンは基本的に洗わない。せいぜいふき取るだけだ。母の辞書に酸化の文字は無い。
今も思い出したようにスーパーでコロッケを買ってくる。自分が好きだからわたしが喜ぶと思っている(泣)いらないといっても忘れてしまうから止めようがない。