前回までのTakumarシリーズにはしてやられました。
入門用として適したレンズのはずなのですが、とんでもないトラブルを内包したレンズが二本もありまして大幅な時間を浪費させられつつも復活させることができませんでした。
今回よりミノルタの標準レンズをクリーニングしていきます。
一番手はAUTO ROKKOR-PF 55mm F1.8 です。
いわゆる『緑のロッコール』と呼ばれたレンズですね。
ROKKORレンズの練習にはもってこいです。
シリアルナンバーは 2434337 です。
このレンズはレンズの汚れよりもヘリコイドの動きがあまりよろしくないのでそちらを攻めて行きたいと思います。
銘板を外すとこのようになっています。
赤矢印の三本のネジを緩めてフィルターリングを外します。
また、この赤矢印の部分の溝ににカニ目スパナを掛けてリングナットを外します。
すると前玉ユニットだけではなくて絞り羽根ユニットや後玉ユニット一切合切がゴロッと外れます。
レンズユニットが外れるとこのようになります。
そして再び三本のネジを緩めて今度はフォーカスリングを外します。
このレンズはこの様にヘリコイドがかなり飛び出してくれるのでヘリコイドを完全に分離することなく、この状態で手を加えて行きます。
IPAでヘリコイドの歯車を清掃してみたのですがあまり良く古いグリスが除去できなかったので、CRC 3-36で清掃しました。
絞りリングの数字部分をアルカリ電解水で清掃しました。
上の数字との色の違いが判るでしょうか?
この後上の数字も洗浄しました。
ヘリコイドにモリブデングリスを塗布します。
薄めに且つ歯車の溝の中まで入るように塗布します。
塗布が完了しましたらヘリコイドを沈めこませます。
すると余分なグリスがヘリコイドの外周部に溢れてきます。
溢れたグリスを綺麗に拭き取ります。
動きがとてもスムースになりました。
重すぎず軽すぎず丁度良い塩梅になりました、
フォーカスリングとフィルターリングもアルカリ電解水で清掃しました。
ここからレンズのクリーニングに入ります。
今回はなるべく前玉と後玉の表面だけをクリーニングしてレンズの内側はなるべく手を付けたくないです。
とはいえ埃だらけですね。
というのも『緑のロッコール』で有名な緑色のコーティングはアクロマチックコーティングと呼ばれるものなのだそうです。
アクロマチックコーティングはすぐ剥げてしまうような軟らかいコーティングでしてレンズの内側のコーティングに使われているそうです。触れるとコーティングが傷つくため極力触れない方がよいです。
実は私過去にMC ROKKOR 85mm F1.7というレンズを分解清掃したら前玉の一番手前のレンズの内側のコーティングをごっそり傷付けてしまってお釈迦にしたことがあります⤵⤵⤵
あれは泣きました。。。
ですから今回はなるべく内側のレンズ清掃はしたくないのです。
後玉もホコリだらけなのですが、更によく見るとカビの痕のような薄クモリが存在しているようです。
それでも表面だけのクリーニングでもこんな感じに仕上がりました。
ただちょっと表面に線傷がありました。
後玉も蛍光灯下ではとても綺麗なのですが…。
青色LEDの透過だとこのように薄クモリがハッキリと見えてきます。
致し方が無いので後玉の一番手前のレンズの内側だけ分解してクリーニングしてマイクロファイバークロスで拭き上げました。
結果は大分良くなりました。
画像からはその違いが判りませんが…。
フォーカスリングを三本のネジで取り付けたらレンズユニットを落とし込むような感じで挿入します。
リングナットをカニ目スパナで締め込んでいってレンズユニットを固定します。
フィルターリングも三本のネジで取り付けて
仕上げに銘板を取付けようと思ったら…。
銘板の白文字が少し汚れた感じがあったので、アルカリ電解水で清掃しました。
前面はこんな感じです。
画像では見えませんがレンズに線傷が数本あります。
後面はこんな感じ。
こちらもレンズに線傷があります。
レンズ本体は清掃したせいかかなり見た目が良くなりました。
AUTO ROKKORって思ったよりも古い時代に生産されたレンズなので今回のようにレンズ表面に線傷があっても仕方ないのかな、とは思います。
それらの傷はおそらく撮影に影響するレベルではないんじゃないかと個人的には思っておりますが。
たしかミノルタのAUTO ROKKORレンズは世界で初めてのマルチコーティングレンズだったのではないかと思います。
AUTO ROKKOR レンズも非常に素直な構造をしていて精度も良くドッシリしているので(その分重い)分解&清掃作業は非常にスムースに行えます。
レンズユニットが前玉&後玉付いた状態の一体でゴロンと外れてくれるのでチョット驚きますが、それがまた作業のやり易さに繋がっています。
前回のTAKUMERシリーズに負けないぐらい入門用として適しているレンズではないでしょうか。
































