キヤノンの Demi EE 17 四台です。

 

 

前回はケーキ台に載っている四号機を治してきましたが、今回は上の方でひっくり返っている参号機を治していきます。

 

 

電池が挿入された状態で放置されていたため液漏れが発生しその液体で蓋のネジ部が腐食して固着してしまい蓋が外れなくなってしまっています。

もはやコインスパナなんかで緩むようなレベルではありません。

 

 

底蓋の電池室の周囲の黒い部分にブツブツが発生しています。

これは塗装の下の地金が液漏れのせいで腐食している証です。

Demi EE17 は電池室の蓋が外れないと底蓋を外せません。

そうなるとが修理をする事ができません。

 

 

蓋の周囲にCRC3-36を垂らして浸透させて緩まないかと思ったのですが一週間経っても全く変化が無いので強制的にこじ開ける事にします。

卓上ボール盤で電池室の蓋にΦ1.5mmの穴を2個開けます。

 

 

こんな感じになります。

何か見たことあるような形状ですね。

そうですこの穴にカニ目スパナを掛けて蓋を緩めるのです。

 

  

 

しかし左のカニ目スパナだと力を掛けると赤色矢印のアーム部がしなってひん曲がってしまい使い物になりません。

ですので右の頑丈なカニ目スパナの黄色矢印の先端部を右の画像の丸タイプに付け替えて力をかけてみたのですが、この先端部には『焼き』が入っているので必要以上に力を掛けると欠けてしまいます。

 

 

であればと更に強力なカニ目スパナを使うために再び穴を今度はもう少し幅を広くして開けます。

 

  

 

これなら力を掛けられるし最悪の場合はハンマーでショックを与える事もできます。

が…。

先端部の形状が円錐(テーパー)上になっているために穴に差し込んで力を掛けると滑って抜けてしまいます⤵⤵⤵

しかもよく見るとすでに少し曲がっています。

 

 

 

グヌヌヌ...。

こうなったら最悪は底蓋と一緒に破壊してしまう覚悟で挑みます。

そのためにモナカに傷を付けてしまわないように革を剥がしてモナカを外し更にはフィルム室の蓋も取り外しておきます。

 

 

電池室の蓋にさらに大きな穴を開けて最終的には二つに割ってしまおうと考えていたのですが、その前にこの段階で違う方法で緩まないかトライしてみる事にしました。

 

 

これはいわゆるコインドライバーというものです。

フィルムカメラの電池室の蓋は硬貨を使って緩めますがそれと同じような物です。

ただこれだとあんまり力を掛けることが出来ないんです。

通常ではね。。。

 

 

しかしこのここまで幅広に穴が開いていればひょっとしたらしっかりと力をかけられるかもしれません。

 

  

 

コインドライバーを画像のようにバイスでしっかりと咥え込みます。

 

 

 

そしてコインドライバーを幅広の穴に差し込んでカメラ本体を緩める方向に回転させます。

 

 

やりました!

遂に蓋が外れました!

 

 

しかし電池がスゴイ色になっていますね。

蓋と底蓋は部品取り機から拝借します。

 

 

電池室は再利用できそうですけど ASA ダイアルは再利用しないで交換した方が良さそうです。

これはちょっと意外でした。

 

 

電線が腐食で溶けてしまって断線しています。

この状態だと電線が上部の露出計の近くまで腐食している可能性があります。

 

もうここまでやると修理とか分解とかのレベルじゃなくて破壊しているような感じになります。

ヤシカのHalf 14なんかは電池室の蓋が外れなくても底蓋を外すことが出来るのですがキャノンのDemi EE17は電池室の蓋が外れないと底蓋を外す事ができないので修理の手が入らなくなってしまいます。

ですからDemi EE17を入手する際は電池室の液漏れには充分に注意してください。

電池室の蓋の周りに青緑の緑青が出ているような個体は避けるべきです。