キヤノンのDemi EE17 壱号機です。
これが四台の内の最後となります。
画像のようにレンズフィルターが付いていた(レンズキャップも付いていました)お陰ではないかと思うのですが前玉レンズの状態がかなり良いみたいです。
しかし外観はホコリや汚れが著しく、ファインダー内もかなり汚れているし、トドメはこれまた露出計が動きません。
もしまたもやcds素子に問題があるようであれば交換できる部品はもう無いかもしれないのでその場合はレンズのドナーになってもらうしかありません。
シャッターユニットはキチンと動作しているみたいです。
ですが部品取り機にするにはちょっと勿体ない気がします。
ついでにレンズの状態を青色LEDで確認してみました。
フィルターレンズのおかげで前玉は極上のコンディションを維持していましたが後玉は汚れなのかカビなのか薄クモリなのかはわかりませんが交換が必要なようですね。
以上の検品の結果から考えると…、取り敢えず前板を外す事にします。
その段階で次にどうするかを考える事にします。
もう三回もやっているので今後は分解&組立作業の詳細は割愛させていただきます。
興味を持っていただけると思われ部分だけをピックアップして記載していきます。
電池室は恒例の通り腐食で断線しています。
露出計側もやはり腐食していました。
ただ今迄よりは継承のような感じはするのですが動作テストしてみても針は動きませんでした。
cds素子の抵抗値は明るさを変えると変化するので使えそうなのですが…。
後ほど改めて考えます。
ここまで分解して前板を取り出せましたので後玉を取り出します。
軽くクリーニングしたのですがこの状態でも薄クモリが確認できるのでダメです。
使い物になりません。
取り敢えず程度がそこそこ良さそうなのを二個見繕いました。
これら三個のレンズの良いとこ取りで一個を仕上げる事が出来ないかやってみます。
結果的に出来上がったのがこの後玉です点状の薄クモリはありますがかなり透明度が高いです。
ですが前玉がとてつもなく極上なコンディションなので少々残念です。
ファインダーです。
こちらも三個のファインダーからの良いとこ取りで一個を仕上げました。
黄色矢印のハーフミラーとレンズを交換してエポキシ接着剤で固定しました。
赤色矢印の眼球側のレンズを交換してエポキシ接着剤で固定しました。
エポキシ接着剤の完全硬化のために一晩このままにしておきます。
露出計を更に分解してcds素子だけの状態にしてテスターでもう一度抵抗値を計測してみました。
そしたら0Ωでした。明るさの変化にも反応していません。つまり導通していなかったのです。
奇蹟的にまともに動作しそうなcds素子が一つだけあったのですが色々といじっていたら端子が根元から折れてしまいました⤵⤵⤵
仕方がないので左の画像のように端子が赤色矢印のように極端に短くなってしまったcds素子の抵抗値を計ってみたら抵抗がありまして光の変化にも反応したのでこれならワンチャンの可能性があるかもしれないとハンダ付けで端子を延長しました。
端子を伸ばしたcds素子を露出計に固定します。
コイルを取付けて配線をハンダで結線しました。
露出計単体で動作チェックをしてみたら動画のように動きました。
光の増減にもそれなりに反応しているようなので期待が持てそうです。
取り敢えず露出計は組み上がったのでこのまま保管しておきます。
今度は前板に取り掛かります。
シャッターユニットはシャッター羽根にも絞り羽根にも油分による作動不良はありません。
マニュアル絞り制御機構もAUTO絞り制御機構共に動作はとてもスムースです。
フォーカスリングも丁度良い感じの硬さです。
ですので今回はこのまま何も手を加えないで再使用します。
フォーカスリングをヘリコイドリングと解決させてフォーカスリングだけを30度程度左回転させてから再びヘリコイドリングと連結します。
これは無限遠のピントの再調整の準備となります。
無限遠のピントの再調整をすると十中八九が現在の無限遠位置よりも奥(右回転方向)になるからです。
今回はここまでとさせていただきます。
次回は無限遠のピントの再調整からとなります。