レンズの分解&清掃デスマーチ  ミノルタ編です。

 

 

あまりにも本シリーズの回数が多くなり過ぎてしまいシリーズの続きの意味を示す『その○○』といった記載が出来なくなってしまいました。

 


 

今回はAUTO ROKKOR 58mm F1.4 です。

F1.8よりレンズの口径が大きくなった分、今までの他社のレンズではF1.8の構造に一捻り加えた構造になっている感がありました。

シリアル番号は 1294673 です。

 

 

まずは前玉から外していきます。

毎度お約束の銘板を外します。

おや? こちらも毎度恒例のフィルターリングを固定する三本のネジはありませんね。

では前回のF1.8同様にちょっと色の違うリングナットをカニ目スパナで緩めたらフィルターリングが外れてきました。

このナットでどのようにしてフィルターリングを固定していたのかが理解できないのですが、とにかくフィルターリングは外れてくれました。

 

 

更に前回のF1.8同様前玉&後玉一体のレンズユニットがゴロッと本体から出てきました。

驚いたことにココまではF1.8とほとんど同じ構造です。

 

 

取り敢えずレンズの表面をクリーニングしてからレンズの状態を確認します。

フーム、前玉の中のレンズにカビが生えてますね。

 

 

後玉の方にも中にカビがありました。

前玉のカビが写っているだけかとも思っていたのですが、太陽光に当てて見たら別物でした。

 

 

レンズの内側のクリーニングとなりますと、例の『アクロマチックコーティング (AC)』が気になりますというか心配です。

ネットで調べてみたらそれでも何とかクリーニングする方法があるみたいですがとてもデリケートなコーティングのため細心の注意が必要です。

それでもレンズ内側に入っているホコリぐらいはエアブローで除去できるだろうと、後玉の一番手前のレンズを外してみました。

そのレンズの内側の反射をみると表側のレンズの反射と同じ色をしていたのでギャンブルでいつもと同じクリーニング方法で挑戦してみました。

 

 

するとカビの除去に成功しコーティングのダメージもありませんでした。

中心近くに見えるカビは前玉側に生えたものです。

 

 

今度は後玉のユニットを取り外して前玉の内側にアクセスしました。

同じくエアブローをしてみたらカビが吹き飛びましてカビの痕だけが薄っすらと残っていました。(画像では確認できませんが)

 

 

レンズの反射の色が先程の後玉の内部と一緒だったのでコチラも今までと同じ方法でクリーニング&拭き取りをしてみましたらこちらも見事に綺麗になりまして且つコーティングのダメージはありませんでした。

 

 

 

この様に前玉の前後どちらから見てもカビとカビの痕は確認できなくなりました!

よ~く目を凝らしてみると前玉の中に小さなチリのような物の混入が散見されますが、これ以上の分解手出しは危険な感じがするのでここまでにしておきます。

 

今回のクリーニングで方法を少し変更しました。

今まではクリーニング液を浸した綿棒でレンズをクリーニングしてからソフトティッシュで拭いてから仕上げにマイクロファイバークロスで乾拭きしていたのですが

今回はクリーニング液を浸した綿棒でレンズをクリーニングしてから直接マイクロファイバークロスで拭き取りました。

この方法が物凄くレンズを綺麗に仕上げることが出来たんです!

マイクロファイバークロスは洗浄(洗濯)可能なので複数枚持っておいて洗濯しながら回転して使用すれば作業効率がかなり捗ります。

 

その後さらにネットを検索したところ、弱く儚い『アクロマチックコーティング (AC)』は前玉の一番手前のレンズの裏側だけにコーティングされているようです。

ですから今回私がクリーニングした後玉等は問題無くクリーニングできたようです。

 

 

次にヘリコイドの簡易清掃を行います。

ヘリコイドリングを完全に取り外すことなく可能な範囲で古いグリスを拭き取り新しいグリスを充填したいと思います。

まずはフォーカスリングを∞の位置にして三本のリングを緩めてフォーカスリングを取り外します。

レンズ径が大きくなった分隙間が狭くなりドライバーが入りにくくなっていますね。

 

 

ヘリコイドリングのグリスはこの様に緑青が混ざっているのか薄緑色になってます。

それとこのレンズはかなりヘリコイドが飛び出す構造をしていますね。

 

 

 

この爪の位置よりヘリコイドが上に上がってしまうとヘリコイドリングが鏡胴から外れてしまいますので今回は要注意です。

 

 

古いグリスの除去及び清掃にはこれを使います。

 

 

3-36でベットリ状態ですが、丁寧に拭き取る事によりヘリコイドの溝が綺麗になります。

 

 

清掃後にモリブデングリスをヘリコイドの溝にしっかりと入り込むように薄く塗り込みます。

 

 

何回かヘリコイドを前後に回転させて馴染ませてからh実出たグリスを丁寧に拭き取ります。

 

 

フォーカスリングをアルカリ電解液で清掃します。

 

 

多少は文字が白くなりました

 

 

突然右のリングがレンズ本体から外れてきました!

 

 

このイモネジが三本緩んだようです。

改めて締め付けてから念のために緩み止めの接着剤を塗布します。

 

 

フォーカスリングを取付けた後にレンズユニットを本体に挿入します。

その際に赤矢印のピンが

 

 

本体側の赤矢印の溝に嵌るようにします。

 

 

リングナットでレンズユニットを本体に固定します。

 

 

フィルターリングにあるこの溝に

 

 

本体側のこのピンに合わせて挿入します。

 

 

そして銘板を取付けます。

この銘板がフォーカスリングを固定する役目を兼ねていました。

緑色がとても綺麗です。

 

 

後玉もこの後にもう一度最終クリーニングをして大分きれいになりました。

 

 

青色LEDの透過もこんな感じです。

 

 

外観も多少は綺麗になりました。

ヘリコイドの動きもとてもスムースになり、重すぎず軽すぎず丁度良い塩梅になりました、

 

『アクロマチックコーティング (AC)』にはとてもナーバスになってしまいましたが、

過去に手痛い大失敗をしているので仕方ない所です。

それ以外はとても素直で作業がやり易いレンズでした。