音声のずれをシフトし、ボリュームを一定化した後は


今度は無音部に入っているホワイトノイズの削除です。


人間の耳は面白いことに、前後の無音部に入る音声を認識して脳内で平均化します。


つまり前後の音声が無音であればそれだけでもかなりノイズの低減をかんじられるんです。




そこで使うのがノイズゲートで、これは音声を一定レベル以下の音声と以上の音声に分けて、


一定以上の音声と以下の音声の間に境界線を作り、そこを基準にフェードイン・アウトすることで


きわめて自然に不必要な無音部のノイズを消してしまう機能です。




で、実際にはどうするかですが


まず前回と同じように「すべて選択(A)」で全体指定をし

ノーマライズ 後


上のメニューバーから「音量(D)」→「ノイズゲート(O)」を選択、するとこんなウインドウが出てきます。

ノイズゲート


さて、ここで用語解説なんですが左から順番に説明させていただきます。


・スレッショナルド(アタック、トリガー等)

 音声を消すそのスタート点からどれくらい前までを残すかの値で、値が大きすぎるとちょっと小さめの

 自分の声まで消えてしまう上、同じ人の声でもレベルが一定しない為、プレヴューを聞きながら

 丁度良い値を探す必要があります。


・リリース

 音声を消すその終了地点からどれくらいはノイズを残すかの値で、あまりに小さすぎると声の終了部が

 立ち消えてしまうことがある為、適度な値を探す必要があります。スレッショナルドよりはある程度

 値の強制力が緩やかな様で、ある程度は固定値でも良いかも知れません。


・RMS

 ゲートのかかり方の強弱値で、値が大きければ大きいほど強くエフェクトをかけます。ある程度強め

 にかけて徐々に弱くしていって、丁度良いところを探すのが良いでしょう。


・ステレオリンク

 L=Rの音声の差を埋めます。録音音声は録音時にかなりの差が生まれる事が多いですので、

 出来る限り最大値をとりましょう。


・ボリューム

 ボリュームの増幅値です。ゲートでノイズを低減すると、全体的にレベルが下がりますので、大きさを整え

 る為にもうレベルを調節します。



こんな感じでしょうかね


ちなみに今回の音声は元の音声から

スレッショナルド:-20.5

リリース     :378.5

RMS       :354.4

ステレオリンク :50

ボリューム    :-5.0

でエフェクトしました。するとこんな感じになりました。


ノイズゲート 後


見た目にだいぶ変わりましたね。ここまで来ると一番最初からは全く変わってきています。



今回は使用前使用後を載せますね


listen 録音テスト 無調整


listen 録音テスト ノイズゲート前


listen 録音テスト ノイズゲート後



聞いてみてもだいぶ変わったんでは無いでしょうか?


でもまだ少々ノイズが入っているし、ノイズゲート前よりも音声が小さい様に感じませんか?


そこで次は全体に入っているノイズを低減するエフェクトをかけていく作業を行っていきます。