日常のテスト撮影やカメラの露出計の精度チェックの際に使用しているSEKONIC (セコニック) 露出計です。

 

 

今回の主人公は左の黒いオートリーダー L-188になります。

右のマイクロリーダー L-98は修理に失敗したのか表示値がL-188に較べ+3.0となっています。

更に受光部の向きを少しだけ上下左右に動かすと表示値が±2.0ぐらい変わってしまいます。

L-188 の受光部の入射角度が60度なのに対し

L-98 の受光部の入射角度が40度と狭いのが原因なのでしょうか。

このため L-98 は現在ほとんど使っておりません。

 

 

こちらはミノルタのスポットメーター Mです。

流石スポットメーターなだけあってかなり正確なのですが、受光部の入射角度がたったの1度しかないので(だからスポットメーターなんですけど)レンズが捉えた光や画像と全く同じ物をレンズを通して直接眼で視ることができる一眼レフカメラならば非常に有用な存在だと思いますが、レンジファインダーやゾーンフォーカスのカメラ用には果たして適切なのかどうか疑問?に感じる部分もありまして最近では L-188 一辺倒になっております。

 

 

とはいえ現在使っている L-188 は完全なジャンク品で入手しました。私の手元に届いた時は動作不動でど通電もしていませんでしたので接点の腐食除去や新しい電線の引き直しその他等を行いました。その作業中に露出計の指針に直接ハンダ付けされている『ひげゼンマイ』を少々 ビィヨォ~ン! と伸ばしてしまった可能性があるため露出期の精度に今一つ自信がありませんというか疑念が残り続けております。

そこで今回同じ機種であるL-188をもう一つヤフオクにて購入して両方を比較しながらテストしてみて表示値の差が有るのか無いのかをチェックしてみてその結果で現在使っている L-188 の正確性を判断しようと思います。

画像は左が今回新たに入手した L-188 ⇒ かなりキレイで純正のケースやストラップまで付いています。

右が現在使用している L-188 です。⇒ やさぐれ感がそこそこあります。

中心にある LR44 電池が今回双方に使用する電池です。(公平を期するため同じ電池を使用します)

 

 

裏面&電池室です。

左は電極やバテリーチェックボタンが全く腐食していません。

右の現在使っている方は腐食した緑青を除去したために一部メッキが剥がれています。

 

 

電池の電圧はご覧の通り 1.574V です。

この一個の電池を双方で使用します。

 

 

作業机の椅子から見えるこの窓へ露出計を向けて計測してみます。

 

 

これらの L-188 を含め多くの露出計は電源をOFFにしても計測結果が残るようになっていて

後でじっくりと読み込めるようになっています。

 

 

計測結果は両者ともに ASA400 で 1/500秒 F4.0 となり一致しました!

今回購入した L-188 はどちらかというとジャンク品扱いになります。

しかしコンディション(状態)が非常に良い事から信憑性はかなり高いかと思います。

また、両者がの計測値がここまで一致したというのも正確性の根拠となるでしょう、

そして今までのテスト撮影の結果が良好だったことが更にその精度の正確性を裏付けていると云えます。

正確性における理由はこれだけあれば充分だと思います。

 

 

これで二つの露出計の精度は正確であるという結論に達したので次に進みます。

今回新たに購入した方の L-188 はバッテリーチェックボタンを押すと針の位置が定点で止まらずに左右にグヮングヮンと

振れてしまいます。

恐らく接触不良だろうと思われるので露出計の蓋を開けて不具合を修正します。

 

 

往々にしてバテリーチェックの回路は本回路(今回は露出計の本回路)とは関係なく独立しています。

独立というか『直結』の回路となっています。

画像の赤矢印の位置の銅板の裏側が接点となっているのでその接点を『接点クリーナー』で洗浄します。

これで不具合は解消されバッテリーチェックボタンは正常に作動するようになりました。

 

 

(画像は今回購入したL-188の内部です)

 

現在使用している方の L-188 は購入時全く動作しませんでした。

電極部の腐食・緑青

電線の腐食による断線

そして針というかその直近のコイルに繋がる『ひげゼンマイ』の端部水色矢印部分が断線していました。

 

(画像は今回購入したL-188の内部です)

 

スマホのズーム(拡大)機能では拡大しきれないため最近購入したUSBでPCに接続できる低倍率の電子顕微鏡で撮影しました。

黄色矢印の部分が外れていた部分でこれが水色矢印の部分に見える『ひげゼンマイ』の端部です。

ここを再ハンダ付けした際に『ひげゼンマイ』をビィヨォ~ンと伸ばしてしまったんです⤵⤵⤵

ここは非常に精密な部分と思われるので『ひげゼンマイ』をビィヨォ~ンと伸ばしてしまった事で『ひげゼンマイ』の張力を変えてしまったのではないかと今まで心配していたんです。

その結果この露出計の計測値に狂いが生じているのではないかと今まで心配していたのです。

が、もうその心配は不要となりました。

露出計の修理に挑戦される方はくれぐれも『ひげゼンマイ』の取り扱いにお気お付けください。

 

 

というわけで

デジカメによる無限遠のピントの再調整に続き

これでまた一つ不安が解消されました。

 

古いフィルムカメラを所有し、愛し、実際に撮影される方にとって露出計の存在は良いこと尽くめです。

持っているに越したことはありません!

現行の露出計だとその高価格さに二の足どころか三の足を踏んでしまい購入を断念してしまいます。

ですが昔のフィルムカメラは現代の高価格・高性能な露出計の必要は無く

同世代・同年代の中古露出計で十分対応してくれると思います。

それならば値段もそれなりで入手できるのではないでしょうか。

以下は国内露出計メーカーとしては有名なSEKONIC(セコニック)のホームページの一部です。

 

取扱説明書・カタログダウンロード:露出計・カラーメーター・照度計:株式会社セコニック

 

ここには過去に同社が製造販売した露出計の取扱説明書が網羅されています。

これを参考にされて自分好みの、自分に合った中古の露出計を安価に入手されるのも良いかと思います。

この取扱説明書一覧を参考にされる際のヒントとして、まずこの一覧は下に行くほど古いモデル(機種)になっているようです。

我らが愛するカメラと同年代の露出計となれば当然下の方のモデル(機種)となるでしょう。

そしてこの一覧の使用電池の欄に注目してください。

モデル(機種)によっては現在はもう生産されていない電池が使用されているのでこれらは除外しましょう。

また、使用電池の欄が『空白』になっているモデル(機種)『セレン式露出計』の可能性が高いです。

その辺を気にしながらモデル(機種)選定すると良いかもしれません。

ちなみに L-188 が使用する電池は LR/SR44 です。