ペンタックスのAuto-Takumar 24mm F3.5 です。
かなり程度が良かったので清掃デスマーチで他のTAKUMAR広角レンズ達と一緒にチャチャッとクリーニング&拭き上げを行って終わりにしようと思っていたんですが、コイツ24mmだけがなんか変な症状を患っていたのでピンの記事に格上げしました。
後玉がちょっと汚れていたので分解してそちらは本当にチャチャッとクリーニング&拭き上げを行って終わりにしたんですけど…。
フォーカスリングが無限遠迄回転しないんです。
最初は3mでピタリと止まるように何か手を加えたのかと思ったりもしたのですが、よく見たら3mにも達していないじゃないですか。
それとフォーカスリングの3mと絞りリングのF8の文字が何故か赤くなっていてこの意味が解らなくて混乱していました。
そうしましたら、いつも私のブログを見ていただいている「いか太郎」さんより『』貴重なコメントをいただきました。
それによりますと距離と絞りをこの組み合わせにするとパンフォーカスになるという意味なんだそうです。
おかげさまで赤い文字の意味が解り解明のために費やす時間を節約することが出来て大変助かりました。
「いか太郎」さん、本当にありがとうございました。
ところでパンフォーカスって何でしょうか?
要は『被写界深度』のことです。絞りのF値を大きくして撮影するほどフォーカスでピントが合った距離の前後まで同じようにピントが合って写る現象を利用して撮影する映画業界での撮影用語だそうで和製英語なんだそうです。
英語では『ディープフォーカス』というらしいです。そりゃそうですよね、被写界深度なんだから。
だそうです。
私はパンフォーカスという言葉は知っていましたがその意味までは理解していませんでした。私と同じ方もいらっしゃるかと思いまして少し詳しく書いてみました。
いか太郎さんからアドバイスをいただいたことで改めてTakumar の広角レンズ達を見てみますと…。
24mm レンズは距離が3m, 絞りがF8 で赤くなっていて 1.3m~∞ までがピントが合うと表示されています。
28mm レンズも距離が3m, 絞りがF8 で赤くなってますが、こちらは 1.5m~∞ までがピントが合うと表示されています。
35mm レンズになると距離が5m, 絞りがF8 で赤くなってます。そして 2.2m~∞ までがピントが合うと表示されています。
なるほど!
レンズの長さが違ってくれば被写界深度も変わってきますからそれに比例して数値も変わっていますね。
こういったメーカーが意図する細かい部分の意味が判ってくるとレンズの使い方(テクニック)の向上に繋がるのではないでしょうか。
そう考えるとこの赤い表示は素晴らしいアイデアだと思います。
という事で私の一つ目の疑問は私の記事の読者様からのアドバイスで解決というよりも学ばせていただきました。
問題は次のトラブルです。
フォーカスリングが無限遠迄回転しない、できない件です。
過去に何かトラブルがあって一度分解されていて、その時の組上げ時にミスを冒したのでしょうか?
私にはそれくらいしか原因を予測する事ができないんですが…。
悩んでいても何も始まらないし解決もしないので
取り敢えず銘板を外してみました。
画像のようにこの状態で見た限りでは過去に分解された形跡は無さそうなんですが…。
ちょっと考える方向を変えてレンズをみていましたら、
どうやらレンズフィルター取付リングがフォーカスリングと接触してしまい(赤矢印)フォーカスリングが∞に向けて回転したくても(黄色矢印)これ以上回転できないように見えます。
そこで試しにレンズフィルター取付リングを取付けている三本のネジをゆるめてみました。
すると…。
あっさりと∞まで回転するようになってしまいました。
これって…。
ひょっとしたら…、本来ならレンズフィルター取付リングとレンズ本体の接合面の間にシムのようなスペーサーが入っているのではないでしょうか?
そのスペーサーを工場で製造時に挿入するのを忘れたのかもしれえません。
そうなると『最初からこうだった』とも言えそうですが…。
しかも皮肉な事に冒頭で学んだ『パンフォーカス』の範囲にギリギリ入っていそうなので、このような状態でも一応普通に撮影できてしまいそうですよねぇ。
それで現在までそのままこの状態で放置されたんでしょうか…。
さて、これからどのようにこのレンズの修復を進めて行きましょうか…。
。。。。。.....
悩み、迷い、そしてメーカーへの猜疑を抱きながら深慮した結果…。
まずは『現状の状態で無限遠のピントが合っているかどうか』調べてみます。
分解された形跡を感じない事からメーカー製造時に問題があったのではないかと推測してみました。
ですのでその推測が正しければ無限遠のピントは合っているのではないかと推測します。
であれば現在の焦点距離約3mでは無限遠のピントは合っていないはずです。
その後に赤矢印のネジを緩めてフォーカスリングを∞まで回転させて再びピントの確認を行ってみます。
そのピントが合っていればフィルター取付リングの取付をどうにかして対処しますし、ピントが合っていない時には次の段階に進むことにします。
では無限遠のピントの確認のためカメラ本体のSP F君に登場してもらいます。
え~、ただ今無限遠のピントを確認したのですが…。
あまりにも異常な結果が出てしまいまして…。
私の頭脳の演算能力を遥かに超える結果が出てしまいまして
正直いまとても混乱しています。
今までの測定結果は何だったのだろう?
今まで行ってきたデジカメを使った無限の調整方法って根本的に間違っていたの?
と、全てを否定されるような結果が出てしまいました。
今まではレンジファインダーカメラを対象として無限遠のピントの調整を行ってきましたが、
今回は一眼レフカメラを使って調整をしたのでコチラの結果の方が信憑性があると言わざるを得ません。
。。。。。ムムムムム、困ったというかどう解釈するべきか…。
取り敢えず結果を皆さんに見てもらうのが、見ながら一緒に考えていただければ幸いですのでご覧ください。
こちらが上のの画像の位置である現状の3m辺りのピントです。
ヤッパリピントは合っていませんね。
こちらが本来あるべき位置の∞なんですが、3mの時よりも更に、大幅にピントがズレてしまっています。
私の予測とは真逆の結果となってしまいました⤵⤵⤵
だったらどの位置で無限遠のピントが合っているんじゃい!!!
と怒鳴りたくなりますよね。はい、全くその通りなのでピントの合致する位置を探しました。
すると…。
この様にピントがバッチリ合う場所が見つかりました!
ただ..........。その場所が…。
ここでした⤵⤵⤵
こんなのあり得ないですよね 無限遠が0.5mなんて!
すみません。
すみません。
でもこれ事実なんです!
信じられないので三度やり直したのですが結果は同じでした。
この結果はいったいどういう事なんでしょうか???
現状、この結果を受け止めると私には『デジカメを使った無限遠のピントの調整方法』は間違っていたのではないかと判断するしかありません。
今まであれだけ苦労して沢山のカメラの無限遠のピントの再調整をドヤ顔して行っていたのにそれが間違っていたなんて…。
認めるべきなんでしょうか。
全く予期、予測をしてなかった結果に私の頭がフリーズしてしまい、現在何も考える事が出来ません。
すみませんが本日はここまでとさせてください。
全てを一旦止めて冷静になって考えたいです。














