分解&清掃デスマーチ ③ です。
まだ残りが30本以上あります。
なるはやで行きましょう。
今回はNEW FD 50㎜ F1.8 にします。同じレンズを連続で作業すると混乱しちゃいますからね。
さすが数年間野ざらしにされただけってホコリが凄くて汚いですね。
シリアル番号:512601です。
でもフィルターを外せばまぁまぁのレベルですね。
後玉側にはカビちゃんがしっかり成長してますね!
もう立派な大人って感じです。
除去できても痕が残りそうなレベルです。
分解作業の手順は基本的に前回のF1.4と同じです。
まぁそうですよね。
この二本は姉妹みたいなもんですから。
キヤノンのレンズは分解してみると画像のようにグリスが溶けて?なのかスピンドル油のようになった液体が滲み出てる事がよくあるんです。
そのせいかキャノンのレンズは絞り羽根に油染みが付着している物が比較的多いです。
前玉の裏側に中大クラスのカビが生えています。
案の定後玉の特大カビたちは前玉側からアクセスが可能でした。
前回のF1.4でのミスから学んでいます。
後玉のこっち側はこのままの状態でクリーニングするだけで良さそうです。
私はレンズのクリーニング液にはこの『FUJICOLOR レンズクリーニング・リキッド』というのを47年前の中学生の時からずっと使っています。
なぜか拭きムラや拭き残しの跡が付きにくいんです。
ダメな時もありますけど。
上記のクリーニング液では上手に落ちない時、例えば油脂分が残ってそうな時はラッカーシンナーや
このIPA=イソプロピルアルコールを使います。
その後上記のクリーニング・リキッドで再び清掃します。
清掃後に青色LEDで確認をすると例の『クモリ』がそれなりにあったので今回は『カビキラー』も使ってみました。
私は『カビキラー』は好きではないのですが、使ってみたら良い結果が出ました。
というか... 『カビキラー』は意外と使えるのかも知れません。
『カビキラー』を使ってしまったのでその後再び『FUJICOLOR レンズクリーニング・リキッド』で清掃して
さらにIPA=イソプロピルアルコールで仕上げました。
その結果前玉は充分納得できるレベルにい上がったのですが…。
後玉の方はこれが精一杯でした⤵⤵⤵
レンズキャップを付けてもらえずに裸で野晒しにされていた事を考えればこれでも立派な物でしょう。
前玉は綺麗なのでココまでクリーニングすれば良いかなぁ、と思ってたのですが
これまたよぉ~く見るとなんかレンズの内側に薄い霞のようなクモが掛かっているように見えるので分解します。
赤と黄色の矢印の部分を折損しないように抉りながら分離します。
するとこの様に3つに分離できるんですが、ココの樹脂パーツが大嫌いなんです!
今にも折損しそうで。
樹脂化によるコストダウン大反対です!
前玉の内側のレンズはこの様な形状をしています。
とても不思議な事が起きました。
前玉のクリーニング&拭き取りを何度繰り返しても油が原因と思われる薄いクモリを除去できません。
青LEDではその原因が解らなかったのですが…。
蛍光灯の光で見てみると、左側のレンズ外周と樹脂枠の間に白い線のような見えます。
コレ実は油染みのようなんです。
レンズと樹脂枠の間に存在していた油成分がクリーニング液の水分に触れて滲み出てきてしまい拭けども拭けども結果的にこの滲み出てくる油をレンズ全体に薄く広げてしまっているようです。
こうなってしまっては…。
まず外周端部のクモリの除去は諦めて放置して(おそらくフィルム端部に蹴られるため影響は無い)それ以外の部分のクモリ除去に重点を置く。
今このまま組み立ててしまうとクリーニング液の水分が前玉の中に残ってしまう可能性があるので数日放置して乾燥させることにします。
というつもりだったのですが、数時間経過したらいい感じに仕上がったので作業を進めることにしました。
外周端部と中心部に分けてクリーニングしたらレンズの内側の部分がそれなりに上手く拭き取れたので画像はありませんが前玉を組上げて樹脂カバーで固定しました。
その後レンズボデイに挿入しました。
ちょっと見分けにくいかもしれませんが、外周端部にちょっとクモリのような物がありますが、それ以外はとても綺麗になりました。
これにて完了です。



















