ヤシカ Half14 の二つのシャッターユニットです。

どちらも試行錯誤しながら分解&組立をして昨日B(開放)がちゃんと機能するようになりました。

 

 

本日(2025年03月04日)は起きたらなんかやたらと寒かったです。

寒い中作業部屋へ赴き早速昨日手を入れたシャッターユニットの動作確認をするとベルハンマーゴールドと黒煙を塗布した方はやはりB(開放)が機能しなくなっていました⤵⤵⤵

ところが!

なんと黒鉛のみを塗布したシヤッターユニットの方までB(開放)が機能しなくなっているじゃないですかぁ!!!

一体どうしてなんだろう?

しばし黙考してから『あっ、もしかして寒いから?』と思い作業部屋の暖房のスイッチを入れて10数分後に再び試てみたらどちらもB(開放)が機能するようになりました。

 

 
こちらは黒鉛のみ
 

 

こちらはベルハンマーゴールド&黒鉛

 

どちらもしっかりB(開放)が機能しています。

しかし温度の影響というか温度が低いとまともに動かなくなるようじゃぁ益々ベルハンマーゴールドのような潤滑油は使えないですね。

それに黒鉛のみの方も機能しなくなるなんて...。

フィルムカメラってこんなに温度に敏感なんでしたっけ?

それとも残念ヤシカクオリティなのでしょうか…。

 

まぁ、それはさておき今回の実験の結果から

ベルハンマーゴールド ✖

黒鉛         ◎

という事になるかと思います。

ベルハンマーゴールドはベルハンマーゴールド自体の性能が悪いのではなく、このような使い方に適さないという意味です。

ほんらいの使用環境下であればベルハンマーゴールドはすこぶる優秀だと思います自動車やバイクであれば使ってみたい箇所が沢山頭に浮かんできます。

5~10回もベンジンを流し込んでようやく機能すようになったという事は大分ベルハンマーゴールドを流し出したという事になるのでないも同然でしょう。

対して黒鉛はドライな環境で使えるので非常に重宝します。シヤッター羽根に振りかけるだけでもかなりの効果がありました。フライホイールの軸に塗布する時はIPAか無水エタノールを含ませてから使えば良いかもしれません。

 

以上となります。

 

 

さて、ここからは約二年前に自分で分解&修理した Half14 を再び修理します。

自分が修理したカメラの二年後はどんな状態になっているかを学べる良い機会だと思います。

ちなみにシリアルナンバーは H48041340 です。

 

 

不具合の原因はファインダー内の露出計の針が動かない事でした。

分解して確認した所、取れて無くなってしまった針を修復するために太さ0.1mmという銅線をハンダ付けするために使ったフラックスのせいです

 

 

フラックスには塩化亜鉛が含まれていたために針をハンダ付けしたアームの軸部を腐食させてしまったんです。

 

 

取付ネジがこんなに錆びてしまっています。

修理に使う材料の成分にも注意をしないといけません。

今回は一つ反省しました。

ここまで錆びてしまってはもうどうしようもありません。

露出計ユニットを丸ごと交換するしかありません。

部品取り機から提供してもらいます。

 

 

しかしベルハンマーゴールドの実験に使った個体がバラバラの状態なので先にこちらを元の状態に近い仮組を行います。

このシヤッターユニットは今後も定期的にチェックして動作確認を行っていきます。

もし今後もずっとB(開放)が機能するようであればベルハンマーゴールドの使用を再考しようと思います。

 

 

もう数十回近く分解&組立しているので動作確認関係なしの仮組だけなら一時間もかかりません。

 

 

露出計ユニットを提供してもらう個体です。

一見キレイなので修理して復活できそうなのですが…。

 

 

このように後蓋の塗装にミミズのような痕があります。

これでは復活させようがありません。

部品取りに使うしかありません。

これは地金が塗装の下で錆びてしまっている時に出る症状です。

ヤシカはこの様な塗装の劣化やその下地の地金の腐蝕している個体が多いですね。

エレクトロ35のブラックボディの塗装なんかは最悪です。

 

 

軍艦を外して露出計本体に直接1.55Vの電圧をかけて動作を確認します。

が…。

何かが変です。

それと露出計の針の形状がちょっと変です。

 

 

ファインダーの蓋となる紙がありません。

私はこのカメラを分解するのは今回が初めてです。

よく見ると接着剤の跡があります。

なぜ蓋の紙がないのでしょうか?

一見したところ過去に分解された痕跡は見当たらないのですが。。。

そしたら床に蓋の紙は落ちていました。

 

 

この小さな基板をUSBポートに差し込むと直流電圧最大15.0Vだったか?まで出力できます。

左のつまみを回して1.55Vにセットします。

 

 

露出計本体は通電していない時は針が右側にあります。

 

 

そして通電させると針が左に来ます。

このことから露出計本体は問題無く動作している事が確認できました。

 

 

前板を外すために底蓋を外すのですが…、電池室の蓋が随分と緑色になっていますね。

となれば

 

 

そうですね

電池が入っていますよね。

 

 

でもこれ、かなりひどいですね。

今までで一番腐食した電池ですね。

全然取り出せません。

 

 

ようやく何とか電池を取り出せましたが、真っ赤に錆びてます!

こんなの初めてです。

 

 

赤錆を大体除去したのですが電極迄錆びてメッキが剥がれてしまっています。

再利用できるかなぁ。

そして驚いたことに電線もハンダ付け部は全く腐食していませんでした!

液漏れはしていなかったってことですね。

 

本日はここまでとさせていただきます。