仕込みマイクは難しいのです | recordingmanのブログ

recordingmanのブログ

音声さんの撮影経験を書いていましたが、書籍化したのでそれ以降は日常や仕事の事を書いていこうかと思っています。
セミナーに使うようなネタや記事も増やしていこうかと思っています。

いろいろなテレビ番組の仕事をさせてもらった。

 

 番組によりいろいろと個性が違いそれも面白かった。

 

 カメラマンやディレクターによっても個性があった。

 

 テレビを見ていてもカメラマンこの人かなっ?

と思う事もあったり、Dはあの人かなっ?とか、

テレビの見方が仕事になったのも自分がテレビの仕事をするようになってからだ。

 

 テレビの仕事をするようになってからよく言われるのが、

 

 「音声さん、ピンマイク付けてください。」

 

 この一言から現場が始まることがある。

 

 前に書いたが、この言葉は好きではない言葉だ。

 

 テレビ番組制作から仕事を始めたカメラマンやディレクターは経験上、まずは出演者にピンマイクを付けることから始める傾向が多い。

 

 とりあえずピンマイクを付ける。

 

 自分も番組をやり始めたころはそうしていた。

 

 テレビ番組はそういうものだと思っていたのでそうしていた。

 

 Dがどうしたいのかとか、場面や番組のシチュエーションなど打ち合わせてから決めたいのだが、

とにかくピンマイクを付けて声さえ収録できれば良いと言う風潮は何年たっても受け入れることが出来ない。

 

 明らかにテレビ番組の取材なのに、

「マイクが見えているのは不自然だ、普段からマイクを付けている人なんかいない。」

だからマイクが見えているのは不自然だ。

 

 と言うDもいるがこれはその人がマイクが見えているのが好きでは無いだけで番組の構成などには関係がない事情だと思う。

 

 音的には仕込んでノイズが出るリスクがあるのなら仕込みたくないこともある。

 

 衣装の関係で仕込むことでうまく収音できない可能性のあるときもあるからだ。

 

 女性の衣装などで胸元が開いているものや、最近ではストールやマフラーを巻くことが多い。

 

 大き目のペンダントを付けていることもある。

 

 外してもらう事もあるが、スポンサーの関係や衣装さんの事情などもあるので全部が全部外してもらえるわけではない。

 

 初めてのテレビの撮影現場に若い女の子が自前の衣装で来るときに流行りの格好をしてきてびっくりすることがある。

 

 初めてだから致し方が無いが事務所も最低限のことは教えてほしい。

 

 大き目のネックレスを何重にも首にかけてきて歩くだけでジャラジャラ音が鳴る。

 

 奇抜過ぎて取材対象よりも衣装に目が行ってしまうなんてことが無いようにしてほしい。

 

 ジャラジャラ鳴らしながら来た女の子は教えてあげたら次回からは考えて衣装を持ってきたりしてくれたので教えてよかった。

 

 初めての現場でいきなり頑張ってきて来た服のダメ出しから始まるなんてびっくりしたであろうが、この件ですぐに仲良くなり十数年立つが今では仲の良い友人関係が続いている。

 

 なので、いきなりマイクを付けてではなく、打ち合わせをさせてほしい。

 

 

 こういう時は、不自然だとか言うのではなく一言

 

 「マイクは隠しで。」

 

 の一言で済むので言い訳めいた理屈を言わないほうが音声としては素直に受け入れやすい。

 

 この一言で、この仕事は仕込みなんだな。

 

 どう仕込もうかな?

 

 このデザインで布がこんな感じの布で、

 

 動き的にはこうなるのならここにこんな風に仕込むしかないな。

 

 なんて感じでスムーズに仕事ができる。

 

  私がめんどくさい人間なのかもしれないが、少なからず同じことを心の中で思う人も多いはず。

 

 仕込みは難しいのです。